謎好きにゃんこの妄想

謎と名のつくものに目がないにゃんこ好きが妄想脳で綴るブログですニャ

女子はロシアが一人勝ち!フィギュアGPS前半戦を振り返る その1 アメリカ大会

●第1戦 アメリカ大会 

日本からは、男子は友野一希、島田高志郎、女子は坂本香織、樋口新葉、山下真瑚の5選手が出場。


○男子

今季シニアデビューの島田選手。ジュニア時代に初めて見て、ジュニア時代の羽生選手に似て線が細く王子様感のある選手だな、と思ってました。今は線が細いけど、シニアに上がる頃には頼もしい感じになっていくのかな?と。
スラッと細身で手足が長く、表現力はまだまだだけどちょっとした仕草に品がある。
4回転の安定感はまだ低い。ただ、助走が短くヨッコラショ感があまりなく回転の早いジャンプが跳べるので、決まった時は大きな加点が見込める。特にルッツ。ジュニア時代の試合で真横からのアングルで捉えたのがあって、その幅に驚いた記憶があります。
シニア初戦はショートで抜け、フリーで転倒があってちょっぴりほろ苦いものになってしまいましたが、世界中のフィギュアファンに存在感はアピール出来たんじゃないかと思います。

友野選手のショートはちょっと面白い振り付けのプログラムでしたね。コンテンポラリーバレエの要素を含んだものらしい。と聞いてもコンテンポラリーバレエってどんなものか知らないけど。
フリーは「ムーランルージュ」。あの髪型は正解なの?遠目に見ると、5分刈りの人がベレー帽かぶってる風に見えるんですけど。
冒頭の4トゥループー3トゥループ、メッチャ綺麗だった。それだけに、その後のジャンプがことごとく決まらなくてもったいなかったですね。でも「何とか降りるぞ!」って気合いみたいなものは伝わってきました。
友野選手は見せ方、お客さんの沸かせ方が上手いと思います。振り付けの人が「ここで観客を沸かせたい」と思っておそらく振り付けているであろうポイント、ポイントでピシッとポーズを決めて会場のお客さんを沸かせて巻き込み、それを自分の力にしている感じがします。振り付け師さん思いのスケーターですね。
エキシビジョンでもいつもウケてるし。
演技後拾い上げてたフクロウのぬいぐるみ、目がクリっとして可愛かった😺友野選手はフクロウ好きなの?

アジア勢の金博洋、チャ・ジュンファン両選手は実力が全く出しきれてなかったですね。2戦目を注視しましょう。

ジェイソン・ブラウンのスケーティングは相変わらず美しい。ジャンプを少々ミスしてもそれほど気にならない。柔軟性を活かした回転の早いスピン、独創的なステップ、全体的にスピードがあって伸びのある滑らかなスケーティング、本当に素晴らしい。ロン毛だった頃はミスが多く粗い印象が強かったですが、最近はジャンプミスがあってもうまく纏めて、どんどん洗練されてきてる。4回転に頼らなくてもこれだけ高いレベルで戦える、それを体現してくれてる選手。ボロノフみたいに息の長い選手になって欲しい。出来るだけ長く見ていたい選手です。

ネイサンは本当に強くなったなあ。苦手だった3アクセルが今では得点源の1つになっているし、スピンもステップも弱点がない。それにあのバランス感覚!あんな体勢や動きでよくコケないな、って不思議に思うくらい、氷上とは思えないくらい、自由に動いてる。

突出した身体能力とバランス感覚という事ではネイサンに勝るとも劣らないキーガン・メッシング。あの、重力を感じさせない、スピード感溢れる、スーっと流れるスケーティング、大大大好きです。
スピードをガーっと出して、そのままスピードに乗ってヨッコラショ感なくスッと跳び上がり、ガシッと感なく柔らかく着氷するジャンプが好き。
情感豊かで大きく伸びやかで、観てる人を楽しませたい、というサービス精神が伝わってくるステップが好き。(顔を作っただけで表現した気になってる、自己満足のなんちゃって表現力がウリのスケーターとは一線を画す。誰とは言わんけど)
独創的なポジションで美しく早く回るスピンが見ていて気持ちよくて大好き。
フリーではジャンプミスが響いて自己ベストから40点近く低い得点になってしまいましたが、ブラウン選手と同様、ジャンプの出来不出来に関わらず何度でも観たくなるスケーターです。
ショートの演技後、天を見上げて投げキッスしてたのは今年交通事故で亡くなった弟さんに向けてたのかな。


○女子

坂本選手のプログラムは今季ショート、フリーどっちもノリのいいカッコいいプログラムになってますね。ついでにエキシビジョンのも。坂本選手のスピーディでダイナミックなスケーティングに凄く合ってると思います。昨シーズンの女性らしい大人なプログラムも好きだったけど、今季のも好き。
フリーではジャンプが2本も抜けてしまい、ショートの2位から4位に順位を下げました。抜けた以外は悪くない内容だったけど、競技である以上は結果が全て。て言うか、2本もジャンプが抜けた時点で悪くない内容というのは違うか。今季は日本女子には辛口、と決めているので、坂本選手には喝を入れたいと思います。「自分を甘やかしている所があった。練習不足が出た」って、意識低すぎ!

樋口選手のショートのヘアメイクはあれで正解なの?どうしても手抜きに見えるんですけど。
樋口選手も坂本選手同様、ショートで好発信するもフリーで自滅。転倒はともかく、あの抜けグセだけは本当にどうにかしないといけないと思います。
フリーはフラメンコ。ジュニア時代の「マスク・オブ・ゾロ」もそうだけど、フラメンコって樋口選手に合いますね。

山下選手に関しては、改めて触れるのも苦しいくらいボロボロでしたね。足の甲に痛みがあるとかで、その影響なんだろうとは思うのですが。痛みそのものが原因なのか、痛みによる練習・調整不足が原因なのかわかりませんが、あんなにボロボロになるくらい不調なら棄権した方が良かったんじゃないか、無理して悪化したら元も子もないし、他の選手に枠を譲ってあげた方が日本のフィギュア界トータルで考えた時にプラスになるのでは?と、部外者としては勝手に考えてしまいました。
もちろん、コーチや医療スタッフなどが検査・検討してゴーサインが出たから出場したんだろうとは思いますが、「不調をおして強行出場する事」が何となく美談のように語られがちな風潮があまり好きではないので、「よほどの事がない限り棄権なんかあり得ない」という変な思い込みや拘りが、もしも選手や関係者の間にあるとしたら嫌だなと。
根性論という事ではなく、気持ちも戦う上で大事な要素なので、不調でも不調なりにここまでやれた、という実感を得ることは先々プラスになるとは思います。ただそれも時と場合によるし、目先や一選手だけの事だけでなく、大きな視点で合理的な判断をする事も時には必要だと思います。たとえ冷酷だと言われようと。そのためのスケ連じゃないのかな?
明らかに体のキレがないな、調整できてないな、という山下選手の代わりに、出場資格はないけど有望な選手、国際大会に出場経験の少ない選手にチャンスを与えるという選択肢はなかったのかな?ルール的には可能だったはずですが。山下選手には酷かもしれないけど。
出ようと思えば出られるけど体調があまり良くない時は思いきって休む、という考え方もフィギュアだけでなくスポーツ界にもう少しあって欲しい、とスポーツ好きの一人としては思います。

優勝は大方の予想通りシェルバコワ選手。
ショートではステップでエッジが氷の溝に引っ掛かったような感じで転倒。3ルッツー3ループの回転不足もあって得点はあまり伸びませんでした。でも、なんくるないさー。私には絶対的に自信のある4ルッツ2本があるもんねー、というような事を思ってたかどうかはわかりませんが、淡々とやる事をやって当たり前のように優勝をかっさらっていきました。
フリーでは衣装の色早替えが話題になりました。欲を言うなら、青から赤じゃなく、同系色にするか、濃淡をもうちょっとどうかするかして欲しかったな。赤色にチェンジした後、裾から元の青色がチラチラ見えて、その赤と青の組み合わせがあんまり美しくない。重なって見えた時に美しく見える色の組み合わせにして欲しかった。

テネル選手は骨折してアメリカ大会の4週間前にようやく練習を再開したそうですが、そんな感じ全然しなかったです。ショートもフリーも大きなミスなく初戦からなかなかの完成度。改めて坂本選手、練習不足が出たって意識低すぎですよ!
ショートはピアノが印象的な曲。振り付けが音に凄く合ってたし、テネル選手もそれをうまくこなしてましたね。ただ、このプログラム、なんかイラッとくるんですよねぇ。曲、振り付け、衣装、それぞれ個別に見ると別にどうもないのに、3つ合わさるとなんか気に障る。なんでだろう?どういう所がどうイラつくのか自分でもわからないんですけど。特に最後のポーズ決める所でイラッ!!のMAX。ま、それだけ印象的て個性的なプログラムだということなのかもしれません。
そのせいか、フリーは印象が薄い。柔らかい感じの美しいプログラムだとは思うんですけど。

トゥクタミシェワ選手はショートで得意の3Tー3T、3ルッツが今一つの出来で、3アクセル成功のアドバンテージを守りきれず出遅れてしまいました。フリーは大きなミスなく滑りきりましたが、あまり点が伸びず140点に達しませんでした。もしかしてステップ、レベル2だった?左上の暫定ではそうなってたような。3アクセル以外のジャンプやスピンの加点も全体的に低かったみたいですね。
私、トゥクタミシェワ選手の演技、あまり好みじゃないんですよね。何だか上半身が固くて背中に物差し入れてるみたい。姿勢がいいという見方も出来るのかもしれませんが、やっぱり私にはこわばってるように見える。ヨイショヨイショと漕ぐ感じがなく滑らかなスケーティングなので、スケーティング技術は高い方なんじゃないかと思うのですが、ベテランの割にいつも演技構成点が低めなのはあの上半身の固さにあるのかな?と思ったり。上半身や腕を柔らかく使って全身で表現するという場面があまり無く、いつも肘から先をヒラヒラさせるか手首をクリンクリン回すマンネリな動きなので、どのプログラムも同じに見えてしまうんですよね。
あと、どうしても一挙手一投足にマダム感、と言うよりオバチャン感が・・・。さっき言った手首クリンクリンとか頭を振る動きとか。紹介Vに出てくるオフの様子を見てても、ちょっとした仕草や決めポーズがいちいちオバチャンくさい。気品というものがあまり感じられない。路地裏の小さいカラオケスナックの、酒焼けしてガラガラ声のキップのいいママのイメージ。実際のトゥクタミシェワ選手の声は可愛いですけど、あくまでイメージで。それに、トゥクタミシェワ選手の踊りを見てるとどうしても場末のキャバレーのダンサーを連想してしまう。どんな曲のどんなプログラムでも。
日本女子には辛口に、って思ってたら、何だかトゥクタミシェワ選手にも毒舌になってしまいました。いやもう、毒舌どころかほとんど悪口じゃんって?トゥクタミシェワ選手自体は好きですよ。あくまで身のこなしや演技が好きじゃないだけ。

アメリカのアンバー・グレンという選手、初めて見る選手だけど、あのお目々バチバチケバケバメイクは正解なの?私は変だと思ったんだけど。

何せファッションセンスや美的センスに全く自信ないので、実際どうなのかはよくわかりません。

日本女子は大丈夫なのかニャ?フィギュアグランプリシリーズ前半戦

メチャクチャ不安です。


今季は、個人的におそらく史上最強だと思っているロシアの3人がシニアデビュー。

4回転ジャンプをフリーで3種類4本と、男子並みの構成で跳ぶ「怪物」アレクサンドラ・トゥルソワ。現時点でもっとも高難度のジャンプ、4ルッツをフリーに2本組み込んでいる「妖精」アンナ・シェルバコワ。そして、身体能力の高さとスケーティングの美しさ、優雅で洗練された身のこなし、それに加えてシニアデビューに合わせて3アクセルまで身に付けてしまった、海外選手の中で私のイチオシ、「女神」アリョーナ・コストルナヤ、のトリオ。


誰?シニアに上がる頃には体型変わって4回転跳べなくなってる、って言ってた人は。
まあ、私も少なからず思ってましたけど。
・・・跳べなくなるどころか、安定感増してるやん。


トゥルソワはグランプリシリーズ第2戦カナダ大会で4本中3本の4回転を着氷、フリーと総合の歴代最高得点を更新。
シェルバコワは初戦アメリカ大会で、4ルッツ2本を降り、フリー160点台に乗せた。
コストルナヤは第3戦フランス大会で、ショートとフリーで計3本3アクセルに挑み、ショートは回転不足となるもフリーは2本とも成功。フリーでは4回転キッズ2人に迫る159.45の高得点でパーソナルベストを更新した。

もうさんざん使われて手垢のつきまくってるダジャレだけど、本当に「恐ロシア」。
もうスゴいとしか言いようがない。ボキャブラリー貧弱と言われようとも、これしか言えない。




シニア1年目。
しかもシーズン初めからキッチリ結果を出してきた。
トゥルソワなんか「シニアの選手と同じ舞台で滑れて嬉しくて、緊張しなかった」って言ってたし。身体能力だけじゃなくハートも怪物。
もうロシア人、身体もメンタルもどうなってんの?




