世界フィギュア なんだかモヤモヤしたので羽生選手のSPを自己流採点してみたら
フィギュア世界選手権 女子シングル予想
わかってます。
こういう予想は無粋だって事。
わかってるんです。
試合はやってみなきゃ分からない、だからこそ面白い。
でもやっぱり予想してみたい!
・・・願望込みで。
女子のみです。
①シェルバコワ
SP 78.5 FS 160.0 TOT 238.5
②トゥルソワ
SP 73.0 FS 162.5 TOT 235.5
③紀平
SP 79.0 FS 155.0 TOT 234.0
④坂本
SP 77.5 FS 150.0 TOT 227.5
⑤テネル
SP 76.0 FS 146.0 TOT 222.0
⑥トゥクタミシェワ
SP 78.0 FS 142.5 TOT 220.5
⑦宮原
SP 72.5 FS 140.0 TOT 212.5
⑧イ
SP 73.0 FS 137.5 TOT 210.5
⑨チェン
SP 69.0 FS 134.0 TOT 203.0
⑩リャボワ
SP 67.0 FS 132.5 TOT 199.5
今シーズンの滑りをあまり多く見られてないので、昨シーズンまでと最近の報道を通しての印象で予想。よって、相当いい加減かつ自国選手贔屓丸出しの予想になってます。
シェルバコワとトゥルソワのワンツーフィニッシュに関しては、ほぼ決定かな?と。よほど目立つミスを連発しない限り、GOEとPCSの大盤振る舞いでめでたく表彰台の上、というシナリオになると思う。
なにせ、今のフィギュア界におけるロシアスケ連、エテリチームの権力は絶大だと私は妄想してるので。
(この妄想が外れる事を祈る)
今シーズンに向けてのルール改正も、一時出てきたプレロテに関するもの、ルッツ、フリップ、ループの基礎点を同じにする案、どちらも撤回されたし。これ、どちらも、多くのロシア選手、特にエテリガールズにとって不利な案だったはず。
昨シーズンには、中国大会でルッツのエッジにチェックをつけられまくった後のファイナルで、同じ跳び方をしてるのに全くノーマークで加点ガンガン貰ったシェルバコワの例もあり。おそらくは、中国大会の後ロシア側からISUに相当な圧力又は恫喝があったものと思われ(完全に妄想ですが、結構当たってる気がする)。
エッジエラー取られまくったら、次の試合では意識し過ぎてジャンプが乱れる選手も多いのに、全く修正する気配もなく堂々と同じ跳び方でルッツ連発するシェルバコワの図太さには驚いた。うちのボスがしっかりISUをシメてくれたから大丈夫!という確信でもあったのかしらん?
その点、つまり、スケ連の政治力という点で、日本選手は2019年同様不利な戦いを強いられると思う。シェルバコワ、トゥルソワとは逆に、限りなくノーミスに近い演技をしないと表彰台には上がれないと思う。
願望込みで紀平選手を3位にしたけど、これは大きなミスが無い事が前提。回転不足や着氷の乱れなら合わせて2回まで。転倒が 1回でもあれば、待ってました!とばかりにPCSをグッと下げられかねない。
紀平選手について気になるのは、シニアデビューした年に比べてトリプルアクセルの精度が上がり、先日の全日本では遂に4サルコウを綺麗に着氷するなど、着実に進化してるはずなのに、得点だけ見るとずっと150点台前半から半ばと足踏み状態。
昨シーズンは、足首の痛みがあって終盤近くまでルッツを入れられなかった、と原因が明確だったけれど、先日の全日本では4サルコウに大きな加点が付いたにもかかわらず155どまり。
もちろん、これでも十分に高い得点ではあるけれど。150点台を安定して出してる事がそもそも凄い事なんだけれど。トリプルアクセルが回転不足だったのでイマイチ点が伸び悩んだから仕方ないんだけれど。わかってるんだけど、やっぱり欲張ってしまう。
昨シーズンは、3フリップ3トゥループで転倒、回転不足などミスが多かった。トリプルアクセルの安定感が増した分が、それで相殺されてしまった印象。
元々紀平選手のジャンプはあまり高さがなく、回転の速さでなんとか回りきる宮原選手タイプという感じだった。
今年、全日本を見て、ジャンプの跳び方ちょっと変えた?と思った。前よりもスピードに乗って跳んで、着氷後もスケートがスムーズに流れてるように見えた。昨シーズンまではドンと落ちるような降り方だったのが、今シーズンはもっと滑らかに着氷してるように見える。と言うより、踏み切りから着氷まで助走のスピードを殺さずに一つの流れになってるように思える。気のせいかな?
坂本選手は、継続のマトリックスがどれくらいの得点を叩き出すのか、PCSが全日本と同じくらい出るのか、そこが楽しみ。
今シーズンは昨シーズンから一転して安定してる上、スケーティングがよりパワフルになってて貫禄を感じる。上の3人の誰かがミスを連発した場合、坂本選手が台乗りする可能性は十分にある。
坂本選手までの上位4人は、4人の中で順位の入れ替わりはあっても、4位以上は固いと思う。
上位4人に続くグループが、テネル、トゥクタミシェワ、宮原選手。いずれも5位に来る可能性とミスを重ねて下位に沈む可能性と両方あると思う。
その中ではテネルが一番安定してるかな?と思う。回転不足を取られる事はあっても転倒などの大きいミスが少ない。全米女王に返り咲いて気持ち的には乗ってると思うし、年々洗練されてきててPCSも更に高い得点が出そう。
トゥクタミシェワはトリプルアクセルの成功失敗よりもプログラムとの相性次第かな?という印象。なんとなくSPでトリプルアクセル成功させて上位発進、FSで細かいミスが複数出て順位を落とす予感が。もしかしたら逆にSP出遅れFSでまくるかも。いずれにしても両方揃える可能性は低い気がする。
宮原選手は相変わらずジャンプで苦戦している。回転不足をどのくらい取られるか。跳び急ぐクセ、軸が傾いて前傾ぎみに降りてくるクセがどれくらい出てしまうのか。ミス・パーフェクトと呼ばれてた事もあったのに、ここ数年はジャンプ跳ぶ度にドキドキハラハラする。
8位以下はよくわかりません。更に適当です。
イ・ヘインはジュニア時代の滑りを見て、大人びてるし安定感があるなと思ったので一応8位にしました。
が、ジュニア時代に好成績を出してたのに、シニアに上がった途端パッとしなくなる選手も多いのでやっぱりよくわかりません。
カレン・チェンも宮原選手同様回転不足が・・・。
10位はリャボワにしましたが、ヘンドリックス、パガニーニ、ショット、キムあたりの選手が来る可能性も。
結論
勝負の行方はやっぱりわからないけど。
日本選手頑張れ!
フィギュア四大陸選手権 振り返り 女子フリー
ショートで慣らされてしまったので、回転不足見逃しは、酷いものじゃない限りスルーします。
○女子フリースケーティング
キム・イェリム 134.66 TES 70.32 PCS 64.34
SP 68.10 Total 202.76
3Lz3T 2A3T 3F 3Lo
2A 3Lz 3S2T2Lo
ショートでは気づかなかったけど、イェリム選手もルッツが過度のプレロテでは・・・?次の2アクセルからのコンビネーションは綺麗でした。2つ目のトゥループの回転が速くてキレが良かった。ただ加点1.47は盛りすぎ。
フリップのエッジに!が、後半の前にのめって着氷したルッツに回転不足が付いてたみたいですね。
フライングキャメルスピンは結構ブレてました。それでもレベル4なんですね。そろそろスピンのレベルについて1回ちゃんと勉強せねば。
後半のジャンプ、ルッツをミスったので、次のサルコウをコンビネーションにしてきっちりリカバリーしました。
技術点、演技構成点は、(今回のジャッジの基準では)妥当だったと思います。
ショート、フリーとも大きなミスなく綺麗にまとめ、一つ一つの要素を見ると良かったと思うんですが、プログラム通して見た時に特に印象に残るものがない。大人しい選曲でオーソドックスな振り付けなので仕方ないかもしれませんが。
アンバー・グレン
125.44 TES 63.03 PCS 63.41 -1
SP 65.39 Total 190.83
3F3T 1A1Eu3S 3Lz 3Lo2T
3Lo 3F 2A
ジャンプの大きなミスが3つ。厳しい出来になってしまいました。
前半の2アクセルがシングルに。ショートで抜けた悪いイメージが残っていたんでしょうか?
後半のループがステップアウト、アクセルで転倒。結局アクセルは、ショート・フリー通して全滅でしたね。苦手なのかな?今回たまたま?もし苦手なんだったらアクセルは1回にすればいいのに。コンビネーションにサルコウを使わずに単独にして、後半のループかフリップに2トゥ2ループをつければいいのに。だいたいコンビネーションを前半で使いきるのももったいないし。
このフリーの出来では、グランプリシリーズだったら120点出なかったかもしれません。今大会に出なかったマライア・ベルや他の選手は損した事になりますね。不公平です。
カレン・チェン 133.78 TES 67.69 PCS 66.09
SP 67.28 Total 201.06
3Lz 2A3T 3F 3Lo
3Lz1Eu3S 2A 3Lo2T
大きなミスはなかったのですが、回転不足やらエッジエラーやら結構引っ掛かってました。他の選手のはかなり見逃してるのに、チェン選手のは普通に取るのね。そうしないと、イェリム選手を上回っちゃうからでしょうか?
確かに、2アクセルが詰まった着氷になったので勢いがなくなり、セカンドのトゥループが明らかな回転不足に、次のフリップも。後半の3連続のサルコウも確実に不足だったとは思います。私にはわからないけど、フリップのエッジエラーもあったんでしょう。でも、そんなに突出してやらかしてました?
取るなら平等に取れや💢💢💢
細かいミスはあっても、見応えのあるフリーだったと思います。壮大な音楽に合った美しい演技でした。特にコレオが良かった。気持ち良さそうにスピードに乗ったスパイラル。綺麗でした。
何より本人が演技後に満足そうだったのが良かった。不調の時期を乗り越えてここまで戻って来れた!って感じで感極まってましたね。それだけにフェアな採点をして欲しかった。
あと、チェン選手には気が強そうというイメージ持ってたんですけど。真っ赤な衣装の印象が強く残ってて。でも、今シーズンのプログラムではエレガントで柔らかい雰囲気を醸し出してて、かなりイメージ変わりました。
イム・ウンス
132.19 TES 65.77 PCS 67.42 -1
SP 68.40 Total 200.59
3Lz2T 3Lo 2A3T 3F
3Lz 3F2T2Lo 2A
これ書いてて初めて気がついたんですけど、サルコウは構成に入れてないんですね。前からだっけ?
ウンス選手のルッツ、入り方もジャンプ自体も割と好きなんですけど、スローで見ると飛ぶ瞬間の体勢が思ったよりスマートじゃなくて、ちょっと面白い感じに見える😺😄
3ループはスゴく綺麗でした。ループはミス率低くていつも大きく加点が付いてるイメージ。基礎点高くてもミス率高いルッツを減らして、ループ2本にした方がいいような気がする。
2アクセル3トゥはトゥループがダウングレードで転倒。
ミスはありましたが、やはりスケーティングと所作の美しさでは韓国選手の中でナンバーワンだと思います。音楽に合わせた雰囲気を出せる点でも。でもこの後、そんなウンス選手を凌ぐ演技構成点を叩き出す韓国選手が登場します。
昨年の世界選手権のトゥルシン以来の唐突かつ奇っ怪なPCS高騰劇が・・・。バブルじゃ、バブルじゃ~!
