●フィンランド大会
日本からは、男子は羽生、田中刑事、女子は坂本、白岩、本郷、計5人の選手が出場。
〇男子
チェコのベテラン、ブレジナ選手。好調ですね。アメリカ大会で2位に入ったのが自信になってるみたい。ノッてます。連続2位表彰台でファイナル進出決定!ミスが多くて自滅しがちな選手でしたけど、実力はあるので乗らせるとコワいかも。
昨シーズンのジュニア・チャンピオン、アメリカのアレクセイ・クラスノジョン。いかにもやんちゃなヤンキーって感じだなあ、と思ってたら、実はロシア出身で4年前にアメリカに移り、アメリカスケ連に所属して現在はアメリカ代表。国籍はどうなってるんだろう?
ジュニア時代から4ループにチャレンジしていて、羽生選手が「4ループを最初に公式戦で跳んだ」と認めてる選手らしいです。ただ、ルール上4ループと認められはしたものの質的に成功とは見なされず、公式には羽生選手が「4ループを公式戦で成功させた」選手としてギネスに認定されたみたいです。今シーズンは封印してる?
3フリップー3ループ(ジュニア時代は3ルッツー3ループ)という、他の選手があまりやらない難しいコンビネーションを積極的にプログラムに取り入れ、闘志ムキ出しタイプの選手。まだまだ力まかせの演技で粗さが目立ちますが、経験を積めばグングン伸びてくるかも。
田中刑事選手はイマイチ元気がないですね。どうした?
そう言えば、コリヤダも今シーズンはパッとしない。ロシアは女子とは裏腹に男子は低調ですね。ロシアはソチ五輪の招致&決定前後くらいから、国をあげてフィギュアに力を入れてきてる感じですが、男子の方はあんまり・・・ですよね。人数的には他の国より充実の顔ぶれだとは思いますが、小粒な選手が多くてガーン!と飛び抜けた選手がいない。
羽生選手はフリーでジャンプミスが複数あったものの、気合いの入った演技で優勝。強い!強すぎる!!
ショートは「秋によせて」、フリーは「Origin」。それぞれ、子供の頃から憧れの選手だったジョニー・ウィアー、プルシェンコが演じた曲をべースにしたプログラム。そう言われてみれば、うっすら覚えのあるメロディのような気もします。
ショートはほぼほぼノーミス。3アクセルの軸がいつもより若干傾いていて、着地が若干前のめりぎみになったのと、4トゥループー3トゥループのセカンドジャンプの着地がオーバーターンぎみになった以外は、いつも通り流れのある美しい演技でした。
スピンは3本ともレベル4、ステップだけがレベル3でした。どこが足りなかったんだろう。羽生選手レベルでも、たまにステップのレベルを取りこぼす事があるのが不思議。私には素晴らしいステップに見えるんですが。
最初のポーズと最後のポーズが同じで、顔の向きだけ逆、というのも印象的です。
フリーのプログラムはプルシェンコの「ニジンスキーに捧ぐ」がべース。タイトルの「Origin」は原点回帰という意味合いらしいです。
今シーズンは4ルッツを加えてくるのかな?と思ってましたが、今のところはまだ。シーズン後半狙ってくるのでしょうか?
その代わり、4トゥループー3アクセルという、これまで誰も挑んだ事がない物凄い組み合わせのシークエンスを仕込んできました!よくこんなの思いついたな、思いついたとしても本当にやろうとよく思ったな、と感心します。
だってだって、2つ目が3アクセルですよ!しっかり助走を取って単独で跳ぶのも難しいジャンプですよ!男子のトップレベルの選手でも、アクセル苦手な選手は集中して構えて構えてやっと成功できるジャンプですよ!!得意な選手でも本番ではそこそこミス率高いジャンプですよ!!!
そんな難しいジャンプを、4回転跳んで右足で着地して、そこからすぐ「助走無しで!」左足で踏みきって跳ぶんですよ!言葉悪いですけど、もう人類の枠を超えていると言うのか何と言うのか・・・
お~い!羽生選手、どこまで行くねん!
・・・一人で先に先に行きすぎです。
こんな異次元の世界に行ってしまった羽生選手に、こんな事言うのが無粋なのは百も承知であえて問う。
「スゴい事やってる割に、得点的に報われなくない?」
だってだって、基礎点14.00(後半1.1倍で15.40)なんですよ。
4トゥループの基礎点が9.50、3アクセルが8.00、別々に跳べば17.50です。一つずつ単独で跳ぶ方がはるかに簡単なはずです。いや、きっと絶対簡単です。それをわざわざ難しい跳び方をして、しかも基礎点が少なくなるって、こんなオカシな話ってあります?あっていいんですか?