・・・ただ、ロシア3人娘の事はいいんです。いずれ女子にも4回転時代がやって来るのはフィギュアファンなら分かっていた事だし。こんなに早くとは思ってませんでしたが。





問題は日本の女子です。



日本女子、大丈夫なの?

なんと言うか、4回転がどうの3アクセルがこうの、それ以前の感じがするんですけど。

ロシア最強トリオ+女王ザギトワ、このロシア勢にどこまで食い込めるか・・・って、この4人どころかアメリカ、韓国の選手にすら大きく水をあけられてるじゃん。

そもそもが、全く世界のトップレベルで戦える状態にない気がするんですけど。

紀平選手以外、完全に準備不足ではないですか?




キツい事言いすぎ?
選手はそれぞれ頑張ってる、そういつもいつも結果を出せるわけじゃない。

それはそうです。
それは私もわかっています。
わかってるけど、でも・・・。





私がここまで悲観的になってるのは、既に全7戦終わっているジュニアのグランプリシリーズを観てしまったからです。

今季のジュニアの日本女子、シニア以上にお寒い状況となっています。

シニア同様、ロシアどころか、存在感を増してきているアメリカ、韓国などに完全に置いていかれています。

表彰台が松生選手ただ一人。
その松生選手もケガで2戦目をキャンセル。
ガッカリ続きの私にとって最後の希望だったのに。



思えば、先シーズンから既にその兆しはありました。
ファイナル6人の内5人がロシア、残り1人が韓国。
そして今季は、ロシア4人、韓国1人、そして4ルッツと3アクセルを装備したアメリカの新星アリサ・リウ。

ついこの前まで、日本VSロシアの一騎討ち状態だったのに。

・・・日本女子の未来は大丈夫なの?
シリーズ1戦ごとに私の不安は大きく大きくなっていったのでした。





そして、シニアのグランプリシリーズが開幕。

それなりに覚悟はしてました。


ロシアの最強トリオが一斉にシニアデビュー。
4回転キッズ2人と、その2人に4回転・3アクセルなしで勝った昨シーズンのグランプリファイナル女王コストルナヤ。しかも3アクセルを携えてシニアに上がってきた。

今季は昨年のメドベ状態になるかな?と思っていたザギトワが、ジャパンオープンで(お祭り爆盛り大会とは言え)フリーで154点台。まだシーズン初盤で滑り込んでいない新しいプログラムで。しかもスピンステップ取りこぼしがあってこの得点。
シーズン進んだらどれだけ点が伸びるんだろう?


ロシアに死角なし。

そりゃあ、ビビります。



でも、でも、日本の選手だって負けてはいない。

紀平選手は3アクセルの安定感が増しているし、4サルコウも練習中。
坂本選手は今季中に3アクセルを組み込むべく、フリー1本目を2アクセルにするジャンプ構成。表現力アップにも力を入れて練習している。
宮原選手も3アクセル習得したいと言ってたし。

どこまで史上最強ロシア勢に食らいついていけるか、いずれにしてもハイレベルな戦いになると思ってました。

それが・・・

・・・何なんだろう、この不甲斐ない戦いぶりは。



アメリカ大会。

ショートで2位につけた坂本選手は、フリーで2本もジャンプが抜け130点を切る得点。結果順位を落として4位。
ケガから復活したての樋口選手、足の甲に痛みがあるという山下選手。ボロボロの内容でお話にならない。特に山下選手は、そんなに痛みがあるなら棄権した方が良かったんじゃないか、無理したら悪化するんじゃないかと心配になるレベル。



カナダ大会

紀平選手は左足を痛めているそうでルッツを封印。ジャンプ構成を落としてはいるものの、安定感を増した3アクセルを筆頭に着実に得点を重ね、今出来るベストは尽くした感じ。怪物トゥルソワに次ぐ2位。
本田選手は直前に交通事故に遭うという災難に見舞われ、万全な状態ではなかったものの頑張ったと思う。それでも、交通事故の影響を抜きにしても、ジュニアからシニアに上がった前後の輝きはまだ戻っていないし、これからまだまだ時間はかかりそう。



フランス大会

坂本選手。ショートで得意のアクセルで転倒、同じく得意のループでステップアウト。スピンでもミス。フリーはノーミス、と思ったら回転不足やエッジエラーを取られまさかの135点台。
今大会は坂本選手に限らず全体的に厳しいジャッジだったので、少なくともフリーの内容を不甲斐ないと言うのは酷かもしれないけど、そもそも4回転時代突入に備えて3アクセルをやらざるを得ないと言っていた坂本選手が、ジャンプ構成を昨季より下げてる所からして戦略がよくわからない。フリップをループに変えたのはナゼ?今季、回転不足だけでなくエッジエラーへのジャッジが更に厳しくなる事を想定してのリスク回避という事なのかな?ルール改正前ならまだ0.2点の差だったけど、今は0.4点。たかが0.4点、されど0.4点。
元々回転不足やエッジエラーを取られる事の多かった樋口選手、厳しめジャッジの大会で真っ先に血祭りにあげられてしまった感。お顔に肉がつきやすい体質みたいで実際よりも太って見えがちだけど、昨季よりは少し絞った感じがして努力の後は見える。とは言え、回転不足はともかく、抜けグセはそろそろ何とかしないといけないんじゃないかな?
白岩選手は、ジュニアの頃初めて見てスゴく期待していた選手なのに、シニアになってからパッとしない。伸び悩んでいると言うよりやや後退しているのでは?とさえ思う。とにかくミスが多い印象。それからスピンやステップのレベルがなかなか上がってこない。そして、樋口選手とは逆に、顔だけ見たらそれほどでもないけど、胴回りとか見ると体が絞れてない感じ。



とにかく気を吐いているのは紀平選手ただ一人。

結果を出したのが松生選手ただ一人という、ジュニアと全く同じ状況。
そして、その松生選手はケガで2戦目を棄権。
紀平選手も左足の不調でルッツを封印中。

元々ネガティブな私は、嫌な予感を振り払うのに必死です。




紀平選手以外の各選手も、一生懸命努力しているだろうとは思う。4回転時代に入ってレベルが一気に上がってくるのに備えて、高難度ジャンプを練習してる選手は、足により負担がかかり不調や痛みがあるんだろうな、というのも想像がつく。

でも、それは日本選手だけに課された試練じゃない。アメリカ始め各国の選手も置かれた状況は同じ。その中で、それぞれ今季の戦い方に明確な方針があって確実にレベルアップしてきてるように見える。
足への負担の問題で言えば、フィギュアスケートという競技の性質上、どの選手も大なり小なり不具合は抱えながらやってると思う。現にテネル選手は、足を骨折してアメリカ大会の4週間前にやっと練習を再開したらしいし。

一方で、日本選手は紀平選手以外、方針が定まってるのか定まってないのか、よくわからない。難易度を上げるのか、難易度を上げる事より質や完成度を上げる事に徹するのか、どっちともあまり決めてしまわずにその時その時の体調や状況に合わせていくのか。

今までのところ、坂本選手は昨シーズンより成績を落としているし、樋口選手、白岩選手等はこの2、3年ずっと、時々いい滑りをする試合があったかと思えばまたミス連発、を繰り返して堂々巡りをしている感じがする。今シーズンも引き続きそのパターンになりそう。それでも少しずつでもレベルアップしてるならいいんだけど、(技術的なところはわからないけど)、点数的にはじわじわ下がってる。


いずれにしても、ちゃんと世界と戦える体勢にあるようにはあまり見えない。


・・・未来どころか、今季の日本女子、大丈夫なの?






このままだと当分、日本女子は紀平選手の孤軍奮闘になるかもしれない。
ジュニアの人材不作を見てると、紀平選手が第一線から退いたら世界と戦える選手は限りなくゼロ状態になってしまうかも。







無駄に観戦歴が長いだけのド素人の私が、頑張ってる選手に対してこんなエラそうにダメ出しするのはどうかと自分でも思うんだけど。
でも日本女子が今崖っぷちなのは事実だと思う。

ここで踏ん張れなかったら、日本女子は一気に今の地位から滑り落ちていくんじゃないかと危機感を抱いている。

いくら日本でフィギュアが人気だと言っても、日本選手が弱くなったらあっという間に人気は落ちると思う。人気が落ちれば試合のテレビ放映も減る。試合を観る機会が減れば、更に人気が落ち関心は薄れる。日本開催の大会も次第に規模が縮小され、いずれは無くなるかもしれない。





そんなの嫌ニャ!

だから今季は心を鬼にして日本選手の戦いを見ていく事にしました。

別に私が辛口になったからって何がどうなるもんでもないんですけど。

でも、末端の何十万、何百万分の一であっても、気というのは案外ちゃんと伝わるものなんじゃないかと思っています。





日本女子、しっかりせんかい!

喝!!!

フィギュア2019ー2020シーズン イチ推し!横井ゆは菜選手

まだまだ残暑厳しいですが、氷上の美しき闘いは既に始まっています。


グランプリシリーズ、ジュニアは既にスタート。シニアは来月からですが、先日行われたげんさんサマーカップなる大会には坂本花織、樋口新葉らが出場。今季遂にシニアデビューの横井ゆは菜が優勝。



横井選手は日本選手の中で、私の今季のイチ推し選手。
昨シーズン、18歳ととっくにシニアに進んでてもおかしくない年齢でしたが、あえてジュニアで臨み、全日本ジュニアで優勝、全日本で7位。
昨シーズンのプログラム、SPもFSも大好きでした。

横井選手の演技の特徴は落ち着きと丁寧さだと思います。ジュニアで年少の選手たちに混じってたからそういう所が目立ったのかもしれませんが。
腕から指先まで気を配った丁寧で柔らかな表現、スピーディで滑らかでコントロールされたスケーティング。最初から最後までスーッと流れるように、無駄な力が入ってなくて、なのにパワーを感じる、そういう演技が持ち味だと思います。


技術面ではジャンプ>ステップ=スピン、かな?

ジャンプは回転不足やエッジエラーを取られる事が少なく、加点も大きい。助走が短めで、ヨッコラショ感がなく幅も高さも十分、しかも私の観た試合に限ってですが、大きなミスが少ない。質の良いジャンプを安定して跳べるのが強みだと思います。

ステップは昨シーズン、だいたいレベル3でした。(2だった試合もあったかも。ちなみに今季のげんさんサマーカップのフリーはレベル2だったようです)
(私は未だにレベルの差がどこにあるのかわからない。同じ選手の同じプログラムの4が取れた演技と3になった演技を何回見比べてもわからない)
元々レベル3の構成で予定通り取れてるのか、レベル4を狙った構成なのに取りこぼしているのか。横井選手はどっちなのかな?
レベルは別として、全身を大きく使った滑らかで柔らかさのある横井選手の丁寧なステップ。大好きです。

スピンは全てレベル4の構成になってるようですが、レベル3や2になる事も時々あるようで、安定感はイマイチ、なのかな?
個人的には、ビールマンをやらないのが気になる。ビールマンをやらない女子選手は少数派とは言え、トップレベルの選手にも何人かいるので別にいいっちゃあいいのですが、やっぱりビールマンやるとやらないとではお客さんの沸き方や拍手が違う。GOEには影響するのかな?軸の綺麗な回転の速いスピンの割に、GOEが(私の予想と比べて)低めなので、ビールマン入れたらもう少し貰えるのかな?と思ったりしてたんですが、実際のところどうなんだろう?私はビールマン好きなので、出来るならやって欲しい。

ステップやスピンに更に磨きをかけて、コンスタントにレベル4(悪くても3が1つか2つ)が取れるようになれば、ショート70、フリー140くらいは得点を稼げるポテンシャルがあると私は信じていますっ!


