世界選手権が始まる前に書きたかったのに、シーズンが終わってしまった・・・そして来シーズン、ルール変更があるらしいので、今更書いても無駄になる部分があるかもしれませんが。
途中止めは気持ち悪いので書き上げちゃいます。
※私は「初心者に毛が生えた」程度のフィギュアファンなので、持ってる知識は不十分で曖昧です。でも、いちいち調べて確認してから書いているといつまでも書き終われそうにないので、ここでは「今現在、自分がこう理解している、こう記憶している」ものをベースに書いていきたいと思います。内容が不正確だったり記憶違い、勘違いしてるものを含んでいるかもしれませんので、その前提でお読みいただければ助かります。
「フィギュア観るの好きだけど、ルールとかはわからない、わざわざ詳しく調べるほどでもない」という方に、ザックリ大体こんな雰囲気、というのが伝わればいいな、という程度のものですのであしからず。
※2019.3.27
今シーズンのルール変更を受けて追記、そのついでにわかりにくかった文章を修正しました。
※2021.4.20 ルールや基礎点の変更に追いついてなかったので、2021.4現在のものに修正しました。
●コンビネーションジャンプの得点
基本中の基本を書き忘れてました。
一つ一つのジャンプには、回転数と種類に応じて基礎点が決まっている、というのをその1で説明しましたが、コンビネーションジャンプについての説明が抜けていました。
2連続、3連続ジャンプの場合の基礎点は、単純に跳んだジャンプの基礎点を足したものになります。
例えば
3フリップ-3トゥループなら、3フリップの基礎点5.3と3トゥループの基礎点4.2を足した9.5点
3ルッツ-2トゥループ-2ループなら、
3ルッツ5.9点+2トゥループ1.3点+2ループ1.7点
=8.9点
となります。
コンビネーションジャンプは難しいからといってボーナス点のようなものが貰えるという事はありません。貰えてもいいのにな、と素人考えでは思うのですが、それを実際にやるとなると点数計算がややこしくなるかもしれないので、今のルールでいいのかも。
コンビネーションジャンプとは別に、シークエンスというのもあります。
コンビネーションジャンプが、一つ目のジャンプを着地して、その足ですぐ次のジャンプを跳ぶのに対して、一つ目のジャンプを着地してから、もう一度勢いをつけ直して次のジャンプを跳ぶのがシークエンス、と私は理解しています。正式な定義は勉強不足で把握してません。
個人的には、女子の場合、2アクセル-2アクセルのシークエンスが一番ポピュラーな印象があります。
シークエンスをプログラムに取り入れてる選手が少ないのと、コンビネーションジャンプに比べて地味な印象があるせいか、私はあまりシークエンスは好きじゃないです。何だか技として中途半端で見応えがない。
(※シークエンスの得点については、基礎点が8割になる、というのをどこかで見たくらいでスルーしてたのですが、2018ー2019シーズン、羽生選手がFSで4トゥループー3アクセルという非常識😺なシークエンスを取り入れた事をきっかけに勉強しました。
4トゥループの基礎点 9.5
3アクセルの基礎点 8.0
4トゥループー3アクセルのシークエンスの得点は、9.5+8.0=17.5、その8割で14.0点。ちなみに、羽生選手は、この掟破り😺なシークエンスをプログラム後半、最後から3本の内の1本として跳んでいるので1.1倍の15.4点の基礎点になります。
前にも書きましたが、単独で跳ぶのも難しい4回転ジャンプと3アクセルを、わざわざより難しいシークエンスにして跳んで、それなのに得点が8割になるって、筋が通らないと言うか、もったいないと言うか、意味不明と言うか・・・)
●後半のジャンプは1割増❤
SP(ショートプログラム)、FS(フリースケーティング)共に、後半のジャンプは基礎点が1.1倍になります。
(※2018ー2019シーズンより、1.1倍になる後半のジャンプは、SPが最後の1本、FSが最後の3本と限定されるようになりました)
これは、体力的に厳しくなる後半のジャンプに対するボーナスみたいなもの、です。
ただし、1.1倍になるのはあくまで基礎点だけで、GOEは1.1倍にはなりません。
例えば、3アクセルを跳びGOE平均が3だった場合。
出来栄え点は、GOE3=基礎点の3割=8.0×0.3の計算で2.4。
前半に跳んだ 3アクセルでは、
8.0+2.4=10.4点
後半に跳んだ 3アクセルでは、
8.8(基礎点1.1倍)+2.4=11.2点
このルールを最大限に活かして先日の五輪で金メダルを獲ったのが、ロシアのアリーナ・ザギトワ選手。今シーズン、シニアデビューしたばかりの新星です。シーズン前までは、同じくロシアの不動の女王エフゲニア・メドベデワが金メダル間違いなし、と言われていたのに。
やはり、ザギトワ選手がジャンプをプログラム後半に全て跳んだ事が勝敗を分けた、と言えるかも。
ザギトワ選手とメドベデワ選手のFSの得点はピッタリ同じでした。SPの得点差1.31がそのまま総合得点(SPとFSの得点合計)の差となり、ザギトワ選手の金メダルとなったわけです。
メドベちゃんのFSのジャンプは前半2本、後半5本でした。
前半の2本、3フリップ-3トゥループ(基礎点9.6、当時)と3ルッツ(基礎点6.0、当時)の合計15.6点、これを後半に跳んでいたらFSの得点は1.56上乗せされる事になります。
つまり、もしメドベちゃんがザギトワ選手と同じ様にFSのジャンプを全て後半に跳んでいたら、メドベちゃんが逆転優勝していたわけです。
FSで後半に全てのジャンプを跳ぶのがどれくらいハードなのかは、選手でないとわからないと思います。
素人考えでは、同じ10代なんだからメドベちゃんにも出来そう、と思ってしまいますが。どうなんでしょう?