樋口新葉 134.51 TES 68.43 PCS 67.08 -1
SP 72.95 Total 207.46
3A 3Lz3T 2S 3Lo
2A3T 3F2T2Lo 3Lz
3アクセル惜しかったですね。でも世界選手権前の思いきったチャレンジ、攻めの姿勢は頼もしいです。久々に強気な樋口選手を見た気がする。
サルコウはダブルになったけど、次の3ループは落ち着いて自信を持って跳んでたと思います。ループもよく抜ける印象なので、連鎖的にミスるかとハラハラしてました。
攻めてる時はミスがあっても崩れずに、最後まで集中して行ける、そういう効果があるのかもしれないですね。
ステップ、良かったですねー!いつにも増して力強かったし、頭の動きとか腕、手の使い方とか曲をスゴくよく表現してたと思います。
私、樋口選手のステップ好きなんですよねー。どこがどういう風にって言葉で説明しづらいんですけど。全身の使い方とか足さばきとか・・・。
きっかけは「ラ・カリファ」。あのプログラムのステップ、初めて見た時から好きは好きだったんですけど、どちらかと言うとちょっと時間を置いてからジワジワ来た感じで、今でも時々見返します。「ラ・カリファ」は、私にとってそれまでの樋口選手の「スピードとジャンプ」のイメージが変わるきっかけにもなったプログラムでもあります。
アイスタッツで見ると、樋口選手は突出してリンク全体をバランス良く使い、なおかつ要素もバランス良くいろんな場所で行ってる事がわかりますね。
そういう点も含めて、演技構成点は、少なくともイム選手よりは上じゃないとおかしいと思います。
それから、やっぱり衣装って大事だと改めて思いました。ショートの時とは別人の体型に見えました。
坂本花織 129.72 TES 61.73 PCS 68.99 -1
SP 73.07 Total 202.79
4T 3F 3Lz 3S3T
3Lo2T 2A1T2T 3Lo
行きましたねー!ダウングレードかつ転倒でほとんど点にはなりませんでしたが挑戦した!!頑張った!もちろん回転は全く足りないし、ロシアの4回転ガールズのを見慣れた目で見ると、高さも回転の速さも4回転ジャンプとはとても思えないレベルで、道のりは遠そうだけど。でも、チャレンジしなければ何も始まらない。
坂本選手の4回転は、どちらかと言うと男子のに近いように思いました。男子でああいう跳び方する人結構いません?日本で言うと田中選手とかカナダのサドフスキー❤とか。勢いや回転の速さで跳ぶんじゃなく、なんかヒュルヒュルッと回る感じが。うーん、上手く言えない・・・。
フリップ、またミスになりましたね。昨シーズンまでは得意ジャンプだと思ってたのに、どうしたんだろう。ルッツのエッジエラー取られがちなので、エッジに神経質になってフリップの踏みきりの感覚も狂ってきたとか?わかりませんけど、ちょっとした事で感覚が狂う事があるらしいので。
得意だと思っていたフリップ、ループの、今季の不安定さは気になります。
後半のジャンプ、3連続の2つ目がシングルに、最後の3ループがステップアウト、とバタついてしまいました。
やっぱりこのプログラム、忙しすぎるんじゃないかな?坂本選手、音楽に付いて行くので精一杯って感じで、一つ一つの要素が雑になったりミスしたりするのも仕方ないなって思います。スタミナが続く続かないの問題じゃなく、そもそもがいっぱいいっぱい過ぎる構成、振り付けなんじゃないのかな?このフリー見てると、毎回坂本選手の「ヨイショ!ヨイショ!」って声が聞こえてきそうな気がします。
トータルスコアは202.79。
あれ?イェリム選手とは僅か0.03差で上に。これは・・・。昨シーズンの「日本選手とロシア選手が拮抗した時は必ずロシア選手が上に来る法則」の逆現象なのか・・・?イェリム陣営の、そのぉ、なんと言うか、韓国お得意のロビー活動?的なものが不十分だったのか、日本側が珍しく頑張ったのか、それともそれ以上に珍しい事に、普通に何の意図もなく数字を出した結果なのか?
いやいや、チェン選手の得点の出し方見て、今回の採点は無作為、と信じるほど私は純情じゃないので。ゲスの勘ぐり極み乙女、発動しますよー!
ブレイディ・テネル
147.04 TES 76.17 PCS 70.87
SP 75.93 Total 222.97
3Lz3T 2A 3S 2A
3Lz3T 3F2T2Lo 3Lo
最初のコンビネーションでいきなりミス。緊張してるのかな?どうなるのかな?と思ってたら、その後何事も無かったように落ち着いて質の高いジャンプ、スピン、ステップを揃えました。
スピンはいつも本当に綺麗ですね。特に最後から2つ目のコンビネーションスピン、独創性もあった。暫定では出来映え1.75とMAX付いてましたね。最終的にはちょっと下がってたけど。スピンで確実に高得点を稼げるのもテネル選手の強みですね。最初のジャンプミスの印象、完全に払拭しました。
そんなテネル選手に迫る演技構成点をナゼか唐突に叩き出す摩訶不思議な選手、さあいよいよ登場しますよー!
ユ・ヨン 149.68 TES 79.94 PCS 69.74
SP 73.55 Total 223.23
3A 3Lz3T 3Lo 3Lz1Eu3S
2A3T 3F 2A
3アクセル、フリーは綺麗に決まりました。ただ加点はちょっとサービスしすぎでは?
ルッツはやっぱり流行り(?)のプレロテじゃないのかなあ。それも過度の=稚拙な踏み切りにあたるやつじゃ・・・。
今まで気にしてなかったけど、今季あまりに話題になってるので注意して見るようになったら、あまりに個人差があって驚き。一応ルールはあるのに、ほぼ、と言うか完全にスルーでやったもん勝ちになってる事にもっと驚き。
フィギュアファンの中で、以前から問題提起されてる方結構いらっしゃいましたよね。難しそうな話なので、私はこれまでスルーしてました。反省。ISUは今後どうするのでしょうか?
一応大きなミスなく素晴らしい演技だとは言えると思います。ジャンプだけじゃなくスピンも良かった。ステップは・・・よくわかりませんが、他のトップ選手と比べると突っ立って滑ってる感が強いかなあと。深く明確なエッジでステップ踏まないといけないはずなんですが、靴の角度がフラットでほとんどエッジを使えてないように見えました。上半身の表現も固かったような。
後半の2アクセル3トゥは綺麗でした。トリプル含めてアクセル3本組み込んでるんですね。その分3サルコウをコンビネーションで使って、2トゥ2ループよりも基礎点の高い3連続を組むという戦略ですね。
さて。いよいよ行きますよー!
ゲスの勘ぐり極み乙女、行きまーす!!
出たーーー!調整て・・・もとい、演技構成点・・・、やらかしましたね・・・かなりあからさまにやっちゃいましたね。テネル選手を上回るように数字イジリました感アリアリですねー。
3アクセルのステップアウト以外はミスなくまとめたショートが32.74、一応ミスなし(今大会の基準で)フリーが69.74、そうですか・・・。
ちなみにグランプリシリーズでは、ショートが32.68と30.94、フリーが65.24と63.36でした。前者は表彰台に立ったカナダ大会の数字です。フリーは3アクセルで転倒したものの技術点は75点台出てました。グランプリシリーズの採点が正解と言えるかどうかはわかりませんし、試合ごとに出来栄えが違うし、シーズンが進むにつれ演技構成点が上がっていく事は珍しくありませんが・・・参考までに。
ユ・ヨン選手は決して嫌いな選手じゃなくて、むしろスピード感があってダイナミックで好きなタイプのスケーターなんですけど、こういう事があるとイメージ悪くなってしまいます。
不正、不公平は論外ですし、他にもいろんな意味で良くないと思います。
紀平梨花 151.16 TES 80.34 PCS 70.82
SP 81.18 Total 232.34
3S 1A 3Lz 3A2T
3F3T2T 3F3T 3Lo
4サルコウは回避。ここは仕方なかったですね。ユ・ヨン、テネルが高得点を出した(出してもらった)ので、連覇のためにはリスクは負えない状況でした。
アクセルがシングルになったもののすぐに立て直し、3ルッツ、3アクセル2トゥを落ち着いて決めました。本人の解説で「最初のアクセル失敗した時に会場がどよめいていて焦りはしたけど集中した」って言ってました。本当に、紀平選手は連鎖的に崩れる事がないですね。
後半に、3フリップからの3ー3ー2と3ー3、これはスゴいリカバリーです。しかも3アクセル跳んだ後に、ですもんね。
でも、それよりもっと私がスゴいなと思ったのは、ステップの辺りで後半のジャンプ構成を考え直してたっていう所。計算しながらステップ踏んでレベル4。頭の良さと集中力がないと出来ないです。考えようとすると動きが止まってしまう私には出来ない芸当です。尊敬します。
ユ・ヨン選手のバブリーな点に比べて、70点台の演技構成点、低過ぎない?紀平選手、テネル選手とほとんど変わらないユ・ヨン選手の点、どこをどう評価して出した点なのか、ジャッジの皆さんの明確な説明が欲しいです。まあ、説明出来ないでしょうけど。
ゲスの勘ぐり極み乙女は、次回更に暴走する予定です。
それはともかく。
紀平選手、連覇おめでとう!
フィギュア四大陸選手権 振り返り 女子ショート
記憶が定かでないけど、これまでにここまで四大陸選手権が大きく報道されたり、試合がしっかり放映されたりした事ってありましたっけ?
テレビの扱いが大きかったので、今年の四大陸はスペシャル感があって、グランプリシリーズや世界選手権に比べて、かなり格下の大会というこれまでの認識だったのがちょっと変わりました。
○女子ショートプログラム
カレン・チェン 67.28 TES 35.55 PCS 31.73
3Lzー3T、2A、3Lo
元全米女王。
最後の3ループが回転不足でした。最初のコンビネーションのトゥループも取られるな、と思ってたのですが、大丈夫だったみたい。今回は全体的に甘いジャッジだと思いました。他の試合だったらコンビネーションも回転不足取られてたかも。
スピンが回転が早くて軸もぶれずに綺麗でした。
演技構成点はちょっと低すぎないかな?納得いかないな。
カイラニ・クレイン 54.93 TES 28.10 PCS 26.83
3Loー2T、3Lz、2A
オーストラリア代表。華やかな雰囲気の選手ですね。
ショートのこの曲は好きじゃない。曲に合わせてるんでしょうけど、衣装や振り付けもあまり好きになれない。
取られてないけど、3ループは多分回転不足。
甘めのジャッジの割に、彼女に対しては全体的に加点が少なかったですね。2アクセルやスピンはもうちょっと加点がついてもいいのにな、と思いました。この試合に限らず、実績のない選手には加点が付きにくいなと感じる事が多々あります。毎回、実績のある選手、例えばメドベのような選手の、ルッツのような怪しいジャンプには大きく加点が付くのに。
クレイン選手もルッツは苦手なのかな?なんかおっかなびっくり、慎重に跳んでた感じがしました。
アンバー・グレン 65.39 TES 33.92 PCS 31.47
3Fー3T、2A、3Lo
アメリカ代表。全米2位のマライア・ベルはなぜ出てないんだろう?ケガか何かかな?それともイム・ウンスの言いがかり事件の余波?
勢いがあってダイナミックだけど、繊細さには欠けて粗いという点で、アシュリー・ワグナーに似たタイプのスケーターかな、と思いました。あ、あと、アネゴ感も。
グレン選手もコンビネーションが回転不足では?やっぱり取られてないみたいだけど。本当にこの大会はジャンプとスピンのジャッジが甘いと思います。
2アクセルがシングルになって無得点なのはもったいなかったです。
演技構成点がカレン・チェンと同じくらい・・・う~ん、やっぱりチェンの演技構成点低すぎだと思う。
ホンイー・チェン 56.81 TES 30.21 PCS 26.60
3Lzー3T、3F、2A
曲は「G線上のアリア」。美しい曲です。チェン選手の優雅な雰囲気に合ってると思います。
中国選手権2位だったらしい。1位は誰?そう言えば、今の中国女子のエースって誰だっけ?李子君は引退したとか聞いたし。
確か身長173cm位って言ってたと思うんだけど、そこまで大きくは見えませんね。体の線が細いからかな?手足が長くて綺麗です。
一見ノーミスですが、彼女は回転不足取られまくったみたいですね。他の見逃された選手と比べても足りなかったのか、それとも誤魔化すテクニックが足りなかったのか。
もっとスケートが滑るようになったら、手足の長さや長身が映えてプログラム全体の印象が格段に良くなって、GOEと演技構成点がぐんと伸びるような気がします。
キム・イェリム 68.10 TES 37.15 PCS 30.95
3Lzー3T、2A、3F
韓国選手権3位。韓国は世界選手権2枠のはずですが、イェリム選手は出場予定らしいので2位の選手が出ないという事ですね。昨シーズンのジュニアグランプリシリーズファイナリストでシニアデビュー組。
最初のコンビネーションはどう見ても回転不足だと思ったんですが、取られてなかったですね。特に2つ目のはダウングレードになってもおかしくないくらい。素人ですけど、ここは断言したいです!それくらい足りてないと思う。フジテレビがスローでコンビネーションの所を映さなかったのは、明らかな回転不足と、それをジャッジが見逃したのがバレてしまうから?と勘ぐってしまいました。解説の荒川さんは「何とか耐えました」と、回転不足については全く触れませんでした。さすが世渡り上手。もしかしてこの解説はリアルタイムではなく、結果が出てからジャッジに合わせて充てたんでしょうか(完全に想像です)。
このインチキジャッジ(?)は、やはり地元のアドバンテージか?でも、他の選手のもかなり見逃してる感じなので、この大会のジャッジは元々そういう基準なんでしょう。まあ、それを考慮に入れても、あのセカンドジャンプの回転不足見逃しはやりすぎだと思いますが。
フィギュアに限らず、スポーツで自国選手に有利になる判定をやるって事は普通にあります。どこの国でも(日本は一部競技で真逆の事をやる)。ただ、ロシア、中国、韓国あたりは露骨にやり過ぎる傾向がありますね。アメリカ、カナダもたまに。
イェリム選手はそういう余計な事しなくても、十分高得点が出せる選手だと思いますけどね。スケーティングも綺麗だし、スピードに乗って跳ぶジャンプも軸の綺麗なスピンも、武器はたくさんある。
演技構成点30点台はちょっと低い・・・ような。回転不足見逃しをやり過ぎたので、後ろめたくなって調整したんすか?とゲスの勘ぐり極み乙女としてはちょっと妄想してしまいました。
ブレイディ・テネル 75.93 TES 40.93 PCS 35.00
3Lzー3T、2A、3F
こちらも元全米女王。昨シーズン途中から本当に強くなりましたよね。ジャンプが安定してきて、それに伴って洗練度がどんどん増してきてる。
テネル選手もコンビネーションがたびたび回転不足になる選手。いわゆるグリ降り着氷になりがちで、今回もちょっとどうかな?と思いましたが、やはり取られてない。映してる角度的にイマイチわかりにくかったので、本当に大丈夫だったのかもしれません。まあ、どっちにしてもテネル選手の場合は微妙だったと思うので、ここで取ったら他の選手との整合性が取れないですもんね。
スピンは相変わらずメチャクチャ綺麗です。あと、本当に動きのギクギク感がなくなりましたね。
ユ・ヨン 73.55 TES 40.81 PCS 32.74
3A、3Lzー3T、3F
韓国のエース登場。3アクセルを抜きにしても、韓国選手の中で頭1つ抜けてると思います。
それにしても3アクセル助走長いな。同じフレーズを2回繰り返す変な編曲にしないといけないくらい長ーい!