それから調整・・・おっと、もとい演技構成点。大体各項目7.5平均貰ってるようです。中でもパフォーマンスが高めの評価になってる事が多いみたい。私が思う横井選手の演技の特徴、落ち着きと丁寧さはこの項目の評価要素だと思うので納得です。
解説者の言ってた「見せ方が上手い」「余韻の残し方が上手い」も、パフォーマンス項目の高評価に繋がってると思われます。




今季のFSは昨シーズンから継続で「オペラ座の怪人」。おそらく更にブラッシュアップしてきてるのではないでしょうか。この日曜日(※勘違いでした。土曜0時からでした。早目に録画予約しておいて良かった)に放映予定の「フィギュアスケートTV!」で、多分げんさんサマーカップの模様を紹介してくれると思うので楽しみです!



ちなみに、妹のきな結選手は中学生にして3アクセルにチャレンジ中。公式戦での成功はまだのようですが、紀平選手に続く3アクセルジャンパーになるのか、これまた楽しみ。(※きな結選手もげんさんカップに出場してて、3アクセルを成功させたそうです。やったね!)

どうも、今季は3アクセルに挑戦する選手が大量に出てきそうな感じです。
アメリカの新星アリサ・リウ選手の事は大きく取り上げられていますが、他にもたくさんいるようです。ロシアのコストルナヤもシニアデビューに合わせて3アクセル習得を目指している、という話もありましたし、日本選手では、既に公式戦で成功させてる細田采花選手の他、三宅咲綺選手、ジュニアの吉田陽菜選手など続々。

男子が4回転時代に突入したように、女子は3アクセル時代に入っていくのでしょうか?

ロシアの4回転女子、トゥルソワやシェルバコワも3アクセルにトライしてるそうです。が、4ルッツという現時点で最高難度のジャンプを跳べる選手でも、3アクセルはなかなか跳べないそうです。
単純に考えれば、4回転がバンバン跳べるなら3アクセルも跳べるはず、なのですが、3アクセルには他のジャンプとは違う難しさがあるんだそうです。


それにしてもアリサ・リウも含めて、やっぱり3アクセルはアジア系向き、アジア系有利のジャンプなのかもしれません。アジア人の体格的特徴と相性がいいのかも。

ちょっとモヤった!? フィギュア世界選手権 女子

5年ぶりに日本開催の世界選手権。
・・・でしたが、結果は日本にとってちょっぴり消化不良なものになってしまいました。



今シーズン、大きなルール変更があり、おそらく選手も審判も手探り状態だったのではないかと思います。

採点面ではGOEの幅が大きくなった割に、グランプリシリーズでは、昨シーズンまでとそこまで大きな変化がないかなー?と思ってました。
でも、世界選手権はシーズンのクライマックスという事もあってか、結構気前良くGOEがついてるな、という印象を持ちました。

演技構成点も、シーズン終盤でプログラムの完成度が上がってきているためか、多くの選手がこれまでの大会より高めの点数を貰っていて、結果、シーズンベスト続出の大会となりました。
ただ、グランプリシリーズや四大陸と大差ないパフォーマンスなのに、演技構成点がドーンと上がってる選手と全く伸びてない選手がいて、その差は何やねん、とモヤモヤする面もありました。


回転不足に関しては、SPでは結構キッチリ厳しめに取ってるのかな?一転FSはかなり甘いかな?と最初は感じました。画面左上の暫定スコアの下に審議の黄色が点いていて、素人目にも「あ、これは回転不足取られそうだな」と思ってたのが、軒並み取られてなかったり。
そこで録画しているSPを見返したところ、あれ?SPもまあまあ甘いじゃない。スロー再生で確認するまでもなく、これ、他の大会だったら回転不足取られるジャンプじゃないの?というのが、審議の黄色にもならずしっかり加点を貰っているじゃない!


何なんだ、これ?


・・・なんかアヤシイなあ。




まあ、そのモヤモヤは一旦置いといて、女子の戦いを振り返ってみましょう。 





○ロシア勢(エテリさん関係)の逆襲!


グランプリファイナルで優勝を逃した五輪金メダリスト・ザギトワ、シーズン前半いいとこ無しで「終わった!」とまで言われていた銀メダリスト・メドベデワが、気迫の逆襲!
二人とも怖いくらいの表情してましたね。


今から決めつけるのもなんですが、来シーズンのロシア女子代表はガラッと顔ぶれが変わると思います。おそらく歴代最強であろうジュニア勢が一斉にシニアに上がってくるはずなので。
下手をすると、来シーズンの世界選手権にはザギトワもメドベデワもいない、という事になってるかもしれません。

もしかするとザギちゃんもメドベちゃんも、「これが最後の世界選手権になるかも!」という危機感の方が、「シーズン前半のリベンジ!」より大きかったかも。



そして、その思いはロシアのスケ連にもあって、だからこそ「ザギトワとメドベデワをここで揃って表彰台に乗せて有終の美を飾らせて、来シーズン気分よく円満に退いてもらおう」という意図がどっかで働いていたのでは?と、ゲスの勘ぐり極み乙女の私は想像したりしてます。


だってぇ、なんだか点の出方と順位が・・・。

ロシアの女帝エテリさんの元に戻ったトゥルシンバエワを含め、ロシア(もっと言うとエテリコーチ)絡みの選手がワンツースリー、日本選手が4、5、6位って、きれいに揃いすぎてて不自然です。



男子はどうかわかりませんが、女子は、日本選手とロシア選手が拮抗した時って、グランプリシリーズからずっと、今回と同じ「僅差でロシア選手が必ず上にくる」パターンなんですよね。




●疑惑 その1


グランプリシリーズ 第2戦 カナダ大会

   山下真瑚VSトゥクタミシェワ


トゥクタミシェワSP1位(74.22点)、山下選手SP3位(66.30)で迎えたFS。

先に滑ったのはトゥクタミシェワ。2位樋口選手に約8点の差をつけていたトゥクタミシェワですが、3アクセルで転倒、コンビネーションの3ルッツー3トゥループが3ー2に、とジャンプミスが続き、トゥクタミシェワにしては低い129.10点。
総合得点203.32点で、SP7位から巻き返して暫定1位だったメドベデワ(197.91点)を上回りました。

そして山下選手のFS。ノーミスの素晴らしい演技でした。どこまで点が出るか、表彰台に乗れるか、何位に入るか、トゥクタミシェワを上回るか・・・?

・・・あれ?なかなか得点が出ない。なんでこんなに時間かかってるの?戸惑い、苦笑しながら顔を見合わせる山下選手とコーチ。
そしてようやく出たFSの得点は136.76点。SPと合わせて203.06点。トゥクタミシェワに「わずか0.26点差」で、シニアのグランプリシリーズ・デビュー戦で見事2位表彰台、やった~!おめでとう。


・・・って一応言っておくけど、ちょっとなんか・・・。「わずか0.26点」の点差、そして異様に長く待たされたキスアンドクライ

・・・もしかして、あれって調整タイ・・・ゴホン・・・だったりしました?・・・ゲホッ、ゴホン、ゴホン

・・・私の中のゲスの勘ぐり極み乙女が、少ーし頭をもたげてきた瞬間でした。





●疑惑 その2


グランプリシリーズ 第3戦 フィンランド大会

   坂本花織VSコンスタンティノワ


FSで先に滑ったのは、ジャンプミスが響いてまさかのSP7位(57.26点)スタートになってしまった坂本選手。

コレオシークエンスのスパイラルでバランスを崩した以外は、持ち前のダイナミックなジャンプをきっちり決めた素晴らしい出来。得点は2位表彰台のアメリカ大会に迫る140.16点。総合得点197.42点で暫定1位。

コンスタンティノワは表彰台も十分狙えるSP4位(62.56点)。FSはミスなくまとめましたが、特に印象に残る演技ではなかったと思います。ジャンプの入りにはそれなりに工夫がありましたが、助走が長めでスピードや高さ、飛距離も平凡。着氷も特に美しくない。実際、暫定のGOEもそれほど多くついてはいませんでした。

演技を終了した時点の暫定技術点は73点台前半、それが最終的には73.57点。ふーん、そうか、珍しいね。普通は暫定より下がる事の方が多いけど。でもまあ、そういう事もあるか。上がってるって言っても微増だしね。

ちなみに、坂本選手は76点台半ばだった暫定技術点が、最終的に72.96点に下がっていました。プロトコルを確認してないのでなんとも言えませんが、もしかしてルッツのエッジエラー取られたかなー?ま、暫定より下がる事はよくある事なんで、別にそこはいいです。


演技後、キスクラで得点を待つコンスタンティノワ。
・・・あれ?なかなか点が出ない。どうしたどうした?微妙な回転不足かなんかを慎重に確認でもしてるのかしら?
不安そうなコンスタンティノワ。
ようやく出た得点は135.01。SPと合わせて197.57点。坂本選手を「わずか0.15点」上回って暫定1位。良かったね。

・・・って、なんかこのパターン、つい最近どこかで・・・。
またしても調整タイム・・・おっと、ゴホッゴホッ。なんか聞こえました?最近喉の調子がちょっとアレで、ゴホッ、きっと空耳です、ゴホホッ。





●疑惑 その3


世界選手権

   紀平梨花VSメドベデワ


またまた3アクセルが抜けて1回転となり、SP7位(70.90点)とまたまた出遅れた紀平選手。
FSでは、冒頭の3アクセルー3トゥループを綺麗に決めたものの、次の単独3アクセルで転倒。ただ、それ以降はミスを引きずらずに最後まで集中して演技を終えました。

大技3アクセルの失敗でSPで出遅れて、FSで巻き返す、今シーズンほとんどがこのパターンでしたが、今回はザギトワがSPで82点台の高得点を叩き出し、さすがに逆転は難しい。そんなプレッシャーの中でも動じずFS152.59点。FSは安定の強さです。
総合得点223.49点、暫定1位で最終グループ6選手の結果を待ちます。



最終グループ第1滑走、SP4位(74.23点)で迎えたメドベデワのFS。良かったです。昨シーズンまでの繋ぎ詰め詰めのせわしいプログラムではなく、まとまりと流れのある落ち着いたプログラムになっていました。メドベちゃんに合ってたと思います。

FSの得点は149.57点。う~ん、良かったけどそこまでの出来だったかな~?ま、今大会は全体的に多目に加点がつく大会だからこんなもんか・・・。

総合得点223.80点で、「わずか0.31点差」で紀平選手を上回り、メドベデワが暫定1位に。



・・・またですか・・・。





もっとも、この世界選手権に関しては、メドベちゃんの銅メダルよりトゥルシンバエワの銀メダルの方が「?」でしたけど。

確かに、4サルコウ成功し、他もまあ良かったですけど、あそこまで点が出る内容でした?踏ん張った着氷の3ルッツ、構えてから跳ぶまでが長い3ループにもそこそこ高めの加点がついていて、コレオやステップ、スピンの加点も盛りぎみ、極めつけは演技構成点

グランプリシリーズでは60~62点くらいだったのが、四大陸で64点台、世界選手権では69.83点。こんなに演技構成点がはね上がる選手って他にいました?確かにグランプリシリーズと比べると、全体的に勢いがあって良かったとは思います。でも一つ一つの要素については、4回転を降りてジャンプを最低限のミスに抑えた以外、他はそこまで違わない出来だったと思うんですが、ここまではね上がります?


