仁義なき女子の闘い 全日本フィギュア
宮原選手の3連覇で幕を閉じた全日本。不動の女王という言葉がふさわしい貫禄の優勝でした。現時点では頭一つ、二つ位抜け出しています。
宮原選手の安定感を考えると、少なくとも今シーズンは日本国内では敵無し、日本のエースの座は揺るがない感じです。
でもいつまでも宮原選手頼みでは困る!
いや、私ごときが言うまでもなく、女王宮原知子を猛追している若い選手が続々!日本女子は男子以上に熾烈な闘いの世界に突入しつつあります。
まさしく仁義なき闘い。
「若いと思って舐めたらいかんぜよ!」
あ、何かいろいろ混ざっちゃった。
☆☆☆☆☆☆
まずは私のひいきの選手の一人、白岩優奈選手。本当に可愛らしいですよね。それなのにジャンプが凄い!
ショートでは2アクセルが抜け、スピンでは手袋が靴に引っ掛かるというアンラッキーなアクシデントで2つの要素が0点になり、出遅れてしまいました。
でもフリーではその出遅れを取り返して余りある、130点超えの素晴らしい演技!昨シーズンの全日本でも最後の方に3-3-2のコンビネーションジャンプを加点が大きくつく出来で決めて5位に入りましたし、全日本とは相性がいいみたいですね。
骨折してしばらく滑れなかった影響かどうか、得意の3S-3Loは今シーズンはまだ跳んでいないみたいですが、万全になったらまた見せてくれるでしょうか?
3S-3Loの大技が無くても、3Lz-3T、3F-3Tという大技を両方成功させ、大きく点を稼ぎました。しかも加点もしっかりつき、しかも3F-3Tは後半に。ジャンプだけでなくスピンは全てレベル4。
全体的なスケーティングや体の動きも、昨シーズンに比べて随分柔らかく滑らかになっていたように思います。フリーの曲は昨シーズンと同じ「ナイトワルツ」だったので余計に違いが際立って感じられました。ただ、曲のアレンジ、演技構成や振り付けは大きく変わっていて、少し大人っぽくしっとりとした感じになっていました。この曲、白岩選手にピッタリだと思います。
☆☆☆☆☆☆
シニアのGPシリーズで伸び伸びと自分の演技を披露した大きなハートの持ち主・松田選手は、全日本でもやっぱり伸び伸び!
コンビネーションの二つ目、三つ目に3ループをつけるという難しいジャンプを、回転不足になりやすい事を承知でそれでもこだわりを持って挑んでいる、その姿勢も、滑る事が楽しくてしょうがないといった佇まいもどちらも大好きです。
得点で見るとまだシニアの表彰台は遠いかもしれません。素人の浅知恵ですが、二つ目に3トゥループをつけるコンビネーションも入れていけないですかね?
そう言えば浅田選手も3ループをつけるコンビネーションは跳んでも、3トゥループをつけるコンビネーションは印象にない。-3Loが得意だと-3Tが苦手になるとか、何かそういうのがあるんでしょうか。
いずれにしてもまだまだこれからの選手。大きな可能性を秘めていると思います。期待してます。
☆☆☆☆☆☆
ジュニアGPSファイナルはインフルエンザで欠場という悲しい思いをした本田真凛選手は、ショートでは涙、フリーでは笑顔で試合に出られる喜びを表していました。
バランスのとれたスタイルのせいか年齢の割に大人っぽく、エレガントで流れのある演技が持ち味の選手だと思います。
フリーは「ロミオとジュリエット」。
前半の得点源ジャンプ3F-3Tの予定が、最初のフリップを失敗し単独に。その分後半の3サルコウに3トゥループをつけてリカバリーしました。結果全てのコンビネーションジャンプを後半に跳ぶ事に。病み上がりでスタミナが心配だったのですが、見た感じ大丈夫そうでしたね。
最後の2アクセルからの3連続ジャンプはジュニアGPSで2戦ともミスになったためか単独に変更していました。お陰で後半の5つのジャンプは完璧。
フリーの演技後、首を傾げて笑顔で「やっちゃったなあ」みたいな表情も、挨拶のポジションを間違えて慌ててリンクの中央に戻っていたのも可愛かったです。大人っぽく見えてもまだ15歳なんですよね。
ショートの後、涙をこらえながら一生懸命答えている本田選手に、まるで泣かせようとするみたいに涙がどうたらとか他の選手より長めに食い下がっていたインタビュー、ちょっとしつこくてイラッとしました。三田アナってそういうタイプのアナウンサーじゃないと思ってたんですが。ディレクターか誰かからの指示だったんでしょうか。
☆☆☆☆☆☆
三原選手もフリーで130点超えの高得点。ほぼノーミスでした。
気になった点と言えば、ちょっとスピードがGPSほどなかったかな?というところ。
GPSでミスのあった後半の3ルッツからの3連続、もっとスピードに乗ってリンクの壁に近い所で跳んでたと思うんですが。もしかしたら逆に、壁に近すぎた事がミスの原因という判断で助走のスピードを調節したんでしょうか。同じくミスした3ループも慎重になってた気がしました。
