謎好きにゃんこの妄想

謎と名のつくものに目がないにゃんこ好きが妄想脳で綴るブログですニャ

今でも思い出すと怖くて震える トラウマ・ムービー

★「死の接吻」(91)

同じタイトルの映画、2、3本あるみたいですが、私のトラウマ・ムービーは、マット・ディロンが次々と殺人を重ねる男を演じた91年公開のもの。

こ、怖かった~!人の死ぬシーンをこういう描き方したの、初めて見た。



ネタバレ全開でお送りします。

グロい話や怖い話が苦手な方、食事中の方にはお薦めできない内容を含んでいますので、お気をつけ下さい。



ブレードランナー」の美女ショーン・ヤングマット・ディロン演じる、暗い野望を秘めた主人公に屋上から落とされる。
さりげなく屋上の手すりに座らせておいて、楽しく会話していたかと思ったら、突然「君が悪いんだよ」と言うセリフと共に彼女の脚をすくって、バランスを崩したショーン・ヤング扮する金持ち娘が墜ちていく。人が墜落するシーンだと、普通は引きの画になると思うんですが、ここでは墜ちていく人間の驚きと恐怖に満ちた表情をアップで撮したまま、その背景が変化する。そして地面に叩きつけられて血が飛び散る、そこまでずっと墜ちていく人間に焦点を当て続ける。
人が墜落して死ぬ瞬間をアップで撮る。異様な生々しさでした。よくこんな手法を思いついたもんだ、と感心するやら気持ち悪いやら。
残酷なグロいシーンは映画の中にしばしば出て来ますが、その中でもこれは特に生理的嫌悪感を感じました。

「死の接吻」で生理的嫌悪感を感じる怖いシーンはここだけじゃない。

ヒッチハイクで同年代の青年の車に乗せてもらった主人公。青年が自分の身の上を語ると、車内のシーンから車外のシーンに切り替わる。
ここでは、殺害のシーンそのものは確か無かったと思います。
でも、青年の話を聞く主人公の表情と、車内の会話のシーンから外のシーンへと画面が切り替わった事で、主人公が青年を殺害してその青年に成り代わる、という事を暗示しているわけです。
アニメ「信長協奏曲」にも同様のシーンありましたね。後の秀吉が、たまたま出会った男の名を聞いて「いい名前だ」と言う。その後のシーンはないけど、秀吉が男を殺してその身分を奪ったな、というのが観てる人にわかるような描写。

殺害のシーン、本当に無かったっけ?あったっけ?あったとしても車外から撮しているシーンだったと思います。直接的な撮し方じゃないのが逆に怖かったのを覚えています。記憶違いかもしれませんが。

「悪魔のはらわた」でしたっけ?あれもドアをただ延々撮すことで、この閉ざされたドアの向こうでどんな恐ろしい事が行われてるんだろう?と、観ている人の想像力をかきたてる演出をしてた、らしい。私はこの映画観てないので。スプラッター系はダメなんです。

「死の接吻」の怖いシーン、まだまだありますよ。浴室で遺体をバラバラにするシーンとか。これも解体する所とか、バラバラにされた遺体とか、直接撮してはいなかったと思います。血まみれになった浴室を洗い流しているシーンだけで表現していたと記憶してます。
髪が濡れないようにシャワーキャップを被って浴室の掃除をする主人公。そこだけ見たら結構笑えるマヌケな姿です。美容院でパーマかけてる最中のオバサンみたい。でも、そのマヌケな格好とやってる事のおぞましさのギャップが逆に恐怖を倍増させる。

そして、ラスト。自分の双子の姉妹を殺したのがマット・ディロンだと気づいてしまった女性(ショーン・ヤング二役)を、殺そうと追いかける主人公。線路を渡って逃げる女性。行き交う列車。列車が通りすぎるのを待って線路を渡る主人公。通りすぎた、と思った次の瞬間、通りすぎた列車の陰で死角になっていたもう一台の列車が、隣の線路を反対側から・・・。

轢かれた主人公の遺体は、やはり完全には撮していない。遺体がどんな状態になっているのかわからなけど、画面に唯一映っている腕がピクピクしていてゾゾッ。

生理的嫌悪感シーンの連続でした。

でも、一番怖かったのは、線路沿いの家の窓から、行き交う列車をじっと見つめる少年時代の主人公の姿。その暗い悪意の目。ゾゾゾッ。

アメリカ映画に、この手の暗く陰湿なクライム・サスペンスはたくさんあります。でも、数ある同様の作品の中でも「死の接吻」は何か違う。どこか異質な感じがします。
それでいて既視感がある。ナゼだ?


