謎好きにゃんこの妄想

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初心者が解説してみた!フィギュア・ジャンプの採点ルール その1

前回、初心者ならではのジャンプの見分け方を紹介しましたが、今回はジャンプの採点ルールを中心に書いてみたいと思います。


※私は「初心者に毛が生えた」程度のフィギュアファンなので、持ってる知識は不十分で曖昧です。でも、いちいち調べて確認してから書いているといつまでも書き終われそうにないので、ここでは「今現在、自分がこう理解している、こう記憶している」ものをベースに書いていきたいと思います。内容が不正確だったり記憶違い、勘違いしてるものを含んでいるかもしれませんので、その前提でお読みいただければ助かります。
「フィギュア観るの好きだけど、ルールとかはわからない、わざわざ詳しく調べるほどでもない」という方に、ザックリ大体こんな雰囲気、というのが伝わればいいな、という程度のものですのであしからず。


その1では、採点の基本ルール(基礎点・出来栄え点)と回転不足、エッジエラーについて説明してみます。


※2019.3.26
今シーズンのルール変更を受けて追記と、そのついでにわかりにくかった文章の修正をしました。

※2021.4.19
久々に読み返して、間違ってたり曖昧だった説明文を修正しました。
また、毎年行われる細かいルール改正に追いついてなかったので、2021.4月現在のものに修正しました。
それでも尚、勘違いしてたり間違ってたりするものがあるかもしれません。正確で詳細なルールを知りたい方は、ベテランフィギュアファンの方のサイトをご覧になる事をお勧めします。国際スケート連盟など公式のサイト、それをベースに書かれてるウィキなどは表現が分かりにくい上に詳細過ぎて、私のような初心者には理解するのが難しいです。
ファンの方や元スケーターの方のブログなどは、ポイントを絞って分かりやすく解説されてるものが多いのでお勧めです。



●ジャンプの採点基本ルール



・ジャンプごとに決まっている基礎点
       
・GOEと呼ばれるジャンプの出来栄え評価を点数に換算したもの


この合計が1つのジャンプの得点(技術点)になります。

※ジャンプ、スピン、ステップシークエンス、コレオシークエンスを総称して要素(エレメンツ)と言います。
ジャンプ同様、他の要素も基礎点+出来栄え点で得点(技術点)が与えられます。


この技術点の合計と、演技構成点(スケーティング技術やプログラムや演技の完成度、音楽表現などに対する評価点)を足したものが、そのプログラムの得点となり、それによって順位が決定される仕組みです。

ジャンプが勝敗の最も重要なポイントである事は間違いないですが、じゃあジャンプが凄ければ勝てるのか?と言うと、そうは問屋が卸さない。やはり安定して成績が残せるのは、総合力の高い選手という事になると思います。





・基礎点とは

ジャンプの種類と回転数によって定められている点です。回転不足やエッジエラーなどがなく規程通りに跳べていれば、その点数がそのまま与えられます。

例:
3アクセルは8.0、2アクセルは3.3、
4ルッツは11.5、3ルッツは5.9、2ルッツは2.1など。



・GOEと出来栄え点

ー5から+5までの範囲で、ジャンプの出来栄えに応じてジャッジがつける評価をGOEと言います。

ジャッジは複数います。当然ジャッジによってつけるGOEにもバラつきがあります。その内の最高評価と最低評価をカットし、残りの評価を点数に換算し、その平均値がそのジャンプの出来栄え点となります。


↓ここは古いルールなので、興味ない方は読み飛ばして下さい。
「GOE(ジャッジがつける評価)=出来栄え点ではありません。
なぜなら、ジャンプによって換算率が違うから。
例えば、3アクセルはGOE1=出来栄え点1ですが、アクセル以外の3回転ジャンプはGOE1=出来栄え点0.7です。」


↓現在のルールはコレです。

2018ー2019シーズンより
「GOE1=基礎点の1割」
になりました。シンプルですね。
換算表をいちいち参照しなくてもよくなり、計算が楽になりました。また、基礎点に比例して加点減点幅が変わるというのは、理にかなっててフェアだと思います。