世界選手権での女子のFS演技構成点

 ザギトワ  74.26 
 メドベデワ 72.97
 紀平    70.96
 坂本    73.26
 宮原    70.17

直近の四大陸で準優勝し、最終グループの最終滑走という有利な条件があったとは言え、ここまではね上がります?紀平、宮原両選手とほぼ同じってどこをどう評価されたんでしょうか?エテリチームにしては繋ぎも淡白だし


演技構成点って、私たちには一番わかりにくい所ですよね。選手にもわからないんだから、わかるわけがない。
それだけに、予想していた点とかけ離れていた場合、どうしても疑ってしまいます。
更に今シーズン、一貫性がなく矛盾してる所もあって、どこに評価基準を置いてるのかますますわかりにくくなった気がします。





    **************







「日本選手とロシア選手が拮抗した時は、必ず僅差でロシア選手が上にくる」法則、これが日本選手を応援していた私の負け惜しみなのか、現実に存在する「疑惑」なのか・・・。「疑惑」としては存在するとしても、その真偽を解明できるものなのか。

ジャッジが、或いはスケ連が「そんなこと、やってません」と言えば終わってしまう話なのですが。


なぜなら、元々拮抗した戦いで結果が僅差なので、疑おうと思えばいくらでも疑えるし、いや、妥当だ、こんなもんでしょ、とも言えるから。
どう見ても日本選手の方が良かったのに、ロシア選手が上になった、というあからさまな「疑惑」ではないですからね。


この、あからさまな事をやり過ぎて、先の五輪では中国のジャッジが処分を受けた一件があったそうです。
更に今シーズン、ルール変更、それもGOEに関わる大きな変更があった事もあって、ジャッジにとってはこれまでより一層緊張感のあったシーズンだったはすです。
・・・と、考えるのは日本人的発想で、お国柄によってはもしかしたら「そんなの気にしない」のかもしれませんが。





まあ、でも今振り返ってみて、トータルで見れば、今シーズンはまあまあ納得のジャッジだった感じがしています。
もちろん、あら探しをすれば、上記のような疑惑だけでなく、いろいろ気になる事はあるにはあったのですが。


それは、ジャッジへの疑惑と言うよりは、評価基準そのものに対する不満なんですけど。




例えば、ザギトワの「カルメン音頭」に高い点を出すのが妥当なのかどうか、とか。

繋ぎ詰め詰めの振りつけのせいで流れがなく、一つの動きが完結しないまま次の動きに移っていくのでせわしい。「手伸ばして、はい、次、足振り上げて」みたいに。更に詰め込みすぎてるので、ちょっとでも動きに詰まると音楽に追いつかなくなり、追いつかなくなると無理に追いつこうとしてますます動きが忙しく雑になる。結果、点は稼げるけど、フィギュアのプログラムとして美しいとか完成度が高いとは思えないものになっている。そういうプログラムに高評価を与える事で、フィギュアがそっち方向に進んでいくのが良いことなのかどうか。




少し前まで、演技構成点というのはいわゆる芸術点も多少は含んでいると捉えてました。明確な評価基準(5つの項目)はあるにしても、その5つの項目それぞれに、スケーティングの滑らかさや動きの美しさ、プログラム全体の完成度などをある程度反映しているものなのかな?と。

でも、「カルメン音頭」に高い演技構成点を出すという事は、美しさや芸術性に対する評価という側面はあまりないのかな?と思うようになりました。
例えば「繋ぎ」に関して言えば、1つの要素(ジャンプ、スピン、ステップ、コレオ)から次の要素までの間の振りつけやスケーティングに流れがあるかどうかよりも、いかに難しい事をたくさんやっているかの方を高く評価しているような気がします。


演技構成点」とは、「要素を含めプログラム全体の出来を数値化したもの」というより「『技術点』で数値化出来なかった残りの部分に対する評価」という性質が強いのかな?つまり「演技構成点」も結局は技術点なのかな?



でもそうだとすると、メドベデワの演技構成点の高さが解せなくなります。
流れがなく美しくなくても繋ぎ詰め詰めのザギトワを高評価するなら、繋ぎ詰め詰めを卒業したメドベデワにも高い得点が出るのはナゼなのか?

メドベデワだけでなくザギトワもそうですが、スケーティング技術なら日本の3選手の方が上だと思うし、曲の解釈や振りつけも日本選手を特に上回ってるとは思えない。残るはパフォーマンス。ここだけは日本選手に勝ってる試合が多いのかな?
つまり、5つの項目の内、繋ぎ詰め詰めを止めたメドベデワが日本選手を圧倒している(と思われる)のはパフォーマンスのみ。

ま、所詮素人の私見に過ぎないのですが。

紀平、宮原両選手よりメドベデワが2点近く高い演技構成点というのは、ちょっと納得いかないです。



一説には「演技構成点」には、これまでの実績が反映されている、というのがあるそうなんですが。実績のある選手には、ジャッジか高い点をつけやすい、という。意図的な不正というのではなく、無意識に先入観、印象が入り込むのではないか、という事です。
でも、もしそれでメドベデワの演技構成点が高く出るのなら、上位選手の中で最も実績のないトゥルシンバエワの演技構成点がガンガン上がるのはおかしい、という事になるし。


一体どこをどう評価して点を出してるんでしょうか。

・・・ワカラナイ。



    **************




ザギトワは好きですけど、今シーズンのFS「カルメン」は嫌いです。
時間が経てば、シーズン後半になれば、もう少し馴染んでくるかな?こなれてくるのかな?と思って、シーズン前半はあの雑で忙しい演技が気にならないフリをしてきたのですが、とうとう限界に達しました。
やっぱりあのプログラム嫌い。

特に、ジャンプ4本を続けて跳ぶ冒頭の1分ちょっと。音の取り方がほとんど盆踊り。「あ、ほれ、あ、ヨイショ」みたいな感じ。いや、別に盆踊りが悪いというわけじゃありません。でもフィギュアなのにあの音の取り方はフィギュアじゃない。歌劇の「カルメン」でもない。
冒頭4本のジャンプの後、曲調が変わった辺りからようやく少しマシになりますが、全体的にせわしく、常にせかせかバタバタと動いていて、常に無駄な力が入ってグギッガシッという感じで、全然美しいと思えない。そもそも振りつけ自体に品がない。

実況や解説で「10代とは思えない、妖艶なカルメンを演じきってる」って言ったりしてるけど、本当にそう思って言ってます?

私には、「技術的にはこなせるけど、演じこなす事が出来ない」、そういう合わないプログラムをやらされている感じがしてしまうのですが。



エテリさんの元を離れ、カナダに拠点を変えたメドベちゃんから、あのせわしさが消えたのを見るにつけ、改めて強く強く思いました。

ザギちゃんも、コーチ変えない?




私の予想では、多分来シーズンは、同じエテリさんの門下生、アリョーナ・コストルナヤがニューヒロインになると思います。

コストルナヤはジャンプ、スピン、ステップ全ての質が高い上安定感もあり、身体能力がロシア選手の中でも飛び抜けて高いと思う。
イナバウアーからの高くてキレ味鋭い2アクセル、バレエジャンプ、ウォーレイ、更にターンを続けて、そこから直ちに跳ぶ3ルッツー2トゥループー2トゥループなど、難しい入りのジャンプを軽々と決めていて驚きます。
全体的にスピードと動きにキレがあって、同じ繋ぎ詰め詰めのプログラムでも、「ちゃんとやりましたよ」とアリバイ作り的に、ノルマに追われるようにやってたメドベちゃんやザギちゃんと違い、一つ一つの動きが完結していて美しく優雅。

4回転ジャンプで騒がれているトゥルソワ、シェルバコワ以上に、日本選手陣にとって手強い相手になると思います。




来シーズン、エテリさんもチームも、コストルナヤやトゥルソワなどの方に気が行って、ザギちゃんは後回しにされがちになるのではないか、という予感がします。



窓際扱いされるくらいなら、ザギちゃんもコーチ変えない?



せわしくなく、持ち味に合ったプログラムを滑るザギちゃん、是非見てみたいです。





以上、個人の好みと独断と偏見と妄想詰め詰めで、モヤモヤを吐き出してみました。

信じるか信じないかはあなた次第です。

今宵決戦!フィギュア世界選手権女子 待ちきれないニャ!!

待ちきれないニャ!!
いよいよ今夜、最新の世界女王が決まりますっ!

ワクワクドキドキが止まらないニャ!






○イチ推し!坂本花織選手


今シーズン、GPシリーズ・アメリカ大会でのFS「ピアノ・レッスン」でトリハダ立ってから、一番好きな選手になった坂本選手。
素晴らしかったー!
SP、FS通して今シーズン最高の出来でしたよね?私にはそう見えました。
観てるこっちはメチャクチャ緊張してガチガチでしたが、当人はいい緊張だったそうです。プレッシャーに弱い私は、もうそれだけで尊敬!

坂本選手のスケーティング、スピードと流れがあって滑らかで本当に大好きです。もっと演技構成点欲しい!表現力も増してきてると思うし、もう少し評価してくれてもいいんじゃない?と毎回思います。
今回は34.88とこれまでに比べると高めでしたが、まだまだ。今回の出来なら36点くらいは欲しいです。

前にも書きましたが、ターンからの3ループ、ジャンプ得意な坂本選手のジャンプの中でも一番好きです。今回もキレイに決まりました。本当に美しい!現役選手の中で一番のループジャンパーだと思う。

この調子で、FSも今季最高の「ピアノ・レッスン」を期待します。

GPSアメリカ大会ではルッツの着氷が乱れ、フィンランド大会ではスパイラルで靴のブレードをつかみ損ねてバランスを崩し、ファイナルでは2アクセルからの三連続で転倒。優勝した全日本でもルッツが踏ん張った着氷になり、四大陸では三連続最初のアクセルが抜け、と、まだ完璧な「ピアノ・レッスン」は滑れてないんですよね。

欲張りかもしれませんが、この世界選手権でゼヒ完璧な「ピアノ・レッスン」が観たい!

そして、ベスト更新して欲しい!

ノーミスなら技術点80点も不可能ではないし、演技構成点も70点出ると思う。と言うか、これまでの大会でも70点は出ないとおかしかったと個人的には思っています。
GPシリーズでは67~68点でしたが、その後の全日本では繋ぎの振り付けが更に濃密になっていたので、少なくともGPシリーズレベルのパフォーマンスが出来れば70点は必ず出るはず。更にノーミスでもっといい演技が出来れば72、3点かそれ以上の点が出るはず。
・・・と外野の素人が勝手に取らぬ狸のなんとやら、ですが。あながち間違った計算ではないと思います。

つまり、ノーミス、又は小さなミスで抑えられれば150点台を出せる可能性は充分あり、ショート首位のザギトワ選手の出来次第では逆転優勝もあり得ます。

ライバルや点を気にしすぎて失敗した四大陸の事もあるので、坂本選手自身には自分の演技に集中して欲しいのですが、ファンとしては欲張りたい!
ショートの出来を見る限り、ザギトワ選手は調子と自信を取り戻している感じなので難しいとは思います。フリーで逆転!の必勝パターンを持つ紀平選手もいます。でも、今の坂本選手はザギトワ選手、紀平選手などと頂点を競える選手、優勝候補の一角である事は間違いないと思います。



○新エース!紀平梨花選手


またしてもショート出遅れ、でしたね😿GPファイナル以外ほぼこのパターン。しかも、今回はザギトワ選手が82点台のシーズンベストを叩き出し、11点以上の差がついてしまいました。これは厳しい!

驚いたのは、この結果に寄せられたネットのコメントに厳しく冷たいものが多かった事。「学習能力がない」「何回同じミスしてんだよ」などキツめのコメントが・・・。

ただ、これは、紀平選手が名実共に、日本の新エースとして認められたという証だと思います。

GPファイナルで優勝するまでは、紀平選手はスーパールーキー、女王ザギトワに挑むチャレンジャーという立場だった。それが、ザギトワ選手に実際に勝って優勝した事で、日本の新エース、世界選手権の優勝候補筆頭になった。
だから、同じようにショートで3アクセルを失敗し、同じように70点前後の得点なのに、今大会は当たりが厳しい。

かく言う私も「あ~、またなの?」って思いましたもん。正直ガッカリしましたし、ザギトワ選手の得点が出て「あ~、今回はダメかも」とも思いました。

でも、ちょっと待て!
そもそもシーズン始まるまで、紀平選手がここまで活躍するなんてみんな思ってました?
私は、紀平選手が昨シーズンのジュニアGPファイナルで3アクセルー3トゥループを女子で初めて成功させて「凄い!将来が楽しみ!」とは思ってましたけど、シニア1年目からこんなに活躍するなんて全く思ってませんでした。3アクセル成功でGPシリーズの表彰台&うまくするとファイナル進出、を願望込みで予想してた程度です。

今シーズンもロシア勢が主役で、日本勢がどこまで食い込めるか?と思ってたところを、日本のフィギュアファンをここまで盛り上げてくれたのは紀平選手ですよね?いわゆる嬉しい誤算、思いがけない拾い物、ボーナスみたいなもんです。坂本、宮原、三原選手などの躍進も、紀平選手に刺激を受けて、という面もあると思います。

要するに、私たちファンは、ちょっとばかし贅沢に慣れて欲張りになってしまってるんですニャ!