しばらく考えていて思い出しました。
日本映画「謀殺・下山事件」だ!

国鉄総裁・下山何とかさんが、どこかの線路上で列車に轢かれた状態で発見された、昭和の未解決事件を題材にしたものです。
随分昔にテレビでやっているのをたまたま観て、ストーリーとか出演者とか全く覚えていないのに、「政治的な背景があり、大きな陰謀によって起こされた謎の事件」「暗く重苦しい映画」という印象だけは鮮明に残っています。

列車に轢かれる、という共通項があったから、というのもあるでしょうが、暗く陰鬱な雰囲気と後味の悪さが似てる。
もっとも「下山事件」の方は政治が絡んだ事件で話の規模が大きすぎるので、むしろ最近の、広末涼子主演「ゼロの焦点」の方が近いかもしれません。後、小説「黒い家」。
「死の接吻」ってどこか日本的な陰鬱さを感じさせる。

「死の接吻」はアイラ・レヴィン原作。どっかで聞いた名前だなあと思ってwikiを見たら、「ローズマリーの赤ちゃん」「ブラジルから来た少年」「硝子の塔」の原作者。なるほど。
そんなレヴィン先生の処女作なんだそうな。
ローズマリーの赤ちゃん」はストーリーは知ってますが観たことはない。「硝子の塔」はエロシーンが売りなだけの駄作。
でも「ブラジルから来た少年」は凄く面白かった!ヒトラーのクローンの大量生産、怖すぎるわ。
レヴィン先生は目の付け所、アイデアが面白いですね。



ホラー映画は、日本とアメリカでトーンが全然違うのに、クライム・サスペンスには日米で共通項があるように感じる。
ホラー映画の違いは日米の宗教観や死生観の違いが影響してるのかもしれない、と何となく思ったりしてます。
一方で、クライム・サスペンスが似ているのは、「人間の心の闇」に対する恐怖が万国共通だからなのかも。
やっぱり幽霊やらモンスターやらより、生きている人間が一番怖い、のか。



★「ロボコップ」(87)

カテゴリーで言うと、一応SFアクション、娯楽作品という事になるんでしょうけど、娯楽作品と言うには残酷な描写が多くて苦手な映画です。

まず、主人公の警官マーフィが殺される場面。腕を撃ち、足を撃ち、それも1発、2発じゃない。
マーフィが苦しむのを楽しむようになぶり殺しにする悪人。

こういう残酷なシーン、他にもあるけど他のとどっかが違うんだな。人の体を損壊する、という事に対する抵抗感、嫌悪感が、作り手の側にちょっと欠けてる印象を受けてしまうんです。そこが気分悪い。

同じ暴力的で残酷なシーン、或いは性描写でも、アメリカ映画は比較的生々しさやグロさが少ない。ひきかえヨーロッパ映画って結構生々しい。
ロボコップ」の監督がオランダ出身のポール・バーホーベンっていう事もあるのかな?元々この監督は過激な描写が多い人みたいですが。

ずっと前、ルトガー・ハウアーがちょっと好きだった時期があって、その頃にルトガー目当てで「グレート・ウォリアーズ」という映画をテレビで観たら・・・キツかった~!エログロなシーンが多くて。テレビ放映版でアレなので、オリジナルはどんだけエグいのか考えるだけで怖っ。そればかりか、登場人物のほとんどが悪意や欲望むき出しのクズで、観てて不快感しかなかった。まだ若くてウブだった私には刺激が強すぎた。
それ観てからルトガー熱がグッと冷めました。
それもバーホーベン監督の作品でした。

バーホーベン監督の生々しい暴力描写の背景に、監督に戦争体験がある事があるのかもしれない、というのをどこかで読んだ覚えがあります。
もしかしたら、残虐な趣味嗜好とかそういう事じゃなく、むしろ「現実は、ハリウッド映画が描くような、そんな綺麗で秩序だったもんじゃないぞ。本当の暴力とはこんなにグロテスクで、しかもこんなにも無造作に非人間的に行われるもんなんだぞ!」
そんな思いがあるのかもしれませんね。


ロボコップ」の生々しい暴力描写はロボットが暴走するシーンでもありますが、何より怖いのは、人が死んだのに、その場にいる人たちにサラッと扱われる事。人が死んだという事に対するリアクションがほとんど無い。ひたすら自己弁護に走る担当者とか、その失態にほくそえむライバルとか。その無機質さが怖い。