普通シークエンスって言うと、1つ目のジャンプを跳んで、そこから少し勢いつけ直して次を跳んでませんでした?それなら1足す1が2以下になっても納得出来るのですが、羽生選手のこのシークエンスは間に勢いつけ直し無しで跳んでる、事実上シークエンスと言うより普通のコンビネーションジャンプと同等だと思います。本当ならボーナス点みたいなものが欲しいくらいですが、最低でも普通に2つの基礎点を足した点数は頂きたい!私が跳んだわけじゃないですけど。なんか納得いかない。
まあ、羽生選手はわかっていて、その上であえてこのシークエンスにチャレンジしてきてるわけで、得点云々じゃなく自分自身への挑戦か何か、私ごときにはわからない拘りがあっての事なんだろうとは思いますが。
でもでも、しつこいようですけど、これ、なんとかならないですかね?
シークエンスじゃなく、せめて普通のコンビネーション扱いにならないですかね?
〇女子
羽生選手と同じ五輪金メダリスト、ザギトワ登場!
今シーズンは(今シーズンだけじゃないかもだけど)アサインが偏りすぎてないですか?羽生、ザギトワはロシア大会にも揃って出場してますよね。なんだか裏で何かの思惑、力が働いてるんですかね?今、多分、ロシアスケ連ってフィギュア界で強い発言力を持ってそう。フィンランド大会も元々は中国大会の予定だったし。なんか、なんか、それぞれの国のスケ連の政治力の差が、差が・・・と、ゲスの勘ぐり極み乙女の私はいろいろ妄想しまくってます。
新女王ザギトワ、ショートは「オペラ座の怪人」。いきなりジャンプミスから始まりました。元々難しいコンビネーションなんだし、女王だってたまにはミスもするさ。ミスによって10点くらい得点を取り損ねましたが、それでも70点近い得点。さすがです。
エテリコーチは「試合で120%の力を出すために、150%の練習をする」という厳しい指導理念を持ってるらしく、ザギちゃんはナント、3ルッツー3ループー3ループー3ループという4連続を練習で跳んでる!映像で見たけどスゴい安定感でした。確かに練習であんなの跳んでたら、2連続ジャンプも他の選手ほど難しく感じなくて済むかもしれないですね。
アメリカ大会で2位の坂本選手は、ファイナル進出がかかってたせいか、やはりいきなりジャンプミスからスタート。コンビネーションの予定が転倒してしまったので、最後の3ループに3トゥループをつけてリカバリーを狙ってきました。残念ながら、3トゥループの着地で2度目の転倒となってしまいましたが、安全策の2トゥループではなく、3トゥループにチャレンジしてきた積極性が好き。
フリーでは、ショートのミスから見事に気持ちを切り替えて美しいプログラムを滑りきりました。コレオシークエンスのスパイラルでバランスを崩しブレードをつかみ損ねた以外は、全体的にアメリカ大会より加点を多くもらっていたみたいです。結果、スパイラルのミスがあっても、前回より2点ほど下がっただけで140点台に乗せてきました。
ショートで、あくまで3トゥループでリカバリーを狙っていった攻めの姿勢がフリーに繋がったのかな?
諦めず、腐らずベストを尽くした結果、アメリカ大会2位とフィンランド大会3位という成績で、他の選手の結果待ち。まさしく人事を尽くして天命を待つ、でした。そして、天は坂本選手に微笑みました。ファイナル進出決定、おめでとう!
ファイナルでまたあの「ピアノ・レッスン」が観られる!ありがとう!
元気でスピード感があって、ゴムまりが跳ねるみたいな印象の白岩選手。ショートでは、女子でただ一人ジャンプをノーミスで決め、ザギトワに次ぐ2位。ただ63.77で2位というのは・・・。組み合わせの運も実力の内、なのかもしれないですけど、やっぱちょっと偏りすぎじゃないですか?ジャッジが違うので一概に比べられないのはわかってますが、次のNHK杯だったら7位相当の得点ですよ。ある程度は仕方ないにしても、あまり不公平すぎると興が削がれます。ブーブー👎
フリーも大きなミスは無し。ただし、回転不足を取られて130点には届きませんでした。135点位は取れるポテンシャルのある選手だと思うので、そこは残念。
当初、グランプリシリーズはフィンランド大会だけの予定でしたが、樋口選手の欠場によりロシア大会にも出場。白岩選手には経験を積むいいチャンスになったと思います。
本郷選手はなかなかトンネルから抜け出せないですね。下の世代の選手がどんどん伸びてきてるのでここが正念場。このまま終わってほしくない。
日本フィギュア界はレベルが高いので、日本の選手は本当に大変ですよね。日本のフィギュアファンには嬉しい悩み(?)ですが。