その3アクセルはステップアウト(になるのかな?)で減点。次のコンビネーションは最初綺麗に決まった!と思ったんですが、スローで見ると、ルッツが最近話題のプレロテというヤツでは・・・?あと、セカンドのトゥループがやっぱりグリッと着氷な気が・・・。まあ、イェリム選手を筆頭に、これだけ見逃されまくってるともうすっかり慣らされてしまって。
みんなに甘いんだから今大会だけを見れば公平と言えますが、ベストスコアのランキングというものがあり、しかもそれが今後の出場資格や代表選考に影響するので、それを考えるとどうなのかな・・・?
質はともかく、ユ・ヨン選手のルッツの構えから跳ぶまでの流れは結構好きです。豪快で。ウリャー!跳ぶぞー!跳んだー!っていう感じで。
暫定より2点ほど下がってたので、何が引っ掛かったのかな?と思ったら、フリップに!が付いたのとレイバックスピンのレベル3の為だったみたいです。ロングエッジとスピン、ステップのレベルの差は私にはわからない世界でございます。
紀平梨花 81.18 TES 46.16 PCS 35. 02
3A、3Fー3T、3Lz
遂に紀平選手にルッツが戻ってきたぁー!弱冠慎重に跳んだ感じで、そのためか昨シーズンほどの加点は付きませんでしたが、それでも嬉しいっす!まだ4サルコウは未完の武器なので、ルッツを戻せたのは本当に心強いです。
紀平選手もやはりコンビネーションのトゥループが回転不足ぎみ。今シーズンはコンビネーションのトゥループのミス率がちょっと高いですね。転倒もありましたし。
この曲に対しては、否定的な意見が結構多いみたいなんですけど、私はいいと思います、個性的で。振り付けも、これまでの紀平選手にはあまりなかった動きが多くて、特にステップの所、音を取るのが難しそうな曲調で、それだけに強い印象が残ります。
紀平選手は総合力が高く、何でも簡単にこなしてしまうので、難しい事をやってもさほど難しそうに見えない。それで実力の割にザギトワやコストルナヤほど演技構成点が伸びないのかな?と思ったりしてます。外国の選手ってそこら辺の見せ方、アピールが上手いですよね。逆に日本は国民性なのか、弱い選手が多い。紀平選手もステップで多分難しい事を色々やってるんだろうけど、素人目にはわからない。このショートのステップくらい分かりやすく難しい曲で、見るからに難しそうでパンチの効いた振り付けをやらないと、紀平選手の本当の力量がなかなか伝わらないんじゃないかという気がします。
紀平選手と言えば3アクセル、だったのが、このショートで「キヒーラのステップ凄ーい!」と印象付ける事が出来たんじゃないでしょうか。
イム・ウンス 68.40 TES 34.94 PCS 33.46
3Lzー2T、3F、2A
久々にウンス選手のまとまった演技見た気がする。
足首かどっかに痛みがあるとかで、コンビネーションは無理せず3ー2で。
個人的に、韓国選手の中では一番スケーティングの綺麗な選手だと思っています。それにしても、中国や韓国の選手はみんな手足が長くてスラッとしてますね。
ウンス選手はスピンでレベル4を取り損ねる事が多く苦手なのかな?と思ってましたが、今回は4を揃えてたみたいです。弱点を修正して技術を研いてきたからなのか、甘いジャッジだったからなのかはわかりかねます。
それと、プログラムが昨シーズンのでしたね。確か、NHK杯ではフリーの方を昨シーズンのに戻してたと思いますが。今シーズンのショート、結構好きなんだけどな。最後の扇で扇ぐ振り付けが特に。
樋口新葉 72.95 TES 38.82 PCS 34.13
2A、3Lzー3T、3F
このプログラムはあまり好きではありません。このプログラムの樋口選手の顔芸が嫌い。振り付けや全身の表現自体はいいと思うんですけど。衣装もヘアメイクも野暮ったくて、スタイルが悪く見える。コーチ、もう少し考えてあげて。
演技の出来は申し分なしですね。ただ、樋口選手はショートが良くてフリーで崩れるってパターンが多くて、ここで「良かった!」って喜ぶ事が出来ないんですよね。勝負はフリーです。
坂本花織 73.07 TES 37.63 PCS 35.44
3Fー3T、2A、3Lo
ノーミス!と思ったら最後にやらかしたー!!昨シーズン得点源の1つだったループのミスが今季は目立ちます。今回は成功したけど、フリップも。フリーでフリップを減らしてループを増やしてたので、フリップの感触が今季は良くないのかな?GOEが稼げるループでカバーする戦略なのかな?と思ってたら、ループもミスが多くて・・・どうしたの?
演技構成点はトップ。このジャッジは納得です。あの、スピード出してのステップ、よくコケないなと思いながらいつも見てます。
紀平選手がトップ。テネル、ユ・ヨンに続いて坂本選手、樋口選手。ここまでが70点台。順位は妥当だと思いますが、得点は他の試合だったらどうだったんだろう?
女子の新時代突入でフィギュアはどうなるのかニャ?
グランプリファイナル、女子は大方の予想通りロシアのトリプルA(アリョーナ、アンナ、アレクサンドラ)の表彰台独占となりました。
フィギュアファンは誰も驚かない結果。
私は願望込みで紀平選手の3位を予想してましたけど、そうは問屋が下ろさなかった(涙)残念。
でも、4サルコウ、転倒したけど回転は認定されましたし、何より本人が手応えを感じてたみたいなので、日本のファンにとっては収穫のあった大会なのではないでしょうか。
4回転又は3アクセル持ちの選手が1位から4位を占め、五輪女王ザギトワがまさかの6位と、女子フィギュア界の新時代突入を象徴するような結果となった今大会。
これからフィギュアファンや関係者の間でどういう声が上がってくるのか、それを受けてISUがどう動くのか動かないのか、シーズン終了後大きなルール変更等が行われるのか行われないのか。これからフィギュアはどうなっていくのかニャ?と思い巡らせていた所、驚きのニュースが!
ザギトワ、事実上の引退宣言!?
一瞬ビックリしたけど、そう言えば昨シーズンの世界選手権、実はザギトワは出たくないと言ってたらしい、と言う話もどっかで見たし、ザギちゃんの置かれてる立場を思えば気持ちはわからんでもないな、とも思ったり。
そもそも今季はあの3人に押されてザギちゃんはエテリ組の中で窓際に追いやられるだろうな、という事も多くのファンは予想がついてたと思うし。
だから、メドベのように、早目にエテリ組を卒業ししておけば良かったのに!
もし国外に出るのが嫌だったら、トゥクタミシェワと同じチームに行くって手もあったのに!
ようやくあのセカセカバタバタ感が減って、ようやく(上げ底PCS効果による勘違い表現力じゃなくて)本当の意味で表現力が出てきた所なのに!
もったいない!!
私は、ザギトワの演技が特に好きというわけではない。
あの「常にお尻を突き出してヨイショヨイショと漕ぐ」スケーティングは不細工だと前から思ってたし、ロシアの、もとい、エテリさんのイチオシというブランドのお陰で盛られまくってた調整・・・おっと、演技構成点の高さが不適当だとも思ってたけど、今季のザギトワの、特にSPの演技には、ようやく女王らしい美しさを感じ始めてたので、このタイミングでの(事実上の)引退!?宣言は本当に、本当に!!残念です。
まあ、ファンとは言っても所詮は外野でしかない私たちにはどうにも出来ない事ですが。
決めるのは本人だし。
もし、モチベーションを持てなくなったのなら、「それでも観たいから続けて欲しい」と言うのは私たちのワガママに過ぎないし。
でも、やっぱり残念です。
このまま続けてももう優勝は望めないかもしれないけど、でも選手としてザギちゃんにやれる事はもっとあると思うんですよね。優勝は無理でも表彰台ならまだまだ狙えるはずだし。
と言うのも、今私の頭の中には中国大会でのエン・カンの演技があるから。
あの演技、素晴らしかったです。
個人的に好みです。大好きです。
シニアに上がって勢いのあった頃とはまた一味違った、円熟味を増したスケーティング。
もはや4回転無しでは戦えない、と言われてる今。
繋ぎをより濃密に、より難易度を上げる方向が主流になっていってる今。
そういったフィギュア界の流れをよそに、無駄を削ぎ落としてすっきりシンプルな、それだけにより美しさが際立つワビサビ演技。
何かを達観したかのような孤高のスケーティングに私には思えました。
あの味だけは、時間と経験を経ないと出せない。
時間と経験を経ても誰にでも出せるものじゃない。
あのエン・カンの演技のような美しさを、もしかしたらザギトワなら将来出せるかもしれない。
根拠は何だと言われると困るのですが、何となくですけどそういう感じがしてます。
エン・カンだって、以前の勢いのあった頃は別にそれほど入れ込んでた選手じゃなかったので。
今回のは、あくまで事実上の引退!?宣言であって、完全な引退宣言ではないという所に微かな希望を持って。
ザギちゃんが、エン・カンやコストナー等の「時間と経験を経てからこそ出せる唯一無二の味わい」のスケートの貴さに気づいてくれる事を期待して。
そして何より、ザギちゃん自身が「もう一度競技に戻りたい!あの独特の緊張感の中で自分の演技をファンに見せたい!」という心境になってくれたら、と期待して。
ザギ、また帰って来いよー!
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
ところで、これからのフィギュアはどうなっていくのでしょうか?
何となくスケジュール的に、大きなルール変更は毎回五輪後、という感じになってますが。
次の五輪が終わるまではとりあえず現行のままで行くのでしょうか?
現行のままで行くとすれば、次の五輪まであと2年、ワリエワやアリサ・リウといった次世代の4回転ジャンパーが次々とシニア参戦し、今の「子どものジャンプ大会」「もはやフィギュアと言うよりサーカス」という声がより増してくる畏れが。
かと言って、これまでのスケジュールを変えて、例えば今季終了後に大きくルールを変更するとすれば、トゥルソワやシェルバコワといった、現行ルールに合わせて強化してきた(と思われる)選手に対してアンフェアになってしまうという側面も出てくるし。
あっちを立てればこっちが立たず、こっちを立てればあっちが立たない。
難しい所です。
私は、とりあえず次の五輪終了までベースは現行ルールを維持して、今季、来季と少しずつ変更を加えるのが現実的かな?と思っています。
具体的には、技術点と演技構成点の比率は現行のままで(ただし、演技構成点は女子も男子と同じ50点、100点満点にしてもいいかも)、1つには技術点の中のジャンプとスピン、ステップの比重を変える事、もう1つは技術点に引っ張られ過ぎている演技構成点の出方を見直す事、です。
あ、これって結構大きな変更になっちゃいますね。でも、これなら特定の選手に有利不利はあまりないような気もします。あるかな・・・?
今は、技術点の中でジャンプの占める割合が大きすぎる気がします。
SPはまだしも、FSはジャンプ7つに対してスピン3、ステップ1、コレオ1。
選手によってバラツキはありますが、女子では大体70~75%くらいをジャンプによる得点が占めています。男子はそれ以上です。これって偏りすぎてませんか?
例えばですが、ジャンプを6つに減らして、その分他を1つ増やすというのはどうでしょう?以前は女子はコレオシークエンスにスパイラルを入れる規定になってたと思いますが、今はその縛りが無くなっているので、コレオとは別にスパイラルという要素を入れるとか。
ジャンプ6、スピン3、ステップ、コレオ、スパイラルの12要素にして、尚且つ、基礎点もジャンプを全体的に少し低めに変更し、その他の要素を少しずつ高くすれば、ジャンプ偏重から多少はバランス良くなるのではないでしょうか?
試しにちょっとシミュレーションしてみます。
4回転、3アクセル無し、スピンステップ全てレベル4の想定で。
①3Lz3T 5.9+4.2 10.1
②3F 5.3
③3S 4.3
④2A 3.3
⑤フライングキャメルスピン4 3.2
⑥ステップシークエンス4 3.9
⑦3Lz2T2Lo 5.9+1.3+1.7 9.79
⑧3F2T 5.3+1.3 7.26
⑨足替えコンビネーションスピン4 3.5
⑩3Lo 5.39
⑪コレオシークエンス 3.0
⑫フライング足替えコンビネーションスピン4 3.5
現行ルールでは、ジャンプ45.44、スピン10.2、ステップとコレオ6.9、合計基礎点62.54の構成。
これを、ジャンプの比重を下げた想定ルールで計算してみます。
ジャンプの基礎点を少しずつ下げて、その他の要素は約10%増し、スパイラルシークエンスはレベル4の基礎点がコレオシークエンスと同じ位という想定です。
①3Lz3T 5.7+4.1 9.8
②3S 4.2
③フライングキャメルスピン4 3.5
④2A 3.2
⑤ステップシークエンス4 4.3
⑥足替えコンビネーションスピン4 3.9
⑦3Lz2T2Lo 5.7+1.2+1.6 9.35
⑧3F3T 5.1+4.1 10.12
⑨スパイラルシークエンス4 3.5
⑩3Lo 5.28
⑪コレオシークエンス 3.5
⑫フライング足替えコンビネーションスピン4 3.9
この採点ルールだと、ジャンプ41.95、スピン11.3、ステップスパイラルコレオで11.3、合計64.55。ジャンプの比重は全体の2/3以下になります。
ジャンプを1つ減らして他の要素を加える、基礎点の比重を調整する、この2つを同時にやってしまうとあまりに大きな変更になって、選手の得意不得意によって有利不利が大きく作用してしまうかもしれないので、1シーズンに1つずつというのはどうでしょうか?