でも、それは悪い事ではないと思います。紀平選手がそれだけ力のある選手だと信じているという事ですから。
ファンが実力のある選手や好きな選手に期待するのは当然。いけないのは、選手が結果を出せなかった時に見放したり理不尽に攻撃する事。

正直、今回はザギトワ選手に勝つのは厳しい。個人的には、坂本選手優勝、紀平選手準優勝になればいいな、と思ってますが、坂本選手以上に紀平選手がザギトワ選手に勝つのは厳しい。

それでも、結果はどうなっても最後まで応援しますよ。紀平選手もスピンのレベル取りこぼしたり、ジャンプの小さなミスがあったり、で、完璧なフリーはまだないので、まだまだスコアの伸び代あります。
今大会、回転不足などには厳しいようですが、決まった要素にはGOEが高めにつきやすくなってるみたいなので、ベスト更新あると思います。

とにかく、悔いなく思いっきり滑って来シーズンに繋げて下さい。



○負けるな!宮原知子選手


この5~6年くらい日本のエースとして日本フィギュア界を引っ張ってきてくれた宮原選手。

今回、宮原選手がショートのスタートポジションに立った時、あまり緊張したりドキドキしてない自分に気づいて、ちょっぴりショックを受けました。

「私の中で、もう宮原選手は日本のエースじゃないのか・・・」

今までならメチャクチャ緊張してドキドキしてたのに。今大会も、坂本選手や紀平選手の時はドキドキしました。なのに・・・。

決して宮原選手に期待してないわけじゃない。ずっと好きな選手だったし、今も好きだし応援している。なのに・・・。

我ながら冷たいじゃないか!と思ってしまいました・・・。

シーズン序盤、宮原選手は好調でした。ジャンプの修正に取り組んで、早速成果が出てたように見えました。実際、アメリカ大会で優勝、NHK杯では紀平選手に優勝を譲ったものの僅差の準優勝、順当にファイナル進出!って、そこまでは良かったのですが・・・。

なぜかファイナルで失速、まさかの6位。全日本では高得点を出しましたが、ジャンプの回転不足、かなり見逃してもらってたと思います。決して良くはなかった。

そして今回のショートも回転不足で点が伸びず8位。ステップは大きく振り付けを変えてレベル4を取れてたし、相変わらずスピンは美しい。でも、ジャンプに関しては自信を失ってるように思えます。NHK杯でも全日本でも「もっと思いきって行けば良かった」「出来るならやり直したい」みたいなコメントをしていて、思いきっていかなければ、と頭でわかっているのにやっぱり不安で、跳ぶ瞬間に慎重になりすぎてしまうのかな?失敗したくないという思いが勝ってしまうのかな?という気がします。

回転不足にどんどん厳しくなっていってる採点ルールに適応しようといろいろ努力をしているけど、なかなか追いつかないって感じなのかな?
シーズン序盤はうまくいっていたので、技術的な問題ではなくメンタルの問題なのかな?と思ったりもします。実際どうなのかはわからないですけど。

もうコケてもいいから思いきって跳べ!と素人は思うのですが、やっぱりコケるの怖いしGOEの幅が拡がったから失敗もしたくないよね。でも、慎重になりすぎて回転不足取られるのも悔しいよね。

う~ん、難しいところだ・・・。

元々ジャンプが低い、小さい、と言われていた宮原選手にとってジャンプの回転不足、低い加点は永遠の課題なんでしょうけど、なんとか克服して欲しい。何度も言いますが、シーズン序盤はうまく行ってたので不可能ではないと思う。逆にここを克服しさえすればほぼ弱点は無くなる事になると思います。

もしかしたら、もう宮原選手は日本のエースじゃないのかもしれない。でも、そんなの関係ない。やっぱり私は宮原選手のスケーティング大好きです。

今シーズンすぐには無理かもしれないけど、きっと来シーズン進化した宮原選手が見られると信じています。
そのためにも今日のフリー、宮原選手自身が納得いく演技をして下さい。










待ちきれずに書き散らしてたら始まりました!

ロシアは相変わらず強いですが、
今大会の日本代表3選手は史上最強だと個人的には思っています。

がんばれ!日本!!

フィギュアGPS 第4戦 NHK杯

女子は宮原、三原、紀平、男子は宇野、山本草太、佐藤洸彬の6選手が出場。


〇女子


女子では何と言ってもシニアデビューの紀平選手に注目!
期待を裏切りませんでしたね~。凄かったですね!
3アクセルが決まれば優勝を狙えるとは思ってましたが、ここまでの高得点を叩き出すとは思ってませんでした。
フリーで3アクセルを2本とも決め、他のジャンプもノーミス、スピン、ステップは全てレベル4、ほぼ完璧(私には完璧に見えたけど、専門家の目から見ると完璧とは言えない、小さなミスがあったかも知れないので)でした。

元々ジュニア時代から、3アクセルだけでなく他のジャンプもスピンもステップも穴のない選手だったので、大きなミスが無ければ高い技術点が出るだろうな、というのは予想してましたが、驚いたのは演技構成点の高さ。昨シーズンと比べると10点近く高くなってる!たった1年で、しかもまだシーズン序盤なのに!
選曲、構成、振り付けと、コーチや振り付け師などチームの力に負う部分も含まれる演技構成点とは言え、最終的にそれらを自分のものにして氷上で表現するのは選手、なので、やっぱり紀平選手がこのシーズンオフの間にスケーターとして大きく成長したという事ですよね。
スケートだけじゃない。ちょっと見ない間に凄く綺麗になってる!って、親戚のおばさんみたいな事を思ったほど、本当に大人っぽく女性らしく美しくなってる。メイクも自分でやってるって言ってたし、食事も自分で買い物して料理して体調管理してるらしいし、セルフプロデュース能力も意識も高いんだろうな、16歳の若さでエラいなあ、と己れに甘い私はただただ感心。

ショートのプログラムは、衣装も振り付けも、ジュニア時代の延長線上にある感じの、シニア1年目らしい初々しいイメージ。衣装、凄く可愛くて素敵。特に胸元の、美しい宝石を散りばめたようなデザイン、好みです。

一転、フリーは大人なイメージ。地球の誕生をテーマにしたという壮大なプログラム。黒(遠目には濃紺に見えるんだけどアップだと黒に見える)を基調にした衣装は、宇宙から見た蒼い地球をイメージしてるのかな?曲にすごく合ってると同時に、紀平選手のスタイルの良さを引き立てています。
フリーでは、曲調や振り付け、衣装のおかげもあるんでしょうが、完全に大人の滑りに見えます。シニア1年目には見えない。神秘的で、既に風格さえ感じさせる演技。このプログラム、大好きです。

ところで、羽生選手に続いて紀平選手にも同様の無粋な質問。

「3アクセルー3トゥループ、確かにスゴい技なんだけどお~、点数的にもったいなくない?」

セカンドジャンプはどのジャンプの後にくっつけても同じ基礎点なんだからあ、わざわざ難易度の高いトリプルートリプルにしなくても、もっと楽してもいいんじゃない?

「・・・いや、そういう事じゃない」

うん、多分そう言われると思った。アスリートとしての拘りか何か、きっとあるんだろうな、とは思う。でもやっぱり俗物な私は思っちゃうんです。「もっと楽してもっと効率よく得点狙っちゃえばいいのに」って。

紀平選手のフリーのジャンプ構成
前半
  ①3アクセルー3トゥループ ②3アクセル
  ③3ループ ④3ルッツー2トゥループ
後半(基礎点1.1倍)
  ⑤3フリップ 
  ⑥3ルッツー2トゥループー2ループ 
  ⑦3サルコウ

これ、①と④のセカンドジャンプを入れ換えたらどうでしょうか?3アクセルー2トゥループにした方が気分的にも技術的にも楽じゃないですか?その分、3アクセル自体の成功率も上がるんじゃないですか?

更に基礎点アップを狙うなら、④⑥を入れ換えて、1.1倍になる⑥の方を3ルッツー3トゥループにするとか。
更に更に言うなら、④のルッツを単独にして、①を3アクセルー2トゥループにして、⑤のフリップに3トゥループをつけるとか。
更に更に更に言うなら、後半3本を基礎点の高いルッツとフリップで固めるとか。

つまり、
前半
  ①3アクセルー2トゥループ ②3アクセル
  ③3ループ ④3サルコウ
後半
  ⑤3フリップ(又はルッツ)ー3トゥループ
  ⑥3ルッツー2トゥループー2ループ
  ⑦3ルッツ(又はフリップ)

こうすると、基礎点の合計は52.65から53.23に上がります。どうでしょうか?
・・・と素人は簡単に考えるけど、選手やコーチだって得点的な事は当然考慮してるでしょうし、その上で全体のバランスや曲調とのマッチングや、ジャンプを跳ぶ位置と振り付け、繋ぎの長さとの関係など総合的に判断してジャンプ構成を決めてるんだと思います(多分)。
あと、先日、羽生選手がフリー直前にケガをしてぶっつけ本番でジャンプ構成を変更した件で「呼吸」というキーワードが出てきて、「そういう事まで影響してくるんだ」と初めて知りました。後半のジャンプに1.1倍というボーナスがつくのは、単に足が疲れてくるからジャンプ跳ぶのしんどい、という事だけじゃなくて、スタミナを消費して息があがってくると、ジャンプを跳ぶ時に呼吸を合わせづらくなる、という難しさもあるらしいです。いろいろあるんですね。



宮原選手、三原選手もいつも通り素晴らしい演技だったのですが、紀平選手の衝撃的なフリーと高得点にすっかり目を奪われてしまって・・・。
宮原選手は2位で、アメリカ大会の優勝と合わせてファイナル進出決定!
三原選手は組み合わせで割りを食った感じですね。ちょっと気になるのは、シニアデビューした頃と比べてスピードや勢いが無くなってる感じがする事。大事に大事に、丁寧に滑ってるのはいいんですけど、慎重になりすぎて小さくまとまってしまってる印象。以前より回転不足を取られる事が増えてるのも、ジャッジが厳しくなってるからだけではないような・・・。大きなミスなく滑ってるのに140点出なくなってるのはそのせいではないかと、ちょっと心配です。



カナダ大会で優勝したトゥクタミシェワも3位表彰台でファイナル進出を決めました。今のトップ選手の中ではベテラン格ですが、まだ21歳なんですね。なのに、なんでこんなにマダム感があるんだろう?





〇男子


本草太選手。日本男児らしいイケメンですね。ちょっぴり眠そうな目元がなんか雰囲気あって、落ち着いた佇まいで・・・好みですっ❤フリーのスピンの所で手を切って流血してましたけど、大丈夫でしたか?
2シーズン前くらいに足をケガしてまだ完治してないみたいで、まだまだ本来の滑りではないようですね。日本男子は羽生選手、宇野選手が頭一つ抜け出していて、この二人に続く選手がなかなか出てこない。田中、友野両選手も頑張ってはいるんですが・・・。この二人に加えて山本選手と佐藤選手、更にジュニアの須本、島田、壷井各選手辺りにもっとグイグイ来てほしいですね。



全日本は女子のし烈な争いの予感でワクワクしてますが、男子もドカーン!と化けてくる選手が現れるといいな。



でもその前に、まずはグランプリファイナル!
シリーズ6戦が毎週末続いてそのぺースに慣れちゃってるので、ファイナルまでの2週間が長く長く感じられて、もうもう待ちきれません!過去の大会の録画を見まくって感想を書き散らかして飢えをしのいでいる今週末です。

早く1週間過ぎろ!!!