他にも、マーフィの相棒ルイスが撃たれる所とか、悪人の一人が化学物質を被って皮膚がただれたようになり、「助けてくれ~」と言いながらよろめき出て来た所を車に轢かれて・・・とか、もうこれ、ホラーじゃん。

ロボコップ」も、私にとっては生理的嫌悪感満載ムービーです。



★「蜘蛛女」(93)

これ、ゲイリー・オールドマン主演だったのね。全然記憶にない。だって、レナ・オリンが強烈すぎて。邦題の「蜘蛛女」ってレナ・オリン演じる殺し屋の事?

これも観たのが随分昔で、映画館でなくビデオ借りて観ました。正解でした!映画館で観てたら、多分このネタで真っ先に取り上げたのは「死の接吻」ではなく、この映画だったと思います。

ゲイリー・オールドマンの存在だけではありません。ストーリーもほとんど覚えていません。

じゃ、何を覚えているのか?っていうと、たった1つのシーンだけ。

車の後部座席のレナ・オリンが、前の座席の男の首を太ももで挟んで締めながら笑う、その笑い声。
た、楽しいの・・・?
女性の笑い声にしては異様なくらい低い声で、しかも感情の欠けた笑い声なんですよね。

あれ・・・?この笑い声、どっかで聞いたなあ?


思い出した!!
そう、あれあれ、「ヒドゥン」(87)ですよ!

別の星から来た謎の生命体が、次々と人間の体に乗り移って殺人を重ねていくSFホラー。

生命体に寄生されたストリッパーの女性が行きずりの男性を車に引っ張りこんで交尾(?)をするのですが、男性の快感の声に重なって、女性(宇宙人)の「ハハハハ」という笑い声が・・・、そして間もなく男性は静かになります・・・永遠に。
その笑い声と「蜘蛛女」の笑い声が、低音具合といい、感情の欠けた感じといい、ソックリ!だったと思います。私の印象では。

(ちなみに、この殺人生命体を退治するため、やはり他の星からやって来た宇宙人を、TV「ツインピークス」や「ブルーベルベット」などデビッド・リンチ作品常連のカイル・マクラクランが演じてます。)


そう、「蜘蛛女」のレナ・オリンは、もう人間じゃなかったんです。別の星から来た謎の生命体並みだったんです。人間だけど人間じゃない。そう言えば、自分の腕を切り落としたりしなかったっけ?

私は「ノーカントリー」(07)は観てないんですけど、多分あの中でハビエル・バルデムが演じた殺し屋の女性版という感じじゃないのかな?感情というものを持たない殺し屋って聞いたので。
いや、「蜘蛛女」の方が先だから、ハビエル・バルデムの殺し屋が殺し屋レナ・オリンの男性版か。


「蜘蛛女」も残酷な描写が多かった印象がありますが、それでもレナ・オリンの非人間的な笑い声の前では霞んでしまったようで、他のシーンを具体的に思い出せない。「死の接吻」「ロボコップ」とは違った意味で怖かった映画です。



★「オーメン」(76)

ようやく悪魔の登場。悪魔ものより先に3作も頭に浮かぶって、人間ってどれだけ凶悪なんだ?

アメリカのホラーで、私が一番怖いのがこの作品。スプラッターものは元々観ないので。

シュワちゃんの「エンド・オブ・デイズ」の悪魔(ガブリエル・バーン。タイプです❤)を見てもわかる通り、悪魔は何でも出来ちゃいます。ちょっと気まぐれに「オマエ、死んでまえ。」って念じただけで"不運な"事故が起こって簡単に人が死ぬ。

オーメン」でも悪魔の子ダミアンの力なのか、ダミアンの取り巻き・悪魔崇拝者の呪術か何かなのかわかりませんが、ダミアンの正体を知った人間が次々と"不運な"事故で死んでいきます。

中でも一番のトラウマシーンは、カメラマンが死ぬ場面。
坂道に停車していた車のサイドブレーキが「ナゼか」勝手に動いて車がジリジリと動き出す。
「危ない!轢かれる!」
でも大丈夫。車は何とか止まった。と思いきや、何とかの法則で車の後部に積まれていたガラス板が滑って・・・首がスパーンとキレイに飛ぶ!
今考えてみれば、あんな風に首が飛んだら血がドバッと出そうなもんだけど、確かそんなに血は出なかったような。今の映画なら間違いなく血がドバッの描写になるだろうな。あれ?リメーク版どうだったっけ?