ジャンプ偏重を修整して他の要素とのバランスを取る、という方針をあらかじめ打ち出しておいて、実際のルール変更は1つずつ少しずつにしておけば、選手サイドも準備出来るので多少は公平性が保たれると思うのですが。
演技構成点に関しては、技術点に引っ張られ過ぎないよう、またジャッジの主観で左右され過ぎないよう、指針や規定をもっと明確にする。
例えば、6種類全てのジャンプをバランス良くプログラムに取り入れているか。苦手なジャンプを外して残り5種類のジャンプで構成を組んでいるプログラムの場合は、合計から5%位差し引くとか。
実際、今季、転倒や大幅なステップアウトなど、演技の流れが止まるミスが2つ以上あった場合、演技構成点で○以上の点を付けてはいけないという指針が設けられたそうです。
こういう明確な指針はとんどん増やしていいと思います。少なくともジャッジへの信頼がもっと高まるまでは。
演技構成点に関しては、ルールがどうの基準がどうの以前に、どこをどう評価して点を出しているのかをまず分かりやすく公開して透明性を高める事が先決ですが。
とにかく、出来るだけ公平公正に、出来るだけ透明に分かりやすく、ジャッジへの信頼を高める努力を積極的にやってもらいたい!
あともう1つ、トゥルソワやシェルバコワの登場によってファンの間でよく話題に上るようになったプレロテ問題。
私は全く詳しくないので、これまであまり気にしてなかったのですが、今季初めて気にして見るようになって、そう言われてみればそうなのかな?と思い始めてる所です。
一応プレロテにも規定があって、半回転以上だと減点対象らしいんですが、それを厳格に取ってると多くの選手が引っ掛かるとかで、実際にはあってないようなルールになってしまってるようです。
とは言え、このままでは不公平です。
着氷時の回転不足は年々厳しく取られるようになっているのに、離氷時はズルやり放題って、それって変でしょ。今までは見逃されていても、せいぜい4点台、5点台の事。でも、たった1本で10点前後のジャンプを複数、ズルジャンプで跳んで点を荒稼ぎしているのは、このまま見過ごすにはちょっと・・・。
時と共にフィギュアのあり方が変わるのは致し方ないですが、やはり基本は守って欲しい。
今はまだいいですけど、トゥルソワやシェルバコワがプレロテジャンプで結果を手にし続ければ、これからフィギュアを始める世代の選手たちはみんなトゥルシェルに倣え、になっていくと思う。そのうちプレロテジャンプが当たり前、スタンダードになってしまうかもしれません。
それでいいのか?
まあ、それでいいとフィギュア界が思うなら構わないですけどね。その結果がどうなろうと、それを受け止めるのはフィギュア界自身ですし。まあ、考えてみれば、不公平な事なんて今までも散々ありましたし、と言うより、不公平不公正じゃなかった事なんてありましたっけ?
後は、ファンが付いていくかどうかですよね。
もしファンが離れていって、フィギュアという競技が廃れていっても、それはフィギュア関係者の自業自得ですし。
フィギュアという競技が廃れていってテレビなどで手軽に観られなくなるのはイヤだ!とファンの一人としては強く強く思うのですが、時々「もうどうでもええわ。フィギュア関係者の好きにしたらいい」と突き放したような気分になる事もある。
ひたむきに頑張る選手の姿に感動し、観ている内にどんどんその競技の面白さにはまり。そういう人たちに支えられてスポーツが盛り上がる。
そして、その人気の上に胡座をかいて連盟や関係者は利権を貪り、選手を蔑ろにする。
先日の五輪マラソンの件も含めて、スポーツ界はそんなのばかりです。まともな連盟は存在しないんだろうか?本当にうんざりです。
それでも、「ニワカでいい」という自虐的なキャッチフレーズを掲げてまで、競技の普及のために努力している日本ラグビーのような例もある。
一方で、選手を守らずサポートもろくにせず、ファンの不満の声にもなかなか動かない団体もある。
娯楽の選択肢がどんどん増えてきてる今、そしてこれからの時代、長い目で見ればスポーツも自然淘汰されていくと思います。努力を続けている競技と、今の人気に胡座をかいていつかファンに見放される競技と。
ザギトワの活動停止の報を聞いて、改めてジュニア時代の録画を観ていたら、ファイナルの顔ぶれがザギちゃん、紀平、坂本、本田各選手、他ロシア2名の、完全に日本VSロシアのシーズンのがあって、たった数年前の事なのに隔世の感が。
日本の3人は今も現役で頑張ってますけど、ザギは活動停止、グバノワ、ツルスカヤに至っては「どんな選手だっけ?シニアで結果出した?今いずこ?」って感じで。
つくづくロシアの選手って短命だな・・・。
ちょっとモヤった!? フィギュア世界選手権 女子
5年ぶりに日本開催の世界選手権。
・・・でしたが、結果は日本にとってちょっぴり消化不良なものになってしまいました。
今シーズン、大きなルール変更があり、おそらく選手も審判も手探り状態だったのではないかと思います。
採点面ではGOEの幅が大きくなった割に、グランプリシリーズでは、昨シーズンまでとそこまで大きな変化がないかなー?と思ってました。
でも、世界選手権はシーズンのクライマックスという事もあってか、結構気前良くGOEがついてるな、という印象を持ちました。
演技構成点も、シーズン終盤でプログラムの完成度が上がってきているためか、多くの選手がこれまでの大会より高めの点数を貰っていて、結果、シーズンベスト続出の大会となりました。
ただ、グランプリシリーズや四大陸と大差ないパフォーマンスなのに、演技構成点がドーンと上がってる選手と全く伸びてない選手がいて、その差は何やねん、とモヤモヤする面もありました。
回転不足に関しては、SPでは結構キッチリ厳しめに取ってるのかな?一転FSはかなり甘いかな?と最初は感じました。画面左上の暫定スコアの下に審議の黄色が点いていて、素人目にも「あ、これは回転不足取られそうだな」と思ってたのが、軒並み取られてなかったり。
そこで録画しているSPを見返したところ、あれ?SPもまあまあ甘いじゃない。スロー再生で確認するまでもなく、これ、他の大会だったら回転不足取られるジャンプじゃないの?というのが、審議の黄色にもならずしっかり加点を貰っているじゃない!
何なんだ、これ?
・・・なんかアヤシイなあ。
まあ、そのモヤモヤは一旦置いといて、女子の戦いを振り返ってみましょう。
○ロシア勢(エテリさん関係)の逆襲!
グランプリファイナルで優勝を逃した五輪金メダリスト・ザギトワ、シーズン前半いいとこ無しで「終わった!」とまで言われていた銀メダリスト・メドベデワが、気迫の逆襲!
二人とも怖いくらいの表情してましたね。
今から決めつけるのもなんですが、来シーズンのロシア女子代表はガラッと顔ぶれが変わると思います。おそらく歴代最強であろうジュニア勢が一斉にシニアに上がってくるはずなので。
下手をすると、来シーズンの世界選手権にはザギトワもメドベデワもいない、という事になってるかもしれません。
もしかするとザギちゃんもメドベちゃんも、「これが最後の世界選手権になるかも!」という危機感の方が、「シーズン前半のリベンジ!」より大きかったかも。
そして、その思いはロシアのスケ連にもあって、だからこそ「ザギトワとメドベデワをここで揃って表彰台に乗せて有終の美を飾らせて、来シーズン気分よく円満に退いてもらおう」という意図がどっかで働いていたのでは?と、ゲスの勘ぐり極み乙女の私は想像したりしてます。
だってぇ、なんだか点の出方と順位が・・・。
ロシアの女帝エテリさんの元に戻ったトゥルシンバエワを含め、ロシア(もっと言うとエテリコーチ)絡みの選手がワンツースリー、日本選手が4、5、6位って、きれいに揃いすぎてて不自然です。
男子はどうかわかりませんが、女子は、日本選手とロシア選手が拮抗した時って、グランプリシリーズからずっと、今回と同じ「僅差でロシア選手が必ず上にくる」パターンなんですよね。
●疑惑 その1
グランプリシリーズ 第2戦 カナダ大会
山下真瑚VSトゥクタミシェワ
トゥクタミシェワSP1位(74.22点)、山下選手SP3位(66.30)で迎えたFS。
先に滑ったのはトゥクタミシェワ。2位樋口選手に約8点の差をつけていたトゥクタミシェワですが、3アクセルで転倒、コンビネーションの3ルッツー3トゥループが3ー2に、とジャンプミスが続き、トゥクタミシェワにしては低い129.10点。
総合得点203.32点で、SP7位から巻き返して暫定1位だったメドベデワ(197.91点)を上回りました。
そして山下選手のFS。ノーミスの素晴らしい演技でした。どこまで点が出るか、表彰台に乗れるか、何位に入るか、トゥクタミシェワを上回るか・・・?
・・・あれ?なかなか得点が出ない。なんでこんなに時間かかってるの?戸惑い、苦笑しながら顔を見合わせる山下選手とコーチ。
そしてようやく出たFSの得点は136.76点。SPと合わせて203.06点。トゥクタミシェワに「わずか0.26点差」で、シニアのグランプリシリーズ・デビュー戦で見事2位表彰台、やった~!おめでとう。
・・・って一応言っておくけど、ちょっとなんか・・・。「わずか0.26点」の点差、そして異様に長く待たされたキスアンドクライ。
・・・もしかして、あれって調整タイ・・・ゴホン・・・だったりしました?・・・ゲホッ、ゴホン、ゴホン
・・・私の中のゲスの勘ぐり極み乙女が、少ーし頭をもたげてきた瞬間でした。
●疑惑 その2
グランプリシリーズ 第3戦 フィンランド大会
坂本花織VSコンスタンティノワ
FSで先に滑ったのは、ジャンプミスが響いてまさかのSP7位(57.26点)スタートになってしまった坂本選手。
コレオシークエンスのスパイラルでバランスを崩した以外は、持ち前のダイナミックなジャンプをきっちり決めた素晴らしい出来。得点は2位表彰台のアメリカ大会に迫る140.16点。総合得点197.42点で暫定1位。
コンスタンティノワは表彰台も十分狙えるSP4位(62.56点)。FSはミスなくまとめましたが、特に印象に残る演技ではなかったと思います。ジャンプの入りにはそれなりに工夫がありましたが、助走が長めでスピードや高さ、飛距離も平凡。着氷も特に美しくない。実際、暫定のGOEもそれほど多くついてはいませんでした。
演技を終了した時点の暫定技術点は73点台前半、それが最終的には73.57点。ふーん、そうか、珍しいね。普通は暫定より下がる事の方が多いけど。でもまあ、そういう事もあるか。上がってるって言っても微増だしね。
ちなみに、坂本選手は76点台半ばだった暫定技術点が、最終的に72.96点に下がっていました。プロトコルを確認してないのでなんとも言えませんが、もしかしてルッツのエッジエラー取られたかなー?ま、暫定より下がる事はよくある事なんで、別にそこはいいです。
演技後、キスクラで得点を待つコンスタンティノワ。
・・・あれ?なかなか点が出ない。どうしたどうした?微妙な回転不足かなんかを慎重に確認でもしてるのかしら?
不安そうなコンスタンティノワ。
ようやく出た得点は135.01。SPと合わせて197.57点。坂本選手を「わずか0.15点」上回って暫定1位。良かったね。
・・・って、なんかこのパターン、つい最近どこかで・・・。
またしても調整タイム・・・おっと、ゴホッゴホッ。なんか聞こえました?最近喉の調子がちょっとアレで、ゴホッ、きっと空耳です、ゴホホッ。
●疑惑 その3
世界選手権
紀平梨花VSメドベデワ
またまた3アクセルが抜けて1回転となり、SP7位(70.90点)とまたまた出遅れた紀平選手。
FSでは、冒頭の3アクセルー3トゥループを綺麗に決めたものの、次の単独3アクセルで転倒。ただ、それ以降はミスを引きずらずに最後まで集中して演技を終えました。
大技3アクセルの失敗でSPで出遅れて、FSで巻き返す、今シーズンほとんどがこのパターンでしたが、今回はザギトワがSPで82点台の高得点を叩き出し、さすがに逆転は難しい。そんなプレッシャーの中でも動じずFS152.59点。FSは安定の強さです。
総合得点223.49点、暫定1位で最終グループ6選手の結果を待ちます。
最終グループ第1滑走、SP4位(74.23点)で迎えたメドベデワのFS。良かったです。昨シーズンまでの繋ぎ詰め詰めのせわしいプログラムではなく、まとまりと流れのある落ち着いたプログラムになっていました。メドベちゃんに合ってたと思います。
FSの得点は149.57点。う~ん、良かったけどそこまでの出来だったかな~?ま、今大会は全体的に多目に加点がつく大会だからこんなもんか・・・。
総合得点223.80点で、「わずか0.31点差」で紀平選手を上回り、メドベデワが暫定1位に。
・・・またですか・・・。
もっとも、この世界選手権に関しては、メドベちゃんの銅メダルよりトゥルシンバエワの銀メダルの方が「?」でしたけど。
確かに、4サルコウ成功し、他もまあ良かったですけど、あそこまで点が出る内容でした?踏ん張った着氷の3ルッツ、構えてから跳ぶまでが長い3ループにもそこそこ高めの加点がついていて、コレオやステップ、スピンの加点も盛りぎみ、極めつけは演技構成点。
グランプリシリーズでは60~62点くらいだったのが、四大陸で64点台、世界選手権では69.83点。こんなに演技構成点がはね上がる選手って他にいました?確かにグランプリシリーズと比べると、全体的に勢いがあって良かったとは思います。でも一つ一つの要素については、4回転を降りてジャンプを最低限のミスに抑えた以外、他はそこまで違わない出来だったと思うんですが、ここまではね上がります?