フィギュアGPS 第3戦フィンランド大会

フィンランド大会

日本からは、男子は羽生、田中刑事、女子は坂本、白岩、本郷、計5人の選手が出場。



〇男子


チェコのベテラン、ブレジナ選手。好調ですね。アメリカ大会で2位に入ったのが自信になってるみたい。ノッてます。連続2位表彰台でファイナル進出決定!ミスが多くて自滅しがちな選手でしたけど、実力はあるので乗らせるとコワいかも。



昨シーズンのジュニア・チャンピオン、アメリカのアレクセイ・クラスノジョン。いかにもやんちゃなヤンキーって感じだなあ、と思ってたら、実はロシア出身で4年前にアメリカに移り、アメリカスケ連に所属して現在はアメリカ代表。国籍はどうなってるんだろう?

ジュニア時代から4ループにチャレンジしていて、羽生選手が「4ループを最初に公式戦で跳んだ」と認めてる選手らしいです。ただ、ルール上4ループと認められはしたものの質的に成功とは見なされず、公式には羽生選手が「4ループを公式戦で成功させた」選手としてギネスに認定されたみたいです。今シーズンは封印してる?

3フリップー3ループ(ジュニア時代は3ルッツー3ループ)という、他の選手があまりやらない難しいコンビネーションを積極的にプログラムに取り入れ、闘志ムキ出しタイプの選手。まだまだ力まかせの演技で粗さが目立ちますが、経験を積めばグングン伸びてくるかも。



田中刑事選手はイマイチ元気がないですね。どうした?



そう言えば、コリヤダも今シーズンはパッとしない。ロシアは女子とは裏腹に男子は低調ですね。ロシアはソチ五輪の招致&決定前後くらいから、国をあげてフィギュアに力を入れてきてる感じですが、男子の方はあんまり・・・ですよね。人数的には他の国より充実の顔ぶれだとは思いますが、小粒な選手が多くてガーン!と飛び抜けた選手がいない。




羽生選手はフリーでジャンプミスが複数あったものの、気合いの入った演技で優勝。強い!強すぎる!!

ショートは「秋によせて」、フリーは「Origin」。それぞれ、子供の頃から憧れの選手だったジョニー・ウィアープルシェンコが演じた曲をべースにしたプログラム。そう言われてみれば、うっすら覚えのあるメロディのような気もします。

ショートはほぼほぼノーミス。3アクセルの軸がいつもより若干傾いていて、着地が若干前のめりぎみになったのと、4トゥループー3トゥループのセカンドジャンプの着地がオーバーターンぎみになった以外は、いつも通り流れのある美しい演技でした。
スピンは3本ともレベル4、ステップだけがレベル3でした。どこが足りなかったんだろう。羽生選手レベルでも、たまにステップのレベルを取りこぼす事があるのが不思議。私には素晴らしいステップに見えるんですが。

最初のポーズと最後のポーズが同じで、顔の向きだけ逆、というのも印象的です。

フリーのプログラムはプルシェンコの「ニジンスキーに捧ぐ」がべース。タイトルの「Origin」は原点回帰という意味合いらしいです。

今シーズンは4ルッツを加えてくるのかな?と思ってましたが、今のところはまだ。シーズン後半狙ってくるのでしょうか?

その代わり、4トゥループー3アクセルという、これまで誰も挑んだ事がない物凄い組み合わせのシークエンスを仕込んできました!よくこんなの思いついたな、思いついたとしても本当にやろうとよく思ったな、と感心します。
だってだって、2つ目が3アクセルですよ!しっかり助走を取って単独で跳ぶのも難しいジャンプですよ!男子のトップレベルの選手でも、アクセル苦手な選手は集中して構えて構えてやっと成功できるジャンプですよ!!得意な選手でも本番ではそこそこミス率高いジャンプですよ!!!
そんな難しいジャンプを、4回転跳んで右足で着地して、そこからすぐ「助走無しで!」左足で踏みきって跳ぶんですよ!言葉悪いですけど、もう人類の枠を超えていると言うのか何と言うのか・・・

お~い!羽生選手、どこまで行くねん!

・・・一人で先に先に行きすぎです。

こんな異次元の世界に行ってしまった羽生選手に、こんな事言うのが無粋なのは百も承知であえて問う。

「スゴい事やってる割に、得点的に報われなくない?」

だってだって、基礎点14.00(後半1.1倍で15.40)なんですよ。
4トゥループの基礎点が9.50、3アクセルが8.00、別々に跳べば17.50です。一つずつ単独で跳ぶ方がはるかに簡単なはずです。いや、きっと絶対簡単です。それをわざわざ難しい跳び方をして、しかも基礎点が少なくなるって、こんなオカシな話ってあります?あっていいんですか?

普通シークエンスって言うと、1つ目のジャンプを跳んで、そこから少し勢いつけ直して次を跳んでませんでした?それなら1足す1が2以下になっても納得出来るのですが、羽生選手のこのシークエンスは間に勢いつけ直し無しで跳んでる、事実上シークエンスと言うより普通のコンビネーションジャンプと同等だと思います。本当ならボーナス点みたいなものが欲しいくらいですが、最低でも普通に2つの基礎点を足した点数は頂きたい!私が跳んだわけじゃないですけど。なんか納得いかない。

まあ、羽生選手はわかっていて、その上であえてこのシークエンスにチャレンジしてきてるわけで、得点云々じゃなく自分自身への挑戦か何か、私ごときにはわからない拘りがあっての事なんだろうとは思いますが。

でもでも、しつこいようですけど、これ、なんとかならないですかね?
シークエンスじゃなく、せめて普通のコンビネーション扱いにならないですかね?




〇女子


羽生選手と同じ五輪金メダリスト、ザギトワ登場!

今シーズンは(今シーズンだけじゃないかもだけど)アサインが偏りすぎてないですか?羽生、ザギトワはロシア大会にも揃って出場してますよね。なんだか裏で何かの思惑、力が働いてるんですかね?今、多分、ロシアスケ連ってフィギュア界で強い発言力を持ってそう。フィンランド大会も元々は中国大会の予定だったし。なんか、なんか、それぞれの国のスケ連の政治力の差が、差が・・・と、ゲスの勘ぐり極み乙女の私はいろいろ妄想しまくってます。



新女王ザギトワ、ショートは「オペラ座の怪人」。いきなりジャンプミスから始まりました。元々難しいコンビネーションなんだし、女王だってたまにはミスもするさ。ミスによって10点くらい得点を取り損ねましたが、それでも70点近い得点。さすがです。
エテリコーチは「試合で120%の力を出すために、150%の練習をする」という厳しい指導理念を持ってるらしく、ザギちゃんはナント、3ルッツー3ループー3ループー3ループという4連続を練習で跳んでる!映像で見たけどスゴい安定感でした。確かに練習であんなの跳んでたら、2連続ジャンプも他の選手ほど難しく感じなくて済むかもしれないですね。



アメリカ大会で2位の坂本選手は、ファイナル進出がかかってたせいか、やはりいきなりジャンプミスからスタート。コンビネーションの予定が転倒してしまったので、最後の3ループに3トゥループをつけてリカバリーを狙ってきました。残念ながら、3トゥループの着地で2度目の転倒となってしまいましたが、安全策の2トゥループではなく、3トゥループにチャレンジしてきた積極性が好き。

フリーでは、ショートのミスから見事に気持ちを切り替えて美しいプログラムを滑りきりました。コレオシークエンスのスパイラルでバランスを崩しブレードをつかみ損ねた以外は、全体的にアメリカ大会より加点を多くもらっていたみたいです。結果、スパイラルのミスがあっても、前回より2点ほど下がっただけで140点台に乗せてきました。

ショートで、あくまで3トゥループリカバリーを狙っていった攻めの姿勢がフリーに繋がったのかな?

諦めず、腐らずベストを尽くした結果、アメリカ大会2位とフィンランド大会3位という成績で、他の選手の結果待ち。まさしく人事を尽くして天命を待つ、でした。そして、天は坂本選手に微笑みました。ファイナル進出決定、おめでとう!
ファイナルでまたあの「ピアノ・レッスン」が観られる!ありがとう!



元気でスピード感があって、ゴムまりが跳ねるみたいな印象の白岩選手。ショートでは、女子でただ一人ジャンプをノーミスで決め、ザギトワに次ぐ2位。ただ63.77で2位というのは・・・。組み合わせの運も実力の内、なのかもしれないですけど、やっぱちょっと偏りすぎじゃないですか?ジャッジが違うので一概に比べられないのはわかってますが、次のNHK杯だったら7位相当の得点ですよ。ある程度は仕方ないにしても、あまり不公平すぎると興が削がれます。ブーブー👎

フリーも大きなミスは無し。ただし、回転不足を取られて130点には届きませんでした。135点位は取れるポテンシャルのある選手だと思うので、そこは残念。
当初、グランプリシリーズはフィンランド大会だけの予定でしたが、樋口選手の欠場によりロシア大会にも出場。白岩選手には経験を積むいいチャンスになったと思います。



本郷選手はなかなかトンネルから抜け出せないですね。下の世代の選手がどんどん伸びてきてるのでここが正念場。このまま終わってほしくない。



日本フィギュア界はレベルが高いので、日本の選手は本当に大変ですよね。日本のフィギュアファンには嬉しい悩み(?)ですが。

フィギュアGPS前半戦感想 カナダ大会女子

●カナダ大会 女子



シニアデビュー・グランプリシリーズ初戦でいきなり2位表彰台の山下真瑚選手。
凄く落ち着いてましたね。プレッシャーや緊張が全くなかったわけではないと思いますが、そういったものをほとんど感じさせなかった。インタビューで言ってた通り本当に楽しんで滑ってる感じでした。

ショートは「セビリアの理髪師」という歌劇の曲。面白いというか、変というか、ちょっとバカっぽいというか、なんか変わった曲。ソプラノの歌声がキンキンしててちょっと苦手かな?コーチが同じ宇野選手の以前のフリーの曲もボーカルがうるさい変な曲だったし、こういうの、コーチの好みなのかな?

ところで、あの衣裳は何なんでしょうか?赤はいいんですけど、肩や腕などの部分、あれ、肌色のつもりなのかな?肌色じゃなくてモモヒキ色ですよね?なんであんな変な色にしたんだろう?それから、あのタイツを靴に被せる履き方、足を長く美しく見せるためとかで一時期流行った記憶がありますが、徐々に廃れていき最近では少数派になってると思います。あれ、全然美しくないですし、足元が重たく見えます。普通に履いた方が見映えがいいと思います。

衣裳や選曲にはケチをつけましたが、滑りはとても良かった。山下選手も、スピードに乗って短い助走でスッと、しかも高いジャンプが跳べる選手。最後のフリップはエッジエラーを取られたみたいですが、音に合ってました。

フリーは更に良かった。
前半と後半と2度跳ぶ3ルッツー3トゥループ、助走短っ!ステップを軽やかに踏んで、構えたかと思うとすぐにスッとジャンプ、それでいて高い!それほど沈みこんでないように見えるのに。ヨッコラショ感がなくて自然に跳び上がってそれであの高さ!脚力強いんですかね?それとも助走のスピードをジャンプの勢いに繋げる技術が優れてるんでしょうか。



松田悠良選手、お久しぶりのグランプリシリーズ。夏頃に右足首を痛めて手術を延期して挑んだ大会。頑張りました。
右足を痛めたら、右足で踏みきるジャンプを回避するものなのかと思ってました。羽生選手が右足痛めた時は、右足で踏みきる4ループを構成から外してましたよね。松田選手は逆に右足のトゥをつくルッツやフリップの方が跳べなくなってるらしく、かなり難易度を落としたジャンプ構成にしていました。人によって、もしくは痛め方、痛みの程度、ジャンプの種類などによって、この辺は様々なんですね。
スピン、ステップは凄く頑張ってたと思います。ハッキリ言って以前はメチャクチャ回転が遅くて弱点だったキャメルスピン、だいぶ早く回れるようになってレベル4が取れてました。エライ!
足が完治したらグレードアップした松田選手が見られそう。楽しみに待ってます。でも、焦らず治療して下さい。ちゃんと待ってますから。



