女子FS
宮原
今はまだ見返すのがしんどい。それくらいジャンプミスが続きました。
でも、多分内心は相当挫けてたと思うのに、諦めたり投げやりになったりする気配を露ほども見せず、最後の最後まで全力を尽くした姿には拍手を送りたい。
演技後は、無観客で関係者のみの会場から拍手と喝采が。同情や励ましなどではなく、素直な称賛の気持ちから自然と沸き上がったように思えました。最後まで全力を尽くす、口で言うのは簡単だけど、実際にやり遂げるのは容易な事ではないと思う。私なんかのような素人の何倍も、会場に居た関係者はその難しさをよくわかってたはず。
全日本で満点評価のステップは1.17の加点。GOE平均が3だったという事になりますね。全日本の満点は過大評価、今回の3は過小評価だと思いました。
トゥルソワ
やっぱり曲の構成が変、終わり方も変。ロミオとジュリエットのストーリーとは関係なく、曲の印象だけで振り付けたのかな?衣装は、黒と紅っぽいピンクの組合せで大人っぽくて、割と私の好み。背中がちょいセクシー。衣装のせいか、SPの時みたいに後ろ姿がゴツく見えなかった。むしろ、背中綺麗〜と思った。無駄な肉が付いてなくて引き締まってて、なのに女性らしいしなやかさが感じられて。やっぱり衣装って大事。
ただ、曲の構成の印象同様、ジュリエットのイメージじゃないと思う。元々のストーリーには拘らないというコンセプトなのかな?
SPの 3フリップに続いて4フリップにも!が。SPの時には映像の角度的に私にはそうは見えなかったのだけど、今回は真後ろから捉えてたのではっきりエラーとわかりました。それもフラットと言うより、どちらかと言うとアウト気味。eを付けられてもおかしくなかったかも。
SP出遅れた事もあって、4回転MAXにぶっ込んできましたね。私は、ミス率高いサルコウは回避して4本かな?と予想してたんですが、兄貴は逃げなかった!後半の2本はさすがに回りきれなくてミスになったけど、ぺース配分?なにそれ!?と言わんばかりのチャレンジ、その心意気が好きだわ。
あ、そう言えば3連続のサルコウにqが付いてたけど、私にはギリ足りてるように見えた。もっともループとサルコウは起点が分かりにくくて、トゥ系のジャンプ以上に見極めに自信がないんだけど。
あと、トゥルソワもプレロテのルール変更がもしあったらあおりを喰う1人。でも、トゥルソワはちょっとずつでも修正しようとしてるような気がする。ルッツのエッジも、シニアに上がるのに合わせて少し修正してたように思うし。
もはやアウトエッジでルッツを跳ぶ気は全くなさそうなシェルバコワは、五輪で金メダル取ったらとりあえず目標達成で、その後続けるかどうかは状況次第、気分次第、一方トゥルソワは出来る限り長く競技を続けるつもり、と心構えが違うような気がしてる。それがジャンプ(特にルッツ)の踏み切りに端的に現れてるのではないかと想像してみたりしている。
トゥルソワが今シーズン、フリップのエラーを取られるようになってるのも、プレロテをちょっとでも減らすために踏み切り方を変えてきてるからなのかな?って気もしてる。昨シーズンのと見比べてちょっと違うように思ったので。そういう目で見てるから、そう見えるだけなのかもしれない。
ミクティナ
オーストリア女王。知らない選手だった。エストニアのキーバス、カナダのシーザスと、これまで知らなかったけど、優秀な選手が世界にはまだまだたくさんいるんだね。
一生懸命身体を大きく使って、一生懸命スピードを出して滑ろう感が出てて、まだまだ未熟で粗い感じはする。でも、こういう選手が1年2年すると急成長して、突然上位に顔を出してきたりするからフィギュアは面白い。
ヘンドリクス
その、突然上位に食い込んできた選手のいい見本、ヘンドリクス。
このプログラム好き。いいわ〜。ホント好き。何回でも観られる。何回でもリプレイしたい。
曲の構成がいい。これ、ビヨンセの曲なんだね。全く知らなかった、聴いた事ない曲だった。最初、中東あたりの歌手の曲かと思った。最後の、コレオからスピンにかけての曲調がなんかエキゾチックだったので。
そして、曲に合った演技構成がいい。多分、この曲とこの振り付け、ヘンドリクスのスケートに合ってるんだと思う。リズム、テンポだったり、振り付けの流れだったりが。ヘンドリクスにとっては無理して頑張らなくても自然に気持ちよく滑られるプログラムなんじゃないかな。
選手によって、ジャンプやスピンに難易度とは関係なく得意不得意がいろいろあるように、それぞれの選手にとって滑りやすい、心地いいテンポや流れというのがあるんだと思う。このプログラムは、振り付け師さんがあらかじめヘンドリクスのスケートをよく研究してそれに合わせて振り付けたのか、それとも出来たものをやってみたらたまたま凄く合ってたってパターンなんだろうか?