世界選手権での女子のFS演技構成点
ザギトワ 74.26
メドベデワ 72.97
紀平 70.96
坂本 73.26
宮原 70.17
直近の四大陸で準優勝し、最終グループの最終滑走という有利な条件があったとは言え、ここまではね上がります?紀平、宮原両選手とほぼ同じってどこをどう評価されたんでしょうか?エテリチームにしては繋ぎも淡白だし。
演技構成点って、私たちには一番わかりにくい所ですよね。選手にもわからないんだから、わかるわけがない。
それだけに、予想していた点とかけ離れていた場合、どうしても疑ってしまいます。
更に今シーズン、一貫性がなく矛盾してる所もあって、どこに評価基準を置いてるのかますますわかりにくくなった気がします。
**************
「日本選手とロシア選手が拮抗した時は、必ず僅差でロシア選手が上にくる」法則、これが日本選手を応援していた私の負け惜しみなのか、現実に存在する「疑惑」なのか・・・。「疑惑」としては存在するとしても、その真偽を解明できるものなのか。
ジャッジが、或いはスケ連が「そんなこと、やってません」と言えば終わってしまう話なのですが。
なぜなら、元々拮抗した戦いで結果が僅差なので、疑おうと思えばいくらでも疑えるし、いや、妥当だ、こんなもんでしょ、とも言えるから。
どう見ても日本選手の方が良かったのに、ロシア選手が上になった、というあからさまな「疑惑」ではないですからね。
この、あからさまな事をやり過ぎて、先の五輪では中国のジャッジが処分を受けた一件があったそうです。
更に今シーズン、ルール変更、それもGOEに関わる大きな変更があった事もあって、ジャッジにとってはこれまでより一層緊張感のあったシーズンだったはすです。
・・・と、考えるのは日本人的発想で、お国柄によってはもしかしたら「そんなの気にしない」のかもしれませんが。
まあ、でも今振り返ってみて、トータルで見れば、今シーズンはまあまあ納得のジャッジだった感じがしています。
もちろん、あら探しをすれば、上記のような疑惑だけでなく、いろいろ気になる事はあるにはあったのですが。
それは、ジャッジへの疑惑と言うよりは、評価基準そのものに対する不満なんですけど。
例えば、ザギトワの「カルメン音頭」に高い点を出すのが妥当なのかどうか、とか。
繋ぎ詰め詰めの振りつけのせいで流れがなく、一つの動きが完結しないまま次の動きに移っていくのでせわしい。「手伸ばして、はい、次、足振り上げて」みたいに。更に詰め込みすぎてるので、ちょっとでも動きに詰まると音楽に追いつかなくなり、追いつかなくなると無理に追いつこうとしてますます動きが忙しく雑になる。結果、点は稼げるけど、フィギュアのプログラムとして美しいとか完成度が高いとは思えないものになっている。そういうプログラムに高評価を与える事で、フィギュアがそっち方向に進んでいくのが良いことなのかどうか。
少し前まで、演技構成点というのはいわゆる芸術点も多少は含んでいると捉えてました。明確な評価基準(5つの項目)はあるにしても、その5つの項目それぞれに、スケーティングの滑らかさや動きの美しさ、プログラム全体の完成度などをある程度反映しているものなのかな?と。
でも、「カルメン音頭」に高い演技構成点を出すという事は、美しさや芸術性に対する評価という側面はあまりないのかな?と思うようになりました。
例えば「繋ぎ」に関して言えば、1つの要素(ジャンプ、スピン、ステップ、コレオ)から次の要素までの間の振りつけやスケーティングに流れがあるかどうかよりも、いかに難しい事をたくさんやっているかの方を高く評価しているような気がします。
「演技構成点」とは、「要素を含めプログラム全体の出来を数値化したもの」というより「『技術点』で数値化出来なかった残りの部分に対する評価」という性質が強いのかな?つまり「演技構成点」も結局は技術点なのかな?
でもそうだとすると、メドベデワの演技構成点の高さが解せなくなります。
流れがなく美しくなくても繋ぎ詰め詰めのザギトワを高評価するなら、繋ぎ詰め詰めを卒業したメドベデワにも高い得点が出るのはナゼなのか?
メドベデワだけでなくザギトワもそうですが、スケーティング技術なら日本の3選手の方が上だと思うし、曲の解釈や振りつけも日本選手を特に上回ってるとは思えない。残るはパフォーマンス。ここだけは日本選手に勝ってる試合が多いのかな?
つまり、5つの項目の内、繋ぎ詰め詰めを止めたメドベデワが日本選手を圧倒している(と思われる)のはパフォーマンスのみ。
ま、所詮素人の私見に過ぎないのですが。
紀平、宮原両選手よりメドベデワが2点近く高い演技構成点というのは、ちょっと納得いかないです。
一説には「演技構成点」には、これまでの実績が反映されている、というのがあるそうなんですが。実績のある選手には、ジャッジか高い点をつけやすい、という。意図的な不正というのではなく、無意識に先入観、印象が入り込むのではないか、という事です。
でも、もしそれでメドベデワの演技構成点が高く出るのなら、上位選手の中で最も実績のないトゥルシンバエワの演技構成点がガンガン上がるのはおかしい、という事になるし。
一体どこをどう評価して点を出してるんでしょうか。
・・・ワカラナイ。
**************
ザギトワは好きですけど、今シーズンのFS「カルメン」は嫌いです。
時間が経てば、シーズン後半になれば、もう少し馴染んでくるかな?こなれてくるのかな?と思って、シーズン前半はあの雑で忙しい演技が気にならないフリをしてきたのですが、とうとう限界に達しました。
やっぱりあのプログラム嫌い。
特に、ジャンプ4本を続けて跳ぶ冒頭の1分ちょっと。音の取り方がほとんど盆踊り。「あ、ほれ、あ、ヨイショ」みたいな感じ。いや、別に盆踊りが悪いというわけじゃありません。でもフィギュアなのにあの音の取り方はフィギュアじゃない。歌劇の「カルメン」でもない。
冒頭4本のジャンプの後、曲調が変わった辺りからようやく少しマシになりますが、全体的にせわしく、常にせかせかバタバタと動いていて、常に無駄な力が入ってグギッガシッという感じで、全然美しいと思えない。そもそも振りつけ自体に品がない。
実況や解説で「10代とは思えない、妖艶なカルメンを演じきってる」って言ったりしてるけど、本当にそう思って言ってます?
私には、「技術的にはこなせるけど、演じこなす事が出来ない」、そういう合わないプログラムをやらされている感じがしてしまうのですが。
エテリさんの元を離れ、カナダに拠点を変えたメドベちゃんから、あのせわしさが消えたのを見るにつけ、改めて強く強く思いました。
ザギちゃんも、コーチ変えない?
私の予想では、多分来シーズンは、同じエテリさんの門下生、アリョーナ・コストルナヤがニューヒロインになると思います。
コストルナヤはジャンプ、スピン、ステップ全ての質が高い上安定感もあり、身体能力がロシア選手の中でも飛び抜けて高いと思う。
イナバウアーからの高くてキレ味鋭い2アクセル、バレエジャンプ、ウォーレイ、更にターンを続けて、そこから直ちに跳ぶ3ルッツー2トゥループー2トゥループなど、難しい入りのジャンプを軽々と決めていて驚きます。
全体的にスピードと動きにキレがあって、同じ繋ぎ詰め詰めのプログラムでも、「ちゃんとやりましたよ」とアリバイ作り的に、ノルマに追われるようにやってたメドベちゃんやザギちゃんと違い、一つ一つの動きが完結していて美しく優雅。
4回転ジャンプで騒がれているトゥルソワ、シェルバコワ以上に、日本選手陣にとって手強い相手になると思います。
来シーズン、エテリさんもチームも、コストルナヤやトゥルソワなどの方に気が行って、ザギちゃんは後回しにされがちになるのではないか、という予感がします。
窓際扱いされるくらいなら、ザギちゃんもコーチ変えない?
せわしくなく、持ち味に合ったプログラムを滑るザギちゃん、是非見てみたいです。
以上、個人の好みと独断と偏見と妄想詰め詰めで、モヤモヤを吐き出してみました。
今宵決戦!フィギュア世界選手権女子 待ちきれないニャ!!
待ちきれないニャ!!
いよいよ今夜、最新の世界女王が決まりますっ!
ワクワクドキドキが止まらないニャ!
○イチ推し!坂本花織選手
今シーズン、GPシリーズ・アメリカ大会でのFS「ピアノ・レッスン」でトリハダ立ってから、一番好きな選手になった坂本選手。
素晴らしかったー!
SP、FS通して今シーズン最高の出来でしたよね?私にはそう見えました。
観てるこっちはメチャクチャ緊張してガチガチでしたが、当人はいい緊張だったそうです。プレッシャーに弱い私は、もうそれだけで尊敬!
坂本選手のスケーティング、スピードと流れがあって滑らかで本当に大好きです。もっと演技構成点欲しい!表現力も増してきてると思うし、もう少し評価してくれてもいいんじゃない?と毎回思います。
今回は34.88とこれまでに比べると高めでしたが、まだまだ。今回の出来なら36点くらいは欲しいです。
前にも書きましたが、ターンからの3ループ、ジャンプ得意な坂本選手のジャンプの中でも一番好きです。今回もキレイに決まりました。本当に美しい!現役選手の中で一番のループジャンパーだと思う。
この調子で、FSも今季最高の「ピアノ・レッスン」を期待します。
GPSアメリカ大会ではルッツの着氷が乱れ、フィンランド大会ではスパイラルで靴のブレードをつかみ損ねてバランスを崩し、ファイナルでは2アクセルからの三連続で転倒。優勝した全日本でもルッツが踏ん張った着氷になり、四大陸では三連続最初のアクセルが抜け、と、まだ完璧な「ピアノ・レッスン」は滑れてないんですよね。
欲張りかもしれませんが、この世界選手権でゼヒ完璧な「ピアノ・レッスン」が観たい!
そして、ベスト更新して欲しい!
ノーミスなら技術点80点も不可能ではないし、演技構成点も70点出ると思う。と言うか、これまでの大会でも70点は出ないとおかしかったと個人的には思っています。
GPシリーズでは67~68点でしたが、その後の全日本では繋ぎの振り付けが更に濃密になっていたので、少なくともGPシリーズレベルのパフォーマンスが出来れば70点は必ず出るはず。更にノーミスでもっといい演技が出来れば72、3点かそれ以上の点が出るはず。
・・・と外野の素人が勝手に取らぬ狸のなんとやら、ですが。あながち間違った計算ではないと思います。
つまり、ノーミス、又は小さなミスで抑えられれば150点台を出せる可能性は充分あり、ショート首位のザギトワ選手の出来次第では逆転優勝もあり得ます。
ライバルや点を気にしすぎて失敗した四大陸の事もあるので、坂本選手自身には自分の演技に集中して欲しいのですが、ファンとしては欲張りたい!
ショートの出来を見る限り、ザギトワ選手は調子と自信を取り戻している感じなので難しいとは思います。フリーで逆転!の必勝パターンを持つ紀平選手もいます。でも、今の坂本選手はザギトワ選手、紀平選手などと頂点を競える選手、優勝候補の一角である事は間違いないと思います。
○新エース!紀平梨花選手
またしてもショート出遅れ、でしたね😿GPファイナル以外ほぼこのパターン。しかも、今回はザギトワ選手が82点台のシーズンベストを叩き出し、11点以上の差がついてしまいました。これは厳しい!
驚いたのは、この結果に寄せられたネットのコメントに厳しく冷たいものが多かった事。「学習能力がない」「何回同じミスしてんだよ」などキツめのコメントが・・・。
ただ、これは、紀平選手が名実共に、日本の新エースとして認められたという証だと思います。
GPファイナルで優勝するまでは、紀平選手はスーパールーキー、女王ザギトワに挑むチャレンジャーという立場だった。それが、ザギトワ選手に実際に勝って優勝した事で、日本の新エース、世界選手権の優勝候補筆頭になった。
だから、同じようにショートで3アクセルを失敗し、同じように70点前後の得点なのに、今大会は当たりが厳しい。
かく言う私も「あ~、またなの?」って思いましたもん。正直ガッカリしましたし、ザギトワ選手の得点が出て「あ~、今回はダメかも」とも思いました。
でも、ちょっと待て!
そもそもシーズン始まるまで、紀平選手がここまで活躍するなんてみんな思ってました?