具体例


●3アクセル(基礎点8.0)にジャッジ全員がGOE3を付けた場合

 GOE3=基礎点の3割=8.0×0.3で2.4の出来栄え点
 8.0+2.4=10.4が、そのジャンプに対する得点


●3トゥループ(基礎点4.2)にジャッジが付けたGOEの平均がー2.5だった場合

 GOE-2.5=基礎点の25%のマイナス
   =4.2×-0.25の計算で-1.05
 4.2-1.05=3.15が、そのジャンプに対する得点


※ちなみに、出来栄え点という表現は私がここで勝手に使っているものです。テレビの解説などで使われてたのを「これが一番分かりやすいかな?」と思って借りてきて使ってます。
これはメディアによって表現が違うようで、正式に統一された呼び方はないみたいです。
上記で説明したように、GOEと出来栄え点はイコールではないのですが、評価、出来栄え点両方の意味でGOEという言葉をざっくり使っている事も多いみたいです。私も混同して使ってました。
でもここではキッチリ区別して使おうと思います。




●ジャンプの出来によって大きく変わる得点


一つ例を挙げてみましょう。


3アクセル(基礎点8.0)を3回転半しっかり回りきったという前提で。


ケース1

「ジャンプ成功!」
ジャンプ自体の質もよく着氷を美しく決めたので、GOEの平均値が3.5と高い評価を得ました。
 GOE3.5=基礎点の35%=8.0×0.35で2.8の加点。
 基礎点8.0+出来栄え点2.8=10.8点と高得点!!
 やったね!


ケース2

「ちょっとミスった!」
回転の勢いを止めきれず、着氷でバランスを崩してしまった!ジャンプ自体の質は良くプラス評価もあったものの、着氷ミスでマイナス評価。プラス面とマイナス面を差し引きしてジャッジ全員がGOE-2を付けました。
 GOE-2=基礎点の2割マイナス=8.0×-0.2で-1.18。
 基礎点8.0+出来栄え点-1.18=6.82点。
 惜しかった!悔しい〜!!


ケース3

「やっちまった!」
着氷の際バランスを崩して転倒。ジャッジ全員がGOE-5を付けました。
 GOE-5とはすなわち基礎点の半分4.0のマイナス。
 つまり、転倒などで減点のMAX、GOE-5になった場合は、50%オフで基礎点の半分しか得点が入らないという事になります。
 アイタタタ・・・

※それでもダブルアクセルは基礎点3.3なので、基礎点8.0のトリプルアクセルは、チャレンジする価値があるジャンプだと思います。成功すれば最大で4.0の加点がもらえるのですから。


転倒はGOE-5と一応決まっています。ただし、転倒の状況によって、ジャッジによっては-4など優し目の減点になる場合も稀にあります。転倒はしたけど、あまりに美しいジャンプだったのでプラス面を無かった事にするのはあんまりだ・・・というケースもあるかもしれません。ルール上ー3まではジャッジの裁量であり得ます。ー2より少ない減点はルールを逸脱した採点です。
個人的には転倒には一律に-5を付けるべきだと思ってます。ただ、例えば、一旦綺麗に着氷したのに運悪く氷の溝などに引っかかって転倒した、など不可抗力のケースは情状酌量があってもいいと思います。

転倒の場合は、総合得点から更に1点引かれます。(※最近のルール改正で、転倒の回数によって引かれる点数が変わってくるようになりました。2回までは転倒1に対して-1点、3回目・4回目の転倒は-2点、5回目以降は-3点という具合に。)

(※追記
実は、転倒による減点というルールは存在しないそうです。
一般に転倒による減点とされているものは、「(バランスを崩して)スケート靴のエッジ以外に体重の大部分がかかった状態が違反」という規定によるものだそうです。
ジャンプ着氷時などにバランスを崩した時に、「手をつくかつかないか」、更に「片手をつく」のと「両手をつく」で減点幅のガイドラインが変わっているのも、重心がどこにかかっているか、という点に基準を置いているからなのかな?と思います。)



●実は転倒よりもコワイ回転不足

上記のように、ジャンプで転倒すると大きく点を引かれるのですが、実はそれ以上に点を損するミスがあるんです。

それが回転不足。

よく「転倒した選手が転倒しなかった選手に勝つなんておかしい!不正があるのでは?」というのを目にします。
わかります、転倒って目立ちますもんね。

素人目にはなかなか分かりにくい回転不足、これを取られてしまうと「アレ?何でこんなに点数が低いの?」という事になってしまうんです。
これがジャッジの不正を疑われてしまう一因です。(まあ、実際に疑われても仕方のない不可解なジャッジも多いですが。今回の五輪でも、団体戦のジャッジに疑問の声が挙がりましたね)