ただ、メドベちゃんは技術的な所だけでなく曲の世界を表現する事にも力を入れてそこを強みにしようとしている感じなので、プログラム全体のバランスなども考えて、後半ジャンプ固め跳びは「出来るけどやらない」のかも?
いやいや、やっぱフィギュアでは、その2歳3歳の差が大きい、と言われてるので(体型がぐっと女性らしく変化する15歳あたりからは特に)、メドベちゃんの年齢ではキツいのか?
個人的には後半固め跳びは好きではないので、ザギちゃん方式は定着しないで欲しい。
もちろん、現行ルールの範囲内で最大限に点を稼ぐザギちゃんチームの戦略、ザギちゃんのスタミナ・技術、そのための努力は尊重しますが。
書き始めてからしばらく放置している内に、「どうやら来シーズン、後半ジャンプの回数制限を新しくルールに盛り込むらしい」という情報が。
ザギちゃんの金メダル、そのプログラムに対するアメリカのアシュリー・ワグナー選手の発言など、かなり話題になりましたからね。
国際スケート連盟としても対応せざるを得なかったのでしょうか。
フィギュアの採点ルール、ジャッジ等に関しては、ファンや関係者の間で常に議論の的となってきました。こういう事はフィギュアに限らず採点競技にとって永遠の課題ですね。
おそらく、これからもずっと議論は続いていくでしょう。「これでカンペキ!」と全ての人が納得するルールはあり得ないと思います。
そもそもスケート連盟そのものに問題がある、と思ってるファンも多いです。私もそう思ってます。
ジャッジの買収疑惑や不正ジャッジ疑惑に至っては枚挙に暇がありません。
それでも、動機はともかく、ルールへの批判や意見に耳を傾けて応えていこうという姿勢は、充分とは言えなくともある程度見せているとは思います。
それは、もしかしたら単に自分達への批判をかわしたい、或いはファンに呆れられ逃げられると自分達の収入に関わる、というような保身・欲得から来るものかもしれません。
或いはもっと純粋に、フィギュアスケートへの愛、競技として更なる発展を願って、かもしれません。
極端な話、動機は何でもいいです。
大切なのは結果だと思います。
少なくとも、居直ってファンや関係者の声をガン無視しないだけ、まだ救いがある。
少しずつでも、毎シーズン改善(残念なことに改悪になってる場合もありますが)を重ねる、その姿勢を見せている所は素直に受け止めていいんじゃないか、とファンの一人として思います。
だから、せっかくフィギュアに興味を持ち始めたのに、「フィギュアって八百長くさい!おかしい採点が多くてなんか冷める!」と遠ざかってしまう人がいるのがとてもとても残念で、それが初心者の分際で生意気にも採点ルール解説を書こうと思ったきっかけでした。
フィギュアの採点ルールに関しては、今更私ごときが書かなくても、コアなファンのフロガーさんたちが正確かつ詳細な解説を書いておられます。wikiもあるし。
ただ、正確で詳細ゆえに、全く予備知識がない人には理解するのにハードルがちょっと高いかも?
もしかしたら私みたいな初心者だからこそ、分かりやすく咀嚼して伝えられるかも、伝えられたらいいな。
そう思ったのもきっかけの一つです。
でも結局咀嚼し過ぎて、雑であやふやなだけで大して分かりやすくもない、中途半端な解説になってしまいました💦
ただ、書くことで自分自身頭の整理が出来たり、ルールの勉強をいくらか進める事が出来て、そういう意味では無駄ではなかったと思っています。
本当はステップやスピンについても解説してみたかったのですが、まだまだ知識不足で・・・。
次のシーズンが本格的に始まるまでまだ4カ月以上ありますので、それまでに勉強頑張るゾ!