私は、紀平選手が昨シーズンのジュニアGPファイナルで3アクセルー3トゥループを女子で初めて成功させて「凄い!将来が楽しみ!」とは思ってましたけど、シニア1年目からこんなに活躍するなんて全く思ってませんでした。3アクセル成功でGPシリーズの表彰台&うまくするとファイナル進出、を願望込みで予想してた程度です。
今シーズンもロシア勢が主役で、日本勢がどこまで食い込めるか?と思ってたところを、日本のフィギュアファンをここまで盛り上げてくれたのは紀平選手ですよね?いわゆる嬉しい誤算、思いがけない拾い物、ボーナスみたいなもんです。坂本、宮原、三原選手などの躍進も、紀平選手に刺激を受けて、という面もあると思います。
要するに、私たちファンは、ちょっとばかし贅沢に慣れて欲張りになってしまってるんですニャ!
でも、それは悪い事ではないと思います。紀平選手がそれだけ力のある選手だと信じているという事ですから。
ファンが実力のある選手や好きな選手に期待するのは当然。いけないのは、選手が結果を出せなかった時に見放したり理不尽に攻撃する事。
正直、今回はザギトワ選手に勝つのは厳しい。個人的には、坂本選手優勝、紀平選手準優勝になればいいな、と思ってますが、坂本選手以上に紀平選手がザギトワ選手に勝つのは厳しい。
それでも、結果はどうなっても最後まで応援しますよ。紀平選手もスピンのレベル取りこぼしたり、ジャンプの小さなミスがあったり、で、完璧なフリーはまだないので、まだまだスコアの伸び代あります。
今大会、回転不足などには厳しいようですが、決まった要素にはGOEが高めにつきやすくなってるみたいなので、ベスト更新あると思います。
とにかく、悔いなく思いっきり滑って来シーズンに繋げて下さい。
○負けるな!宮原知子選手
この5~6年くらい日本のエースとして日本フィギュア界を引っ張ってきてくれた宮原選手。
今回、宮原選手がショートのスタートポジションに立った時、あまり緊張したりドキドキしてない自分に気づいて、ちょっぴりショックを受けました。
「私の中で、もう宮原選手は日本のエースじゃないのか・・・」
今までならメチャクチャ緊張してドキドキしてたのに。今大会も、坂本選手や紀平選手の時はドキドキしました。なのに・・・。
決して宮原選手に期待してないわけじゃない。ずっと好きな選手だったし、今も好きだし応援している。なのに・・・。
我ながら冷たいじゃないか!と思ってしまいました・・・。
シーズン序盤、宮原選手は好調でした。ジャンプの修正に取り組んで、早速成果が出てたように見えました。実際、アメリカ大会で優勝、NHK杯では紀平選手に優勝を譲ったものの僅差の準優勝、順当にファイナル進出!って、そこまでは良かったのですが・・・。
なぜかファイナルで失速、まさかの6位。全日本では高得点を出しましたが、ジャンプの回転不足、かなり見逃してもらってたと思います。決して良くはなかった。
そして今回のショートも回転不足で点が伸びず8位。ステップは大きく振り付けを変えてレベル4を取れてたし、相変わらずスピンは美しい。でも、ジャンプに関しては自信を失ってるように思えます。NHK杯でも全日本でも「もっと思いきって行けば良かった」「出来るならやり直したい」みたいなコメントをしていて、思いきっていかなければ、と頭でわかっているのにやっぱり不安で、跳ぶ瞬間に慎重になりすぎてしまうのかな?失敗したくないという思いが勝ってしまうのかな?という気がします。
回転不足にどんどん厳しくなっていってる採点ルールに適応しようといろいろ努力をしているけど、なかなか追いつかないって感じなのかな?
シーズン序盤はうまくいっていたので、技術的な問題ではなくメンタルの問題なのかな?と思ったりもします。実際どうなのかはわからないですけど。
もうコケてもいいから思いきって跳べ!と素人は思うのですが、やっぱりコケるの怖いしGOEの幅が拡がったから失敗もしたくないよね。でも、慎重になりすぎて回転不足取られるのも悔しいよね。
う~ん、難しいところだ・・・。
元々ジャンプが低い、小さい、と言われていた宮原選手にとってジャンプの回転不足、低い加点は永遠の課題なんでしょうけど、なんとか克服して欲しい。何度も言いますが、シーズン序盤はうまく行ってたので不可能ではないと思う。逆にここを克服しさえすればほぼ弱点は無くなる事になると思います。
もしかしたら、もう宮原選手は日本のエースじゃないのかもしれない。でも、そんなの関係ない。やっぱり私は宮原選手のスケーティング大好きです。
今シーズンすぐには無理かもしれないけど、きっと来シーズン進化した宮原選手が見られると信じています。
そのためにも今日のフリー、宮原選手自身が納得いく演技をして下さい。
待ちきれずに書き散らしてたら始まりました!
ロシアは相変わらず強いですが、
今大会の日本代表3選手は史上最強だと個人的には思っています。
がんばれ!日本!!
初心者が解説してみた!フィギュア・ジャンプの採点ルール その3
世界選手権が始まる前に書きたかったのに、シーズンが終わってしまった・・・そして来シーズン、ルール変更があるらしいので、今更書いても無駄になる部分があるかもしれませんが。
途中止めは気持ち悪いので書き上げちゃいます。
※私は「初心者に毛が生えた」程度のフィギュアファンなので、持ってる知識は不十分で曖昧です。でも、いちいち調べて確認してから書いているといつまでも書き終われそうにないので、ここでは「今現在、自分がこう理解している、こう記憶している」ものをベースに書いていきたいと思います。内容が不正確だったり記憶違い、勘違いしてるものを含んでいるかもしれませんので、その前提でお読みいただければ助かります。
「フィギュア観るの好きだけど、ルールとかはわからない、わざわざ詳しく調べるほどでもない」という方に、ザックリ大体こんな雰囲気、というのが伝わればいいな、という程度のものですのであしからず。
※2019.3.27
今シーズンのルール変更を受けて追記、そのついでにわかりにくかった文章を修正しました。
※2021.4.20 ルールや基礎点の変更に追いついてなかったので、2021.4現在のものに修正しました。
●コンビネーションジャンプの得点
基本中の基本を書き忘れてました。
一つ一つのジャンプには、回転数と種類に応じて基礎点が決まっている、というのをその1で説明しましたが、コンビネーションジャンプについての説明が抜けていました。
2連続、3連続ジャンプの場合の基礎点は、単純に跳んだジャンプの基礎点を足したものになります。
例えば
3フリップ-3トゥループなら、3フリップの基礎点5.3と3トゥループの基礎点4.2を足した9.5点
3ルッツ-2トゥループ-2ループなら、
3ルッツ5.9点+2トゥループ1.3点+2ループ1.7点
=8.9点
となります。
コンビネーションジャンプは難しいからといってボーナス点のようなものが貰えるという事はありません。貰えてもいいのにな、と素人考えでは思うのですが、それを実際にやるとなると点数計算がややこしくなるかもしれないので、今のルールでいいのかも。
コンビネーションジャンプとは別に、シークエンスというのもあります。
コンビネーションジャンプが、一つ目のジャンプを着地して、その足ですぐ次のジャンプを跳ぶのに対して、一つ目のジャンプを着地してから、もう一度勢いをつけ直して次のジャンプを跳ぶのがシークエンス、と私は理解しています。正式な定義は勉強不足で把握してません。
個人的には、女子の場合、2アクセル-2アクセルのシークエンスが一番ポピュラーな印象があります。
シークエンスをプログラムに取り入れてる選手が少ないのと、コンビネーションジャンプに比べて地味な印象があるせいか、私はあまりシークエンスは好きじゃないです。何だか技として中途半端で見応えがない。
(※シークエンスの得点については、基礎点が8割になる、というのをどこかで見たくらいでスルーしてたのですが、2018ー2019シーズン、羽生選手がFSで4トゥループー3アクセルという非常識😺なシークエンスを取り入れた事をきっかけに勉強しました。
4トゥループの基礎点 9.5
3アクセルの基礎点 8.0
4トゥループー3アクセルのシークエンスの得点は、9.5+8.0=17.5、その8割で14.0点。ちなみに、羽生選手は、この掟破り😺なシークエンスをプログラム後半、最後から3本の内の1本として跳んでいるので1.1倍の15.4点の基礎点になります。
前にも書きましたが、単独で跳ぶのも難しい4回転ジャンプと3アクセルを、わざわざより難しいシークエンスにして跳んで、それなのに得点が8割になるって、筋が通らないと言うか、もったいないと言うか、意味不明と言うか・・・)
●後半のジャンプは1割増❤
SP(ショートプログラム)、FS(フリースケーティング)共に、後半のジャンプは基礎点が1.1倍になります。
(※2018ー2019シーズンより、1.1倍になる後半のジャンプは、SPが最後の1本、FSが最後の3本と限定されるようになりました)
これは、体力的に厳しくなる後半のジャンプに対するボーナスみたいなもの、です。
ただし、1.1倍になるのはあくまで基礎点だけで、GOEは1.1倍にはなりません。
例えば、3アクセルを跳びGOE平均が3だった場合。
出来栄え点は、GOE3=基礎点の3割=8.0×0.3の計算で2.4。
前半に跳んだ 3アクセルでは、
8.0+2.4=10.4点
後半に跳んだ 3アクセルでは、
8.8(基礎点1.1倍)+2.4=11.2点
このルールを最大限に活かして先日の五輪で金メダルを獲ったのが、ロシアのアリーナ・ザギトワ選手。今シーズン、シニアデビューしたばかりの新星です。シーズン前までは、同じくロシアの不動の女王エフゲニア・メドベデワが金メダル間違いなし、と言われていたのに。
やはり、ザギトワ選手がジャンプをプログラム後半に全て跳んだ事が勝敗を分けた、と言えるかも。
ザギトワ選手とメドベデワ選手のFSの得点はピッタリ同じでした。SPの得点差1.31がそのまま総合得点(SPとFSの得点合計)の差となり、ザギトワ選手の金メダルとなったわけです。
メドベちゃんのFSのジャンプは前半2本、後半5本でした。
前半の2本、3フリップ-3トゥループ(基礎点9.6、当時)と3ルッツ(基礎点6.0、当時)の合計15.6点、これを後半に跳んでいたらFSの得点は1.56上乗せされる事になります。
つまり、もしメドベちゃんがザギトワ選手と同じ様にFSのジャンプを全て後半に跳んでいたら、メドベちゃんが逆転優勝していたわけです。
FSで後半に全てのジャンプを跳ぶのがどれくらいハードなのかは、選手でないとわからないと思います。
素人考えでは、同じ10代なんだからメドベちゃんにも出来そう、と思ってしまいますが。どうなんでしょう?
ただ、メドベちゃんは技術的な所だけでなく曲の世界を表現する事にも力を入れてそこを強みにしようとしている感じなので、プログラム全体のバランスなども考えて、後半ジャンプ固め跳びは「出来るけどやらない」のかも?
いやいや、やっぱフィギュアでは、その2歳3歳の差が大きい、と言われてるので(体型がぐっと女性らしく変化する15歳あたりからは特に)、メドベちゃんの年齢ではキツいのか?
個人的には後半固め跳びは好きではないので、ザギちゃん方式は定着しないで欲しい。
もちろん、現行ルールの範囲内で最大限に点を稼ぐザギちゃんチームの戦略、ザギちゃんのスタミナ・技術、そのための努力は尊重しますが。
書き始めてからしばらく放置している内に、「どうやら来シーズン、後半ジャンプの回数制限を新しくルールに盛り込むらしい」という情報が。
ザギちゃんの金メダル、そのプログラムに対するアメリカのアシュリー・ワグナー選手の発言など、かなり話題になりましたからね。
国際スケート連盟としても対応せざるを得なかったのでしょうか。
フィギュアの採点ルール、ジャッジ等に関しては、ファンや関係者の間で常に議論の的となってきました。こういう事はフィギュアに限らず採点競技にとって永遠の課題ですね。
おそらく、これからもずっと議論は続いていくでしょう。「これでカンペキ!」と全ての人が納得するルールはあり得ないと思います。
そもそもスケート連盟そのものに問題がある、と思ってるファンも多いです。私もそう思ってます。
ジャッジの買収疑惑や不正ジャッジ疑惑に至っては枚挙に暇がありません。
それでも、動機はともかく、ルールへの批判や意見に耳を傾けて応えていこうという姿勢は、充分とは言えなくともある程度見せているとは思います。
それは、もしかしたら単に自分達への批判をかわしたい、或いはファンに呆れられ逃げられると自分達の収入に関わる、というような保身・欲得から来るものかもしれません。
或いはもっと純粋に、フィギュアスケートへの愛、競技として更なる発展を願って、かもしれません。
極端な話、動機は何でもいいです。
大切なのは結果だと思います。
少なくとも、居直ってファンや関係者の声をガン無視しないだけ、まだ救いがある。
少しずつでも、毎シーズン改善(残念なことに改悪になってる場合もありますが)を重ねる、その姿勢を見せている所は素直に受け止めていいんじゃないか、とファンの一人として思います。
だから、せっかくフィギュアに興味を持ち始めたのに、「フィギュアって八百長くさい!おかしい採点が多くてなんか冷める!」と遠ざかってしまう人がいるのがとてもとても残念で、それが初心者の分際で生意気にも採点ルール解説を書こうと思ったきっかけでした。
フィギュアの採点ルールに関しては、今更私ごときが書かなくても、コアなファンのフロガーさんたちが正確かつ詳細な解説を書いておられます。wikiもあるし。
ただ、正確で詳細ゆえに、全く予備知識がない人には理解するのにハードルがちょっと高いかも?