樋口新葉選手は、ショート2位発進もフリーで奮わず、大きく順位を落としてしまいました。その後、ロシア大会欠場を発表。残念ですが仕方ない。
ショートとは別人のようにフリーでは精彩を欠いていて得点も伸びず、それでも悔しそうと言うよりは「しょうがない」と受け入れてたみたいなので、よほど状態が悪かったんだな、とは思ってましたが。

久々に3年くらい前の滑りを観てて思ったのは「やっぱり太ったなあ」という事。年齢を重ねて体型が変わるのは当然だし、シニアになってスタミナもより必要になるだろうし、太って見えるのは筋肉が更についてきたからだろうな、と思ってたんですが、昔に比べてあまりにも顔がパンパンになってるので、やっぱり体重オーバーなのかもしれないな、と。シニアとジュニアを同次元で語るのが不適当なのは承知で、ジュニア時代の勝負強さが無くなってきてるのは、もしかしたらその辺にも原因があるのかな?とちょっと思いました。まあ、これも素人の想像に過ぎないんですけど。



コーチをブライアン・オーサーに変え、練習拠点をカナダに移したメドベージェワ選手。なんだか前より伸び伸び、表情も晴れ晴れしてるような気がします。

ロシアの女子選手というと、次から次へと10代半ばの逸材が出てきて、世代交代が激しい、激しすぎる印象。周りの大人が選手を使い捨ててる感じで、選手生命が短い人が多い。体が軽くてジャンプを跳びやすい10代半ばがピークで技術先行、経験を重ねて表現力が増す頃には体型の変化という壁にぶつかり、伸び悩んでいる間に次の世代の「得点稼ぎマシーン」が現れて試合の機会を奪われる、ここ数年その繰り返し。
メドベージェワの決断の背景には、そういった勝利至上主義のロシアスケ連体制への疑問と不信があるような気がします。本当のところはわかりませんけどね。

ショートは、3フリップでバランスを崩してコンビネーションに出来ず、技術点が26.50、コンビネーションを跳べなかったので、まあこれは仕方ない。驚いたのは演技構成点が34.33と、昨シーズンまでのメドベちゃんでは考えられないくらい低かった事。ジャンプの大きなミスがあった事を計算に入れても低すぎる。

フリーに至っては、目に見えて大きなミスがなかったにも関わらず演技構成点70.56、これが70点台半ばをコンスタントに出していたメドベちゃんの得点なのか?そんなに昨シーズンまでと違う?どこがどう違うの?技術点に関しては、昨シーズンまでも試合毎の出来によってバラつきがあったのでわかるのですが、演技構成点ってそんなに変わるものなの?
スケーティング技術やパフォーマンス力って、1年やそこらでそんなに変わるものじゃないと思うけどな。曲の解釈や振り付けといった所で、プログラム毎に評価が変わるというのは理解できますが。そこら辺の評価が低かったとしても、演技構成点トータルでそこまで差がつくものなのか?
不思議に思ってプロトコルを見たら、繋ぎの項目で7点台をつけてるジャッジが3人いました。高くつけたジャッジでも9.00。やはり、これてもかと繋ぎの所にいろいろな技を詰め込むエテリチームの戦略って、得点を稼ぐためには効果があったという事なんですかね。繋ぎの(メドベちゃんにしては)低評価に加え、他の4項目の少しずつの差が積み重なって、トータルで大きな差になったみたいですね。

今シーズンのメドベちゃんは「体が重そうに見える」という声が結構あるみたいで、改めて昨シーズンの試合を見直したら、言われてみればそうかな?という気もします。

大きなミスがなかったにも関わらず、メドベちゃんがフリーで140いかないなんて!ちょっとした衝撃でした。
でも、細かくプロトコルを見ると、スピンでレベルを取りこぼしていたり、回転不足を取られていたり、演技構成点の5項目がそれぞれ少しずつ評価が下がっていたり、そういう小さな積み重ねの結果だという事がわかりました。
その少しずつ差がついた評価が適正なのかどうか、私にはわかりません。今シーズンこの辺を更に厳しく判定するようになってるらしいし。詳しいファンの方のブログなどを見てるんですが、それほど異論は出てないみたいなので、少なくともそれほどおかしなジャッジではないという事みたいです。

でも、私は最初、近年フィギュア界をリードしているエテリ組を離れたからでは?フィギュア界のエテリ組へのソンタクが働いているのでは?とちょっと疑ってしまいました。
今はまあまあ納得していますけど、やはり多少の疑念は残っています。
結局、昨シーズンまでの高得点は、エテリ組の「フィギュア界における存在感」分が少し上乗せされていた、今シーズンはそれがはずれた&エテリ組の顔色伺った遠慮、で点が少し伸びにくくなっている、という事でとりあえず勝手に理解しています。

つまり、「若干体が重い(かも)」プラス「ジャンプ、スピンなどの細かいミスを厳しく取られた」プラス「繋ぎを筆頭に演技構成点の各項目で少しずつ評価が下がった」プラス「エテリ組を離れた」、これらそれぞれの小さな差が積み重なって、トータルで大きな差になった。それが、今現在の私の妄想込みの分析です。


・・・信じるか信じないかはあなた次第です😺



優勝は、ロシア女子の中ではベテランのトゥクタミシェワ。意地を見せました。
メドベちゃんにしてもトゥクタミシェワにしても、「使い捨てなんかさせないぞ!」という心意気を感じますね。

フィギュアGPS前半戦終了!女子は日露が表彰台独占中!その2

●第1戦 アメリカ大会 続き


男子は日本選手のエントリーがなかったためか、女子に比べてメディアに雑に扱われてましたね。日本選手の最大のライバルであり、日本にも多くのファンを持ち、フィギュア男子の次代を担うネイサン・チェンが出てたのに。わかってないなあ、メディアの人たちって。ちなみに私もネイサン大好きです。
日本選手ゼロでも、エントリー12人中5人がアジア系。やっぱりフィギュアはアジア人と相性がいい競技なんでしょうか。

ネイサンはジャンプの難易度を抑えているみたいですね。ジャンプ、特に4回転の基礎点が大幅に下がり、代わりにGOEの幅が大きくなった新ルールに適応するための戦略でしょうか。苦手だった3アクセルが安定してきた事もあって、しっかりGOEで得点を稼ぎ、ショート、フリー共高得点で優勝、おめでとう。

驚きだったのがブレジナ。ミスが多く勝負弱いイメージがあったんですが、今大会はミスをしつつも大崩れせずうまくまとめてきた印象です。ネイサン以外、あまり強い選手がいなかった事もあって、見事2位。いいんです、運も実力の内です。






●第2戦 カナダ大会


アメリカ大会では、日本男子のエントリーゼロという寂しい事になっていましたが、今大会には宇野昌磨友野一希両選手が登場。女子は樋口新葉、松田悠良、山下真瑚の3選手。
カナダ大会に男女銀メダリスト、次のフィンランド大会に男女金メダリストが揃い踏みで、いよいよファイナルをかけた戦いが佳境に入ってまいりましたっ!




〇男子


おっ!懐かしい顔発見!鼻血男子、スウェーデンのマヨロフ選手じゃありませんか!2年前のグランプリシリーズで演技中に鼻血が出てしまい、それでも演技を続け、最後は鼻をつまみながら(本人にとっては笑い事どころじゃないんですが、珍しい光景でちょっと面白かった、ゴメン、マヨロフ選手)演技を終えた選手。私の中ではインパクト特大の選手です。今シーズンで引退するらしい・・・寂しくなります。

もう一人、懐かしい顔、サモーヒン選手。これも2年前のシーズンで演技後の観客への挨拶のボーズが独特で印象に残った選手。で、私が勝手に「ミッチー」と名付けた選手なんですが・・・挨拶、普通になってるやん。あれ?昨シーズンはどうだったっけ?録画してるのを確認してみよう。
何であのキザなポーズ止めちゃったのかなあ?つまんない。

地元カナダのメーガン・キッシング、違った、キーガン・メッシング。良かったですね~~~!凄く良かった!!ショート、フリー共明るい曲でメッシング選手に合ってたと思います。
滑らかなスケーティング、大らかな動きは、どことなく同じカナダの先輩パトリック・チャンを思い起こさせます。高さのあるダイナミックなバレエジャンプはブラウン選手といい勝負。他にも、あまり右足を振り上げず、力まず跳んでも綺麗に回れる3アクセルなど、いろんな強み、武器を持ってる選手だと思います。が、一番の武器は、回転が早くて軸のしっかりした独創的なスピン。いやあ、見てて気持ちいい!
ショートは95.05という高得点で宇野選手を抑えて1位。フリーで逆転されましたが、一躍注目選手として躍り出るには充分すぎるインパクトでした。
ちなみにメッシング選手の高祖父(お祖父さんかお祖母さんの、そのまたお父さんって事かな?)は、永野万蔵さんという日系カナダ移民第一号なんだそうです。なんか親近感湧くわー、私の応援選手リスト入り決定ですっ!


シニア2年目、友野選手。昨シーズン、世界選手権で5位入賞した期待の若手です。
溌剌と思いきりがよく、一つ一つの要素を丁寧にこなす印象がある選手。4サルコウが得意ジャンプらしいんですが、フリーでは2本とも着氷が乱れ、大幅に点を取り損ねてしまいました、残念。でも友野選手は、ミスをしてもそこで暗くなったりくさったりせず、最後まで集中してベストを尽くす、そういう気持ちの感じられる、私の好きなタイプの選手です。

余談ですが、安藤美姫さんは現役時代、転倒など大きなミスをすると、そこで試合を投げてしまう感じになる事がよくありました。「これでもう表彰台には乗れなくなったから後はもういいや」みたいな感じで、動きが目に見えて遅くなったり雑になったり、このまま演技を途中で止めるのかな?試合放棄するのかな?と思った事も多かった。それが、私には、ふてくされている、投げやりになっているように見えて、それで安藤選手を嫌いになりました。そういうつもりではなかったのかもしれないけど、やっぱり見てて気持ちいい振る舞いではなかった。あまりはっきり覚えてないけど、安藤選手みたいな「ミスして諦めて投げやり」タイプの選手、以前は他にもいた気がします。
最近は、あまりそういう選手はいない。採点方法の変化などが関係しているのか、競技環境や選手の意識が変わったのか、単に私の思い違いかよくわかりませんが、一ファンとして投げやりに見える演技はもう見たくないです。


男子優勝の宇野選手。
宇野選手はショートの3アクセルで派手に転倒。ちょっとヒヤッとしました。助走でスピードが出過ぎていた事と、カナダのリンクがNHL仕様で少し狭い事が原因で、跳ぶ瞬間に壁の近さが気になってしまったのではないかという織田さんの解説でした。そう言えば三原選手も以前、3ルッツからのコンビネーションでスピード出過ぎて壁にぶつかった事ありましたね、あれもカナダ大会じゃなかったっけ?事前練習で滑ってリンクの大きさは把握しているはずなのに、試合に入るとアドレナリン出てそういう事が頭から飛んでしまうんですかね。

それでも2位発進。
案の定「転倒したのにあんな高得点、八百長でしょ!」っていう声がチラホラ。地上波放送では、画面の左上に技術点が表示される大会が増えたので、採点ルールをあまり知らずに八百長呼ばわりする人にはゼヒ見てほしいですね。
加点が多くつき過ぎている、という批判ならまだ少しは理解できます。ここはそれぞれの主観に左右される所ですし、素人にはわかりづらい所ですから。ただ、たとえ多くつき過ぎていると感じたとしても許容範囲じゃないですかね。私自身は、宇野選手に与えられる加点が他の選手と比べて突出しているとは思わないです。実際、暫定GOEを見てても、私の予想より多く加点がついてるのはいつも4回転と3アクセルくらいで、それも「ちょっと多いかな?」くらいですし。
逆に、思ったより加点が少なかったり、「軸もブレてないし回転もちゃんとしてるからレベル4取れてるよね」と思ってたスピンが3だったりして「あれ?なんで?」と思う事も。(もっとも私はスピンの既定などに関して勉強不足で、感覚的に予想してるだけなんでハズすのは想定内ですけど)
だからプラマイゼロで、私的には納得のジャッジです。

今シーズンの宇野選手のショートは「天国への階段」、言わずと知れたロックの名曲です。私の知ってる限りでこの曲を選んだ選手は宇野選手が初。いい選曲だと思うし、アレンジがまた超カッコいい!宇野選手は、確か2シーズン前だったか、ボーカルがうるさいウザ曲をフリーで取り入れるという謎選曲の前科(?)があります(まあ、実際には選曲したのはコーチか振り付け師さんか、宇野選手本人ではないと思いますが)。が、それも、シーズンが進むにつれ、いつの間にか何となく受け入れてしまっている自分がいました。「可愛い顔してやるな!おぬし」と思ったものです。
宇野選手は音楽のジャンルを選ばない、どんな曲でも結構演じこなしてしまう気がします。

でもやっぱり私はクラシックの宇野選手が一番好きかな?「トゥーランドット」も素晴らしかったし、今シーズンのフリー曲「月光」も素敵ですよね。静かに始まって、後半一転して曲調が激しくなっていく所とか、迫力あります。そうした曲の強弱に合わせて動と静を演じ分けられる、その表現力に引き込まれます。
ちょっと詰めの甘い所にイライラさせられる事もありますけど、

・・・・・やっぱり宇野選手、好きだ!