それにしても、ヘンドリクスの存在はもう何年も前から認識してて、演技もずっと見てたはずなのに全く印象に残ってない。このFS観て、今までなんでこんな魅力的な選手を見逃してたんだろう、と改めて自分にガッカリした。
シーザス
手や腕の使い方が時々ちょっとコストルナヤに似てる?ほんの時々ね。
スケーティングは、ジャンプやスピンの回転が逆なのでコストナーを連想してしまった。同じ逆回転なのに、ワグナーやオズモンドのジャンプには違和感、コストナーとシーザスには感じないのはナゼなんだろう?
イ・ヘイン
ブラック・スワン、毎年多いな。元々の白鳥の湖がバレエ音楽な上に、心の闇だの何だのとドラマチックな要素が加わってるから、フィギュアのプログラムとして使いやすい題材なのかな。
所々出てくる、独創的な面白い振り付けが印象的。冒頭の首振る動きは、鳥類特有の首の動きを表現してるのかな?ステップでもやたら羽ばたいてたし、コレオの所では、面白い姿勢のスパイラルが入ってたし。鳥感を醸し出そうという工夫なのかな?本当の意図はどうかわからないし、私が抱いた印象が振り付けの狙い通りかどうかもわかりませんが、インパクトという点では成功。
テネル
調子がイマイチでミスが多かったせいかもしれないけど、あまり好きなプログラムじゃない。ノーミスで滑ったらまた印象変わるかな?
坂本
いつまでも未練がましいことは言いたくないけど、やっぱり見返すたびに130点台の演技じゃないよなあ、と思ってしまう。この滑りでどうしてPCS70点出ないのか。
カレン・チェン
いつまでも未練がましいことは言いたくないけど、やっぱり見返すたびに130点台の演技じゃないよなあ、と思ってしまう。この滑りでどうして134点出るのか。
あ、1つ訂正。前に、後半のルッツがどこからどう見ても<に見える、と書いたのですが、今見直したらqの判断でもおかしくないかもしれない、と思い直しました。この辺の見極めはホント難しい。やっぱり回転不足とエッジだけは機械判定導入すべきだと思う。
プレロテフルブレが溢れている中で見ると、カレン・チェンのジャンプがメチャクチャクリーンに見える。
あと、演技後頭を抱えてたのと、得点が出た時にちょっと首を捻ってそれから軽く頷いていたのがどういう意味だったのか、ちょっとだけ気になってます。
①頭を抱える→ああ、神様、やったわ!私ノーミスで滑り切ったわ!
得点を見て少し首を捻ってからウンウンと頷く→あれ?思ったより点が低いわね。あ、SPと違って回転不足を取られたのかもしれないわね、まあ、それならこんなもんかしら?
②頭を抱える→ああ、神様、やっちゃった!また回転不足が幾つか出ちゃったわ。
得点を見て少し首を捻ってからウンウンと頷く→あれ?思ったより点が出たわね。SP同様見逃して貰えたのかしら?まあ、貰えるもんなら貰っときましょう。
どっちだったのかな?
トゥクタミシェワ
何回見ても、姐さんの涙にグッと来る。
紀平
見返すのしんどいパート2。シニアになってここまで崩れた事あったっけ?もパート2。それでも最後まで投げやりにならずに頑張ったのもパート2。反省点もたくさんあっただろうけど、宮原選手も紀平選手もそこは立派だと思う。見習いたい。
ところで、ステップに1を付けてるJ6って何だ?ツイズルをミスったように見えた所があったから、それでかな?ミスなのか、そういう振り付けなのか、はっきりはわからないけど。
このプログラム、紀平選手に合ってないような気がする。曲と言うより振り付けが合ってないのかな?全日本の時ほどじゃないけど、ステップの所なんか特にぎこちなくて無理して動いてる感がある。
シェルバコワ
優勝については異議はない。必ずしも調子が良かったわけではないのに、4回転を1本入れたのにも、最後のリカバリーでセカンドループを跳んだのにも、ロシア女王としてのプライドを感じたし、勇敢だったと思う。
でも、やっぱり得点は相変わらず高すぎるなーと思う。稚拙な踏み切りを別にしても。
2A 加点1.04→0.33〜0.83くらい
拙い着氷なのでこれくらいでいいのでは?
FCCOSp4 加点1.40→0.35〜1.05くらい
GOEの平均が4という数字がプラス面のみの評価として妥当だと仮定しても、軸の流れは-1〜-3。ジャッジは引き算出来ないのかな?それとも、演技を見てなかったのかな?見てたのは2を付けたJ7だけなのかな?5を付けたJ4とJ8は、選手に失礼だから居眠りしてないでちゃんと仕事をするべき。もし、見てたのに5を付けたなら、眼科に行く事をお勧めします。
3Lz 加点1.26→-0.59〜+0.59くらい
不明確な踏み切りエッジ&稚拙な着氷は減点対象のはずですが。
それでも、ふらついたフライングキャメルスピンに加点ゼロだった分、もっとよろけたのに加点が付いたネイサンの得点よりはマシか。