もしかしたら私みたいな初心者だからこそ、分かりやすく咀嚼して伝えられるかも、伝えられたらいいな。
そう思ったのもきっかけの一つです。
でも結局咀嚼し過ぎて、雑であやふやなだけで大して分かりやすくもない、中途半端な解説になってしまいました💦
ただ、書くことで自分自身頭の整理が出来たり、ルールの勉強をいくらか進める事が出来て、そういう意味では無駄ではなかったと思っています。
本当はステップやスピンについても解説してみたかったのですが、まだまだ知識不足で・・・。
次のシーズンが本格的に始まるまでまだ4カ月以上ありますので、それまでに勉強頑張るゾ!
初心者が解説してみた!フィギュア・ジャンプの採点ルール その2
その2では、ジャンプを跳びすぎてしまった場合の採点ルールについて解説してみます。
※私は「初心者に毛が生えた」程度のフィギュアファンなので、持ってる知識は不十分で曖昧です。でも、いちいち調べて確認してから書いているといつまでも書き終われそうにないので、ここでは「今現在、自分がこう理解している、こう記憶している」ものをベースに書いていきたいと思います。内容が不正確だったり記憶違い、勘違いしてるものを含んでいるかもしれませんので、その前提でお読みいただければ助かります。
「フィギュア観るの好きだけど、ルールとかはわからない、わざわざ詳しく調べるほどでもない」という方に、ザックリ大体こんな雰囲気、というのが伝わればいいな、という程度のものですのであしからず。
※2019.3.26追記
今シーズンのルール変更を受けて追記、そのついでにわかりにくかった文章を修正しました。
※ルール変更に追いついてなかったので、2021.4現在のルールや基礎点に修正しました。
●跳びすぎ注意!
「私はスタミナあるから、ジャンプいくらでもガンガン跳べるゼ!」
こんな選手がいたとして・・・
ジャンプをたくさん跳べば、得点をたくさん稼げて有利なのでは?
・・・そうはいかないんですね。
ジャンプの回数は決められています。
○ジャンプの回数
SP(ショートプログラム)は3回、
FS(フリースケーティング)は7回まで。
※SPもFSもエレメンツ(=要素、ジャンプ、スピン、ステップシークエンス、コレオークエンスの総称)を行う順番は自由。
※体力的に苦しくなる後半に跳ぶジャンプの内、SPは最後の1本、FSは最後から3本が基礎点1.1倍になる。
◉SP(ショートプログラム)のジャンプは3回まで。
※SPは基本の採点ルールとは別に、SPのみの規定があります。規定を満たしていないジャンプは0点、又は減点になります。
SPで義務づけられているジャンプ
※ここではシニア対象の規定を説明します。
下の年代のカテゴリー、ジュニアやノービスなどを含めるとややこしくなるので。
○コンビネーションジャンプ
2連続のコンビネーションジャンプ。コンビネーションに出来ず単独になってしまったジャンプには+COMBOという記号が付けられ減点対象となる。
男子と女子で異なるが、○回転+○回転以上という規定があり、回転数が規定に満たないジャンプは、ケースによって0点、又は減点となる。
○アクセルジャンプ
2回転又は3回転のアクセルジャンプが必須。1回転になってしまったアクセルは規定違反で0点になる。
○単独ジャンプ
3回転(男子は3回転又は4回転)の単独ジャンプを跳ばなければいけない。2回転以下の単独ジャンプは0点になる。
この際、コンビネーションで使ったジャンプ、アクセルジャンプとは違う種類のジャンプを跳ばなくてはいけない。
●OK例(順不同)
3フリップ-3トゥループ
3ルッツ
(又は3ループ、又は3サルコウ、
つまり上記コンビネーションで使っている
フリップとトゥループ以外ならOK)
2アクセル(又は 3アクセル)
※コンビネーション内での種類重複はOK。
3ループ-3ループや3トゥループ-3トゥループなど。
●NG例(順不同)
3ルッツ-3ループ
3ループ
1アクセル
※コンビネーションで使ってる3ループを、単独で重複して跳んでしまってるのでアウト。後で跳んだ方の3ループが0点に。アクセルもシングルなので0点。
細かい事を言えば他にもいろいろあって、まだ全てを把握しきれてません。実際の事例が出てきた時に、プロトコル(プログラムごとの採点表)を見てなるほど、と一つ一つ勉強してます。
ルールブックは表現が分かりにくい上、あまりにも事細かに書かれていて余計混乱するので、実例が出てきた時に都度覚えていく方が頭に入ってきやすく効率的だと思います。
※今のところ、女子はSPに4回転を入れる事は出来ませんが、女子にも4回転時代が到来しつつあるので、いずれ解禁されるかもしれません。
◉FS(フリースケーティング)は男子は8回まで、女子は7回まで。
(※2018ー2019シーズンより、男子もFSのジャンプは7回までとなりました)
うち3回までは連続ジャンプに出来る。
その内1回は3連続に出来る。
FSはSPと違い、1回転や2回転になったジャンプでも点はもらえます。
採点ルールの範囲内であれば、SPとは違って自由にジャンプ構成を組むことが出来ます。
このようにジャンプの回数は決められているのですが、跳びたかったらもっと跳んでもいいです。ただ、規定数を越えたら点にならないだけで。
○得意なジャンプだけ跳ぶ!・・・というワガママは許さん!
ジャンプで得点を稼ごうと思ったら、やっぱり基礎点の高いジャンプをたくさん跳んだ方が効率がいいと誰しも考えますよね?
女子の場合。
例えば3回転ジャンプなら、3アクセルは難易度が高すぎるので置いとくとしても、その次に基礎点の高い3ルッツをたくさん跳べばお得。ルッツジャンプに自信のある選手なら尚更。
でも、これ、ダメなんです。
同じ(同じ回転数かつ同じ種類)ジャンプを跳べる回数には制限があります。
具体的に言うと、例えば、2回転ジャンプは同じ種類のジャンプは2回までしか跳べない、というのがあります。
更に、3回転以上のジャンプはもっとややこしい。
①3回転以上のジャンプは、同じ種類のジャンプを2回跳ぶ場合、少なくとも1つはコンビネーションにしなければならない。
もし、2回とも単独ジャンプになった場合は、規定違反の「繰り返し(REPと表示されます。リピートの略)」で、2回目のジャンプの基礎点が7割になり、「GOEもマイナス評価となります」←これは私の勘違いでした。リピートは基礎点が減るのみで、GOEのマイナス要件ではないようです。
例:
1回目の単独3フリップの基礎点 5.3点
2回目の単独3フリップの基礎点 5.3×0.7=3.71点
②3回転以上のジャンプは、同じジャンプを2回跳べるのは、2種類まで。
もし、同じジャンプを3種類、2回ずつ跳んだとしたら、規定を越えて跳んだジャンプが0点になります。
例:
3ルッツ-3トゥループ 10.1点
3フリップ 5.3点
3ルッツ 5.9点
3フリップ-2トゥループ 6.6点
3サルコウ-3トゥループ 4.3点(オダった!※)
上記の場合、3ルッツ、3フリップ、3トゥループをそれぞれ2回ずつ跳んでしまっているので、最後の3トゥループが0点になり、3サルコウの基礎点しか入らない、という事になります。
※このルールは、何たらザヤックという選手が、多分よほど得意だったんでしょう、3トゥループを4回くらい跳んで優勝した事が物議を呼び、それがきっかけで出来たルールだとかで、通称ザヤックルールと呼ばれているそうです。
このルールに抵触する、同じジャンプ跳びすぎ!をやらかす事を「ザヤる」とも言うそうです。現役時代、織田信成さんがよくやらかしていたので、「ザヤる」が「オダる」になったこともあるとか。確かに、私も織田さんがオダっている試合、何回も観た記憶があります😺
ところで、そもそも事前にジャンプ構成を決めているはずなのに、なぜこうした初歩的ルール違反をしてしまうのか?普段、あまりフィギュアを観ない人には不思議に感じられると思います。
これは、予定通りにジャンプが決まらなかった場合、すなわちジャンプを失敗したときに発生してしまう事案なんですね。
例えば。
3ルッツ-3トゥループの予定が、3ルッツ-2トゥループになってしまった!
それなのに、その後の3連続ジャンプで2アクセル-2トゥループ-2トゥループを予定通り跳んだ、という場合。
結果、2トゥループを3回跳んでしまったため、2回転の同じ種類のジャンプは2回まで、というルールに抵触。最後の2トゥループが0点になります。
これを回避する方法としては、3連続の最後の2トゥループを他の種類、又は他の回転数のジャンプに変更するというのがあります。例えば、2ループに変えるとか。
(※ジャンプは基本、全て右足で着氷します。よって、コンビネーションの2つ目、3つ目のジャンプは、必然的に右足で踏み切るループかトゥループになります)
これが出来れば、3連続の基礎点は5.9から6.3にアップするのでリカバリーとしてはベストだと思います。もちろんその分難易度は少し上がりますが。
どうせ0点になるのだから、最後の2トゥループを跳ばずに3連続を2連続にして体力の無駄遣いを防ぐ、という考え方もあるでしょう。
でも、選手の多くはやはり、出来るなら3連続は入れておきたい、と考えると思います。
4回転時代に入った男子では、難易度の高い4回転を失敗した場合に起こりがちです。
4トゥループ
4トゥループ-3トゥループ
を跳ぶ構成にしていたプログラムで、例えば、4トゥループが2つとも3回転になってしまった場合。
結果的に
3トゥループ
3トゥループ-3トゥループ
を跳んだ事になるので、3回転以上の同じ種類のジャンプは2回まで、というルールに違反。最後の3トゥループがやはり0点になります。
これも回避方法としては幾つか選択肢があります。
最後の3トゥループを2トゥループか2ループにする、コンビネーションの1つ目の3トゥループをまだ跳べる余地のある他のジャンプに変える、など。
さっきの例と違って、どうせ0点になるのだから最後の3トゥループを跳ばない、という選択はマズイです。そうすると、同じジャンプを単独で2度跳んだことになって、2つ目の単独ジャンプが基礎点7割になってしまうので。
※今シーズンのグランプリファイナルで、宇野選手がFSの最後のコンビネーションジャンプを単独ジャンプに変更したのも、おそらくこの「オダる」が頭をよぎったのではないか?と、「オダる」の元祖・織田さんが解説してました。
遅ればせながら・・・フィギュアGPファイナル観戦記 宇野選手への愛のムチ篇
逆に、規定に沿ったジャンプ構成を見てみましょう。
例えば、アクセル以外で最も基礎点の高いルッツが得意なので、3ルッツを2回跳ぶ構成にしたい!という場合のジャンプ構成例(順不同)
3ルッツ-3トゥループ
3ルッツ
3フリップ
3ループ
3サルコウ
2アクセル-3トゥループ
2アクセル-2トゥループ-2ループ
これは一例ですが、割と標準的なジャンプ構成になります。
上記の例では3ルッツと3トゥループを2回跳んでいますが、どちらも「少なくとも1つはコンビネーションにしなければならない」という①を満たしています。そして、同じ3回転ジャンプを跳んでいるのは、ルッツとトゥループの2種類だけなので、②も満たしています。
跳びすぎとは逆に、苦手なジャンプを跳ばないジャンプ構成にしている選手もいます(例えば、ループが苦手なのでループを外したジャンプ構成にしているなど)が、その場合はもしかしたら演技構成点でマイナス評価されているかもしれません。
ジャンプ構成がバラエティに富んでいる方が高い評価を得やすい、と聞いたことがあるので。
※演技構成点とは
PCSという略語で呼ばれ、スケーティング技術、繋ぎ、パフォーマンス、構成、音楽の解釈の5つの項目で評価される。
昔の採点法にあった芸術点と同一視されやすいのですが、芸術点とは違うそうです。どう違うのかはあまりよくわからないです。芸術点の時よりはジャッジ個々の好みや印象に偏らないようになっている、らしいです。本当かな?