血がそんなに出なくても十分トラウマシーンでしたけどね。あのシーン観てから、ガラス板が近くにあると緊張します。ガラスって簡単に凶器になり得るのね。坂道に停まっている車も信用しません!いつ動き出すかわからん!

神父さんが、雷が落ちて折れて落下してきた教会の避雷針に串刺しになる所も、残酷とか何とか言うより「教会にある物で神父さんが死ぬって罰当たりな展開ではないの?」とクリスチャンでない私は引っ掛かりました。


オーメン2」も観ました。ストーリーはあんまり覚えてない。10代前半だか半ばだかに成長したダミアンがなかなかのクールな美少年で、ちょっとトキメいたの覚えてます。幼い頃のダミアンは知識としてではなく本能として自分が悪魔の子だと認識していた感じなのですが、10代のダミアンはよりはっきり自覚していて、しかもその事に苦悩していた、という印象がある。苦悩し迷いながらも、最終的に自分の運命を受け入れて念力で誰かを殺すシーン、ちょっと目元が赤らんでいたような。白い息を吐いてた印象があるので冬の場面だったかな?目元が赤らんでいたのは寒さのせいなのか、力を使ったせいなのか、それとも・・・?1にはない、ちょっと切ない続編だった記憶があります。


ところで、悪魔の子や悪魔崇拝者がやりたい放題やってる時に、神様は何をしてるんでしょうか?「エクソシスト」でも思ったけど、悪魔の存在感や活躍(?)ぶりに比べて神様サボりすぎてません?



★「ジョーズ」(76)

あなたにとってのトラウマ・ムービーって何?と訊かれたら、多くの方がこれ挙げるんじゃないでしょうか。
私、これ観てからしばらく海に入れなくなりました。今でも怖い。浅瀬でチャプチャプしかしないです。

夢もたまに見ます。この映画を初めて観てからだいぶ経つのに、今でも何年かに一回は見ます。
海面の上にナゼか立っていて、足下の、海の中ではサメがうようよ。気を抜いたら海に沈んでしまうので、集中しながら海面の上を向こう岸まで渡っていく。
変な夢。
多分、因幡のシロウサギの話とごっちゃになってるんだと思います。

何と言っても、最初の犠牲者、夜の海に全裸で入っていく女性の襲われるシーンがトラウマ。何かに足を噛まれて海中に引きずり込まれ、それから一旦浮かび上がる。その時の女性のパニックと恐怖に満ちた息づかい。リアルでした。

後半、姿を現してからのサメは怖さ半減。それでも、ロバート・ショウが喰われるシーン、サメに噛まれて口から血を吐く所とかやっぱりなかなか・・・。

トラウマとは関係ないですけど、素朴な疑問。
観光で成り立ってる町だから、遊泳禁止にしたら観光収入が・・・と、人喰いザメの事は解決した事にしようしようとする市長。
いやいや、いくら金儲け優先、エゴの塊でも、さすがに人命軽視はしないでしょう。エゴの塊ならなおさら保身には敏感でしょう。もし遊泳禁止にしないでまた誰かがサメに襲われたら、道義的責任どころじゃない、法的に罪に問われる可能性、十分にありますよ。
映画ではブロディ署長に責任押しつけてましたけど、現実には無理でしょ。どう考えても市長の責任は免れない。
進言を却下された上、責任を丸々押しつけられて、亡くなった子供の母親からビンタ喰らって、それでも黙ってるブロディ署長にイライラしたわ。



他にもトラウマ・ムービーありますけど、何の映画だったかわかりません。子供の時に観たドラキュラ映画で、人がブーメラン型の杭みたいな物でお腹を貫かれ壁に張りつけにされてたシーンとか、他の映画で、女性が毒蛇が何匹も入った袋を頭から被せられて殺されたりとか、思い出しただけでダメです。

じゃあ、思い出さなきゃいいのに、と思うんですけど、何かの拍子にふと思い出してしまう。だからトラウマ・ムービーなんですけど。


リアリティ追求するのも、新しい斬新な手法に挑戦したいというのもわかりますけど、ほどほどにしておいて下さい。世の中には私のようなビビリもいるんですから。



※今回はあえてなるべく記憶だけを頼りに書きました。なので、いろいろ間違ってる所があるかもしれません。




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