前半戦の感想をまとめて書くつもりがついつい長くなってしまい、なかなか先に進まない。タイトル詐欺で男子の話で終わってしまってるし。
全く計画性なし(反省)。

カナダ大会女子と、第3戦以降の感想は次回。
よろしければまたお付き合いください。

フィギュアGPS前半戦終了!女子は日露が表彰台独占中!その1

待ちに待ったフィギュア・シーズンに入り、フィギュアにどっぷり浸かっている今日この頃。これはここ数年、秋冬の恒例となっております。




●第一戦アメリカ大会


日本女子はエース・宮原知子、昨シーズン五輪代表を勝ち取った坂本花織、若手の本田真凛の3選手が出場。
SPで1、2、4位と上位を占め、このまま表彰台を独占か?とも期待されましたが、FSで本田選手がミスを連発。それでも、宮原、坂本両選手のワンツーフィニッシュは実現しました。やったね👍両選手は昨年も同じアメリカ大会でワンツーフィニッシュだったんですね。



宮原選手の滑りはいつも通り滑らかで洗練されています。更に、今シーズンは弱点と言われていた低いジャンプを修正し、その成果が早くも現れています。ジャンプの修正ってそんなに簡単に出来る事ではないと思うんですが、さすが宮原選手!

特にルッツとフリップは素人目に見てもわかるくらい滞空時間が違う。昨シーズンまでは跳び上がったかと思うとすぐ降りてきて、この短い間によく3回転回れるな、と変な感心してたくらい。それが、今シーズンは他のトップ選手と遜色ない安定したリズムで跳べていると思う。この修正によってジャンプに自信が出てきたのか、跳び急いで失敗するという悪いクセも今のところ見られない。GOEの幅が増えた事もあるだろうけど、ジャンプの加点が大きくつきやすくなっている。

指先まで神経の行き届いた優雅な身のこなしは相変わらず。回転が早く安定したスピン、丁寧でバランスの取れたステップ、これに強化したジャンプが加わり、元々弱点の少ない選手でしたが更に強くなりました。以前にも増して頼もしい!
後は、フリップのエッジエラー対策ですかね。



その宮原選手も霞むか!?というほどの素晴らしい滑りを見せたのが、坂本選手。ショートもフリーもほとんどミスらしいミスがなかった。それ以上に、とにかく素晴らしかった!

ショートでは、髪をおろし、白と紫のグラデーションの衣装。通常の衣装よりちょっと長めで、その衣装の裾がジャンプを跳ぶ度にヒラッと広がり、それが花が開くように美しく見える。それも、色彩のせいか、可憐で素朴な朝顔かスミレを連想させます。坂本選手にピッタリ。

そして、フリーの「ピアノ・レッスン」。感動しました!これまで10年以上フィギュアを観てきましたが、大げさでなくトリハダが立ったのは初めてです。
ピアノ・レッスン」の曲は、2年前松田悠良選手がショートで使ってて知りました。その時から「なんて素敵な、いい曲なんだろう」と大好きになりました。フィギュアでは人気の曲らしく、毎シーズン誰かが使ってるみたいです。松田選手もこの曲が本当に好きで3シーズンくらい使ってたらしいです。ワカル、その気持ち。やっぱり好きな曲で滑った方が気持ちも乗りやすく入り込みやすいんでしょうね。
松田選手はショートで使っていたので2分50秒くらいの短いバージョン。坂本選手はフリーなので、4分ちょっとと長め。松田選手バージョンでは使われていなかった部分が加わり、その分ドラマチックになっています。
振り付けは、昨シーズンの坂本選手のフリー「アメリ」と同じブノワ・リショーという方。リショーさんは坂本選手がお気に入りらしいです。確かに相性がいいみたい。「アメリ」の振り付けも個性的で坂本選手に合っていたと思う。


ピアノ・レッスン」は更に素晴らしい。ピアノの静かな独奏に始まり、4分ちょっとの間に曲調が何回か変わるのですが、その変化に合わせてジャンプ、スピン、ステップがバランスよく効果的に配置されていて、プログラムを見終わった時の満足感が、一本の映画を見終わった後と同じくらいありました。ちょっと大袈裟かもしれませんが、本当にそれぐらいの感動と余韻がありました。



ピアノ・レッスン」の構成は以下の通り。

※以下に書いている暫定GOEと言うのは、テレビ放送の時に画面の左上に出る、演技中に表示される暫定の技術点を基にした数字です。


①3フリップー3トゥループ 
    基礎点9.5点 暫定GOE約1.4点

 いつも通りの「あまり長く構えずに自然な流れの中でスッと跳び、しかも幅(飛距離)のあるジャンプ」が跳べてました。安定してます。


②2アクセル 基礎点3.3点 暫定GOE約0.9点


③3ルッツ 基礎点5.9点 暫定GOE約0.15点

 エッジエラーを時々取られる、坂本選手にとって多分一番苦手だと思われるジャンプ。この日はエッジエラーは取られなかったみたいですが、着地がちょっと危なかった。何とか持ちこたえた感じだったのでGOEは低いです。でも高さはありました。決まれば高い加点が期待できそう。フィンランド大会では1.5点くらいGOEがついてました。


④フライングシットスピン 
    基礎点3.0点(レベル4) 暫定GOE約0.7点


⑤ステップシークエンス 
    基礎点3.9点(レベル4) 暫定GOE約1.3点

 この曲の中でもかなりスローで静かな曲調の部分。ここをステップに充てるというのは、なかなかのチャレンジなんじゃないかと思います。曲に合わせてステップを踏むわけですから、リズミカルだったり音が多い方が合わせやすいんじゃないかと思うんですが。リショーさんは新進気鋭と聞いてますので、あまり既成概念に囚われない方なのかもしれませんし、坂本選手の技術力を信頼しているという事なのかもしれません。
 スローな上に音が少ないパートでのステップは、技術的にも難しいんじゃないでしょうか。ゆっくり尚且つ揺れないように刃を滑らすのって難しそう。しかも、レベルを取るには規定を満たす数のステップを深いエッジで踏まなければいけないらしいし、スピードの強弱やメリハリもつけないと加点が貰えないらしいし。らしい、らしいでスミマセン。ステップに関しては他にも増して勉強不足なんです。
  

⑥3サルコウ 基礎点4.3点 暫定GOE約1.1点

 このサルコウジャンプの直後、後ずさるみたいな振り付けがあるんですが、何でかわからないけど何となくそこが好き。人見知りな女の子のイメージなのかな?と想像してます。


⑦2アクセルー3トゥループー2トゥループ
    基礎点9.68点 暫定GOE約1.3点

 ここからジャンプの基礎点が1.1倍。


⑧3フリップー2トゥループ
    基礎点7.26点 暫定GOE約1.0点

 二つ目のジャンプの着地の時ほんのちょっとだけオーバーターンになりかけて本人はヒヤッとしたかも。でも無難にまとめて加点もしっかりついてました。


⑨足替えコンビネーションスピン
    基礎点3.5点(レベル4) 暫定GOE約1.1点

 このスピンが終わった直後の振り付けも好き。プログラムの最初の方は少女のイメージなのかな?と思うような振り付けが多いんですが、ここでは少し大人になった感じを表現してるのかな?


⑩コレオシークエンス 
    基礎点3.0点 暫定GOE約1.7点

 ラストに向かって曲が最も盛り上がる部分に、コレオシークエンス~ターンからの3ループが充てられています。これが音楽とピッタリ合ってて相乗効果を産み出しています。超絶感動的!


⑪3ループ 基礎点5.39点 暫定GOE約1.7点

 ジャンプの得意な坂本選手の跳ぶジャンプの中で最も好きなのが、このターンからの3ループ。クルクル回りながらその回転の勢いのまま力みなくスッと跳ぶ。ターンのクルクルとジャンプのクルクルが1つの流れになっていて美しい!坂本選手にとって比較的ミス率の高いジャンプのようですが、綺麗に決まった時は観てて最高に気持ちいいジャンプです。
 本当に大好き。
 しかもこのアメリカ大会では、音楽に寸分たがわずピタッと合ってる。特にループの着地が!壮大で最もドラマチックな部分のジャーン!という音に本当にピッタリ合ってるんですよね(ここでトリハダ、ブワ~ッ!!)跳び上がるタイミングを合わせるより何倍も、着地を音に合わせるのは難しいと思います、多分。


⑫フライング足替えコンビネーションスピン
    基礎点3.5点(レベル4) 暫定GOE約1.2点



フリーの得点は、技術点75.41、演技構成点67.20、合計142.61。
ショートの71.29と合わせて総合得点213.90。


十分高い得点ですけど、個人的には「もっと演技構成点くれよ!」と思いました。特にフリーは70くらいくれてもいいのに!




他の選手で印象的だったのは、惜しくも4位と表彰台を逃したアメリカのブレイディ・テネル選手。
遠目には華奢に見える(実は鍛え上げられてるけど)フィギュア選手の中でも、ひときわ細身で(実は鍛え上げられてるけど)手足がスラッと長い選手です。
キメ技は3ルッツー3ループ。ショートでは決まらなくて得点が伸び悩んでしまいましたが、フリーはこのキメ技も含めて凄く良かった!本人も気合いの入ったガッツポーズしてましたね。

フリーは定番中の定番「ロミオとジュリエット」。
原曲がトータルでどのくらいの長さなのかわからないのですが(バレエ音楽だから少なくとも1時間以上かな?)、その中のどのパートをどうアレンジしてどう組み合わせるか、あまりにも定番中の定番なので、それぞれの選手はそこを工夫して個性を出そうとしてるみたいです。

ちなみに、私の知ってる「ロミオとジュリエット」のプログラムの中で一番好きなのは、3シーズンくらい前のジュニアの島田高志郎選手のフリーです。ジュニアの頃の羽生選手を思わせる王子さま感のある選手。

テネル選手の「ロミオとジュリエット」で一番印象的なのは、あまり「ロマンチック」「悲恋」というイメージを感じない所ですかね。どちらかと言うと「強さ」「戦い」のイメージな気がします。曲の構成からしてそんな感じ。
物語の中の、キャピュレット(でしたっけ?)家とモンタギュー家の争い、それぞれの一族からの反対や妨害に負けず恋を貫こうとする主人公たちの姿、という所に焦点を当てたプログラムなのかな?と勝手に思ってるんですが。
唯一、誰もが知ってる有名なメロディが使用されてるステップの所が、柔らかく優雅なイメージと言えば言えないこともないですが、全体的に力強さを前面に出してる印象を受けます。
振り付けの元々のコンセプトがそうだったなのかな?それとも、テネル選手の持ち味がスピーディでキレのあるキビキビした動きだから、自然にそうなっていったのかな?

とにかく、「ロミオとジュリエット」と聞いて思い浮かべるプログラムとは一線を画しています。




NHK杯が待ちきれなくて、前半3戦の感想をまとめて書こうと思ったのですが、つい「ピアノ・レッスン」に力が入りすぎて長くなってしまったので、続きは後日。



おっと、紀平選手の出番だ。それでは。