あと、シンデレラならぬピーターパンが空を飛んでるみたいな、疾走感のあるコレオシークエンスもスピードがいつもより遅くぐらついていたように見えました。
ひいきの選手が高得点を出したのだから素直に喜べばいいとは思うんですが。勝って兜の緒を締めよじゃないですが、あまりに良過ぎると逆に心配になってしまうんですよね。取り越し苦労する親戚のおばさんの気分です。
☆☆☆☆☆☆
全日本ジュニア女王・坂本選手は今回もフリーの3ループでミスが出てしまいました。元々苦手なのか、ミスが続いたので嫌なイメージがついてしまったのか。
でも、3フリップからの連続ジャンプ2本は大きく幅がありました。ジュニアGPSでは3F-2T-2Tだった3連続、3つ目をループに変えてより高得点を狙い成功させました。
ただ、ちょっと不思議なのが、何でジャンプを前半に多く跳ぶ構成なんだろう?という事。多くの選手が前半2本か3本に抑えているのに、坂本選手は4本。コレオシークエンスのないジュニア用のプログラムだと5本の構成になっていたはずです。特にスタミナの問題も無さそうだし、もったいないじゃないかと思うんですが。
坂本選手の演技で好きな所は「跳ぶぞ、跳ぶぞ」という感じで長く構えず、流れの中で自然にスッとジャンプに入る所です。こういった所は仲良しだという三原選手と同じですね。
来シーズンはシニアに上がるであろう坂本選手。仲良しの三原選手と切磋琢磨して、二人でシニアの舞台で暴れ回ってほしいですね。
☆☆☆☆☆☆
そして満を持して女王の登場!
前半のコンビネーションジャンプでおっと、と思いましたが、それ以外は自信に満ちた貫禄の演技でした。ショートでパーソナルべストを出してフリーも、と期待していただけに惜しかった!
まあ、楽しみは次に取っておきましょう。
フリーの「惑星」大大大好きです。今シーズンの全ての選手の全てのプログラムの中で一番好きです。元々好きな曲だというのもありますが、振り付けと、それを一戦毎に自分の物にしていく宮原選手のキビキビした力強い演技が、本当に観ていて気持ちいいです。
150センチ位だという小柄な宮原選手が、リンクの上では本当に大きく見えます。手足がスラッと長いというのもありますが、全身を目一杯大きく使った、それでいて自然な流れを損なわない伸びやかな動きは、今の現役選手の中で、いや、私の知っている歴代の選手を含めても宮原選手がNo.1だと思っています。とにかく私には、宮原選手の演技は観ていて本当に気持ちいい、何度観ても見飽きないものです。
☆☆☆☆☆☆
その女王の風格に満ちた演技の直後、力強さなら負けないとばかり、パンチの効いた演技を見せたのは刺客第1号・樋口選手。2年連続で表彰台に乗り、若手だけど何故か既にベテランみたいな貫禄がありますね。
3サルコウで珍しい失敗の仕方をした以外は素晴らしいフリーだったと思います。それにしても3サルコウ、痛そうなコケ方だったなあ。
後半の3Lz-3T、昨シーズンの全日本でも今シーズンも失敗が多かったのに今回は完璧に決めました。2Aからの3連続も綺麗でキレのある回転で良かったと思います。
改めて昨年の全日本を見返すと、この一年でびっくりするくらい大人っぽくなったなあと感じました。宇野選手もそうだし、シニアの舞台でトップレベルの選手たちと競うという経験は、選手にとって物凄いインパクトなんでしょうね。
☆☆☆☆☆☆
フリー最後の登場は復活を期す本郷選手。宮原選手の同期と言っていいと思いますが、明暗が分かれてしまいました。
ショート2位だったのに。フリーを昨シーズン滑りこんできたノリのいいプログラムに変えたのに。最後に3サルコウに3トゥループを意地でつけたのに。最終的な結果に繋がらなかった。言葉では言えないくらい悔しかったと思います。
でも本郷選手にはまだまだ先がある。今回失敗はしたけど出来る限りのリカバリーをした事は、きっと次に繋がるはずです。というか繋げてほしい。
昨シーズンの途中あたりから今一つパッとしなかった本郷選手ですが、この全日本をきっかけに再浮上してほしいです。
全日本の結果を受けて世界選手権代表は、宮原、樋口、三原3選手に順当に決定。
グランプリシリーズロスに陥っていた私ですが、今は世界選手権が待ちきれないニャ。
その前に四大陸もありますが。
それでも物足りない。
もっともっと地上波かBSでいろんな試合を放映してほしいニャ。
さんざんテレビに文句つけといて何ですけど。
このような拙いブログを読んでくださった皆さまありがとうございます。
来年も気が向いたら覗いてやって下さい。
それでは、良いお年をお迎えください。
フィギュアスケートカテゴリーですニャ
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