回転不足には2段階あります。
※2020ー2021シーズンからq(クォーター)というものが導入され、3段階になりました。

○クォーター
1/4の回転不足。基礎点はそのままもらえるが、GOEでマイナス評価となる。


〇アンダーローテーション
1/4以上1/2未満の回転不足はアンダーローテーションと言い、基礎点が8割になります。更にGOEもマイナスされます。


例えば、3フリップ(基礎点5.3)を綺麗に跳び着氷もクリアに決めた!やった!と思ったら、アンダーローテーションと判定されてた!という場合。

5.3点×0.8で基礎点は4.24点。
ジャンプの質は良かったのでプラス評価だったが回転不足によるマイナス評価で差し引き-1というGOE平均だった場合、
基礎点4.24×-0.1=-0.424。少数点第三位は四捨五入するので、出来栄え点は-0.42。
基礎点4.24+出来栄え点-0.42=3.82点がそのジャンプの得点になります。

その時にジャッジがつける評価にもよりますが、見た目は成功ジャンプなのに、悲しい得点になってしまうんです。


〇ダウングレード

1/2以上の回転不足はダウングレード、つまり一回転少ないジャンプ扱いになります。
選手にとってこんなコワイ事はない!

例えば3ループに挑んで着氷も決めた!と思ったらダウングレード判定!だった場合。

3ループ4.9点のはずが、2ループ1.7点に!
これは痛い!
回転が足りていて転倒した場合の3ループの得点は基礎点4.9点の半分で2.45点。
転倒の場合よりダウングレードの方が低い点数になってしまうんですから。
しかもGOEでもマイナス評価となるので、ジャッジの採点次第では1点にもならない可能性も。ヒドイ!選手が可哀想過ぎます。






●エッジエラーによる減点

アクセルを除く5種類のジャンプの中で基礎点の高いナンバー1と2がルッツとフリップ。
基礎点が高いイコール難易度が高い。そして、ルッツとフリップの難易度の高さはエッジの使い分けによる所が大きいようです。


ルッツとフリップはいずれも右足のトゥ(爪先)を突いて、左足で踏みきるジャンプ。
その左足の、外側のエッジを使って踏みきるのがルッツ、内側のエッジを使うのがフリップです。


しかし、このエッジの使い分けが難しい、らしい。


日本の女子だと宮原、樋口両選手、フリップのエッジエラーを取られる事、結構多いと思います。
宮原選手は以前はSP(ショートプログラム)の単独ジャンプをフリップにしていましたが、最近はループに変えています。フリップのエッジエラー対策だと思います。ループはフリップより基礎点が0.4低いだけなので、エッジエラーのリスクがあるフリップを避けた賢い戦略だと思います。

真央ちゃんも現役時代悩まされてた印象。エッジエラーを厳しく取られるようにルールが変わってから、一時期ルッツを封印していた記憶が・・・。違ったっけ?
あくまで私の印象ですが、代名詞の3アクセルに比べてルッツとフリップは何だかこわごわ跳んでた感じ。ジャンプを跳ぶ前に一度加速するんだけど、直前にスーっとスピードが落ちて恐る恐るといった感じでジャンプするので、勢いのない小さいジャンプになり、回転不足をよく取られてました。GOEも低かった。よく抜けてたし(「抜ける」とは、例えば3回転を跳ぶつもりが1回転や2回転になってしまう事。パンクするという言い方もあるそうです)。


でも、選手がデリケートになるのも当然。
だってエッジエラーもジャンプのアンダーローテーションと同じく基礎点が8割、GOEがマイナス評価になってしまうから。



ちなみに、ルッツの基礎点がフリップと比べてもグンと高いのは、エッジエラーのリスクだけでなく、ジャンプそのものの難しさもあるらしい。助走の軌道とは逆方向に回転するから、だそうです。私はルッツの助走はまっすぐだと思いこんでいるので、今一つピンと来ない、と言うか意味がよくわからないです。これについては更なる勉強が必要そうです。




初心者ならではの「わかりやすく簡潔な説明」を目指して書き始めましたが、やっぱり分かりづらい解説になってしまったかも。



続きは何とか世界選手権までに書き上げたい!
・・・間に合うかな?



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