一定の基準はあるようですが、具体的にどういう所をどう評価されたのか、選手も「わからない」そうです。
※個人的には、今回五輪で銅メダルを獲ったカナダのケイトリン・オズモンド選手に、この演技構成点を高くつけすぎ!と思っています。
昨シーズンからやたらと高得点を取るようになって、この五輪でメダルを獲らせるというシナリオありきだったのではないか・・・?なんてね。
ジャンプの回数制限に関するルールは、一見ややこしく思えますが、これを念頭に置いて何回か実際の試合を観ていると、だんだん簡単に理解できるようになると思います。
ジャンプを失敗した時に、このルール違反を回避するために演技を続けながらとっさに計算し、その後のジャンプ構成を変える事が出来る選手ってスゴい!と思います。日頃の練習の中でいろいろなケースを想定して準備しているんだろうと思います。
そういう所もわかるようになると、ますますフィギュアを観るのが面白くなる!と思う・・・少なくとも私はそうです。
フィギュア初心者ならではのジャンプの見分け方
私はフィギュアスケートが昔から大好きです。一時期冷めてた事もありますが、その期間を除いても10年以上は見続けて来てると思います。
と言っても、それほど知識があるわけではなく、いわゆる「ムダに観戦歴が長いだけ」のフィギュア・ファンです。
そんな初心者の私ですが、ここ数年少しずつ勉強して、最近はジャンプを見分ける事が出来たり、採点予想がそこそこ当たったり・・・それまでの「わー!!ジャンプ高ーい!スピン速ーい!ステップ凄ーい!」という感覚的鑑賞からちょっとばかり進歩して、多少は通っぽい見方が出来るようになりました。
そして、以前より更にフィギュアを観るのが楽しくなりました。
そこで今日は「フィギュア、たまに見るけどよく分からん。難しすぎて」と思っている方にちょっとだけ、もしかしたら少しは役に立つかもしれない「初心者だからこそ分かりやすく伝えられる(かもしれない)」ジャンプに関するアレコレについて書いてみたいと思います。
※注意
以下の解説はあくまで「初心者に毛の生えた程度の」フィギュアファンである私がざっくり「こんな感じかな?」と理解している内容なので、細かいところが不正確だったりすると思います。(大体は合っているとは思うのですが💦)その前提でお読みいただければ幸いです。
※2019.3.25
今シーズンのルール変更を受けて追記しました。
●フィギュアのジャンプは6種類
難しい方から順に
となっています。
以下は余談なので、興味のない方はすっ飛ばして下さい。⛸⛸⛸←このスケート靴が並んでる所からが本筋です。
現在、男子は4回転時代に入っていて、今シーズンついにアメリカの若きエース、ネイサン・チェンが人類初!公式戦で4回転ジャンプを制覇しました。
ちなみにアクセルジャンプは他のジャンプより半回転多く回るので、ここで言う4回転ジャンプ制覇!の中には含まれていません。
ネイサンはアクセルジャンプを苦手としているので、4回転アクセルはもしかすると、アクセルの得意な羽生、宇野、両選手のどちらかが人類初成功させるかも?と思っています。
難易度の高いジャンプの方が基礎点が高いのは当然ですが、選手によってジャンプの得意・不得意があって、必ずしも難しいジャンプの方が苦手、というわけではないのが面白い所。ちなみにネイサンは4ルッツ、4フリップが割と得意で4サルコウ、4トゥループは比較的ミス率高かったりします。中国の金博洋選手もルッツが得意。
4フリップを世界初成功させた宇野選手、4ループを世界初成功させた羽生選手、共にギネスに載りました。
女子は、ごくごく一部に4回転を成功させたり、チャレンジしたりしている選手もいますが、まだまだ3回転がメイン。
3回転ジャンプの基礎点
3アクセル 8.5
3ルッツ 6.0
3フリップ 5.3
3ループ 5.1
3サルコウ 4.4
3トゥループ 4.3
※追記
2018ー2019シーズンのルール変更に伴い、ジャンプの基礎点も一部を除いて大きく変わりました。
3アクセル 8.0
3ルッツ 5.9
3フリップ 5.3
3ループ 4.9
3サルコウ 4.3
3トゥループ 4.2
以上のように3回転ジャンプは、フリップを除いて基礎点が下がりました。アクセルに至っては0.5点も。4回転ジャンプは更に大きく下がっています。
その代わり、それぞれの要素(ジャンプ、ステップ、スピン)の質の評価GOEは+3から-3だったものが、+5から-5に幅が広がりました。
3アクセルを公式戦で成功させた女子選手は、現在までに10人弱、その内約半分が日本人選手です。伊藤みどり、中野友加里、浅田真央、そしてジュニアの紀平梨花。
3アクセルは単独でも難しいのに、紀平選手は今季公式戦で女子初!3アクセル-3トゥループという大・大・大技を成功させました。しかも2点近いGOEがつく質の高い美しいジャンプでした。頼もしい!
⛸⛸⛸⛸⛸⛸⛸⛸
初心者的ジャンプの見分け方の前に、これだけは書いておかねば。
ジャンプの種類は「踏み切り」で見分けます。
これが正道です。
出来れば邪道に進む前に、以下にザッと目を通していただけるとありがたいです。
◉ジャンプは踏み切りで区別する
※着氷は全て同じ。後ろ向きで右足着氷。
踏み切りを区別するポイントは4つ。
①踏み切る向き/前向きor後向き
②踏み切る足/右足or左足
③トゥを付くor付かない
④エッジ/アウトサイドorインサイド
※ルッツとフリップの区別のみ。
アクセル ①前 ②左 ③✖️ ④ ー
ルッツ ①後 ②左 ③ ○ ④アウトサイド
フリップ ①後 ②左 ③ ○ ④ インサイド
ループ ①後 ②右 ③✖️ ④ ー
サルコウ ①後 ②左 ③✖️ ④ ー
トゥループ ①後 ②右 ③ ○ ④ ー
⛸⛸⛸⛸⛸⛸⛸⛸
●初心者的ジャンプの見分け方
それではジャンプの邪道な見分け方について。
〇「唯一前向きに跳ぶ」アクセル
①前向き ②左足踏み切り ③トゥは突かない
これはすぐわかります。今日初めてフィギュアを観る、という人でさえ。何故なら6種類の中で唯一前向きに跳ぶジャンプだから。
何故アクセルジャンプは難しいのか?半回転多いから?(前向きに跳び、後ろ向きに着氷するため。例えば3アクセルなら3回転半回ります)
それだけではないようです。
アクセルの難しさは、助走で踵に重心をかけて前向きに滑り、跳び上がる瞬間に爪先に重心を移動させて踏みきる、この踵から爪先に重心移動するタイミングと跳び上がるタイミングとの兼ね合いが難しい、と以前に解説で聞いた事がある気がします。間違ってたらごめんなさい。
とにかく、アクセルは一目瞭然、分かりやすいジャンプです。
〇「助走で後ろ向きにまっすぐ滑ったら」ルッツ
①後向き ②左足踏み切り ③トゥを突く
④アウトサイドエッジで踏み切る
アクセルを除く残り5種類のジャンプの中で最も見分けやすい、と個人的に思っているのがこのルッツジャンプ。
ルッツは、右足のトゥを突き、左足の外側のエッジで踏み切るジャンプです。でも、跳ぶ瞬間にどっちの足で踏みきったか、足元にばかり注目していると演技全体を観れなくなり、楽しみが損なわれると思います。
もっと分かりやすい所でジャンプの種類が見分けられるなら、それに越した事はないですよね?通の人からすればもしかしたら邪道かもしれませんが、まあ初心者なので。
そろそろジャンプを跳ぶな、というのは、加速するので見ていれば大体わかります。ジャンプを跳ぶ直前の態勢・助走、それが最も特徴的なのがルッツ。
★後ろ向きにまっすぐ滑る、この助走の態勢になったら「ルッツを跳ぶんだな」と思ってまず間違いないです。
ただし、選手によっていろいろとクセやスタイルが違うので、見分けづらい事もあります。
例えば羽生選手のように、あまり「跳ぶぞ、跳ぶぞ」と長く構えずに、自然な流れの中でスッとジャンプを跳ぶ、しかもコンビネーションではなく単独でルッツを跳ぶタイプの選手は助走が短いので分かりづらいかもしれません。
逆に分かりやすいのは、男子なら4回転ルッツを跳ぶネイサン、金両選手。4回転ルッツはさすがに大技なので、しっかり助走をつけないと跳べない(と思う)ので。
女子なら宮原、三原、樋口、白岩各選手など、3ルッツからのコンビネーション(3ルッツ-3トゥループ、3ルッツ-2トゥループ-2ループなど)を得意とする選手が分かりやすいと思います。単独の3ルッツに比べて、3ルッツからのコンビネーションジャンプはやはり大技なだけに、これもしっかり助走をつけないといけない(と思う)ので。
※追記2021.4 女子も4回転時代に突入しつつあります。ロシアのトゥルソワやシェルバコワなどは4回転ルッツを跳ぶので、彼女たちのジャンプも参考になると思います。
〇「一旦前向きに滑り、直前に後ろ向きになって左足で踏み切る」フリップ
①後向き ②左足踏み切り ③トゥを突く
④インサイドエッジで踏み切る
フリップはルッツと同様、右足のトゥを突き、左足で踏みきるジャンプです。ルッツとの違いは、外側のエッジで踏みきるルッツに対して、内側のエッジで踏みきる事。
★後ろ向きに真っ直ぐ助走するルッツに対して、基本的には、一旦前向きになり、跳ぶ直前に後ろ向きになるのがフリップの特徴だと思っています。
ただ、これも選手のクセによっては、「一旦前向きになり、跳ぶ直前に後ろ向きになる」一連の動作が、ジャンプ前に入れるターンに見えてしまう時があって、私にとっては比較的見分けづらいジャンプです。
それから、その「一旦前向きになり、跳ぶ直前に後ろ向きになる」助走が、弧を描くような軌道になるという特徴もあります。ただし、これも選手によってはそう見えない場合もあります。
個人的に、フリップを見分けやすい選手は、男子なら宇野選手、女子なら宮原、メドベデワ両選手などだと思っています。これらの選手のフリップは、「弧を描くような軌道で」一旦前向きになり、跳ぶ直前に後ろ向きになる助走をとっているので。
※追記
宇野選手はフリップの跳び方をちょっと変えたような気がします。助走の軌道や姿勢、後ろ向きになるタイミングが以前と違ってる感じが。以前は弧を描くように、外側から回り込むような感じで、前向きから後ろ向きにゆっくり方向転換していたのが、今は割と直線的な軌道で助走し、跳ぶ直前に後ろ向きになってる気がします。
ちなみにルッツとフリップは、アクセル以外では基礎点の高い方から一番と二番という事で、FS(フリースケーティング)ではこのどちらかを2回跳ぶ構成にしている女子選手がほとんどです。
ルッツを2回跳ぶ構成の選手は、宮原、三原、樋口、白岩、ザギトワ各選手、フリップを2回跳ぶ構成の選手は、坂本、紀平、本田、メドベデワ各選手など。
ルッツを2回跳ぶ選手はフリップが苦手っぽかったり、逆にフリップを2回跳ぶ選手にルッツが苦手な選手が多かったり、という印象があって何だか面白いな、と思います。
ルッツとフリップはエッジの使い分けが難しいようで、いわゆる「エッジエラー」を取られるリスクのあるジャンプです。ルッツ派の選手にフリップ苦手が多く、フリップ派の選手にルッツ苦手が多い、っていうのはこの辺りに原因があるようです。
エッジエラーについては次回触れたいと思います。
〇「踏み切る時に両足が✖️の形にクロスする」ループ
①後向き ②右足踏み切り ③トゥは突かない
「腰を少し落として椅子に座ったような構えから跳ぶ」という説明をよく目にするのですが、これは選手のクセによって必ずしもそうとは言えないので私は違う所で判断しています。
★ループの特徴は、踏みきる時に左足が右足の前に来る所。これはちょっと文章では説明しづらいのですが。
ループは右足で踏みきるジャンプです。
同じく右足で踏みきるトゥループは、踏みきる方とは反対の左足の爪先(トゥループのトゥは爪先の意)で氷を蹴って、その勢いで跳び上がるジャンプ。
ルッツ、フリップも踏みきる左足とは反対の右足の爪先をついて跳び上がります。
ルッツ、フリップ、トゥループのように爪先をついて跳び上がるジャンプは「踏みきる方の足が前」その足の後ろで、反対側の足の爪先で氷を蹴ります。
ループはこれと逆で「踏みきる方の右足が後ろ」その前に左足を添える感じで跳びます。
う~ん、書けば書くほどわかりづらい説明になってしまいますニャ~💦
踏みきる瞬間足が縦に並ぶ・・・これも分かりづらいか・・・
次のサルコウを説明してから、ループの説明をした方が分かりやすいかもしれません。
〇「踏み切る瞬間両足がハの字になる」サルコウ
①後向き ②左足踏み切り ③トゥは突かない
★サルコウは、踏みきる瞬間両足がカタカナの「ハ」の字になるのが特徴です。このジャンプは比較的見分けやすいと思います。
あと、選手によりますが、踏み切る直前に右足を跳ね上げる、という特徴もあります。
これに対して、両足が✖️のようになるのがループ、と言えば分かりやすいでしょうか?どうかな?やっぱ分かりづらい?とにかく左足がグイーンと右足の前にクロスするようになった状態で跳び上がるのがループです。
羽生選手が、もしケガの影響でジャンプ構成を変えていなければ、FSで一番最初に跳ぶのが4ループ。それを見てもらえば多分わかるのではないかと思います。
〇「一旦前向きになり、跳ぶ直前に後ろ向きになって右足で踏み切る」トゥループ
①後向き ②右足踏み切り ③トゥを突く
ループの所で説明したように、左足の爪先をついて右足で踏みきるのがトゥループ。
ただ女子の場合は、トゥループを単独で跳ぶ選手は少なくて、大抵はルッツやフリップなど基礎点の高いジャンプにくっつけてコンビネーションにする事が多いです。
3ルッツ-3トゥループとか3フリップ-3トゥループという具合に。あ、あと2アクセル-3トゥループというのもありますね、宮原選手の得意なジャンプです。
男子は4トゥループを跳ぶ選手が多いので、トゥループを見分けるなら男子の演技がおすすめです。私は羽生選手の4トゥループの入り方が特に好きです。胸を張った体勢の助走からスッと力みなく跳んで美しく回る、その一連の流れが華麗で。
女子なら、カナダのガブリエル・デールマン、ロシアのエリザベータ・トゥクタミシェワが3トゥループー3トゥループをプログラムに取り入れているので、参考にしやすいと思います。
3回転ー3回転のコンビネーションの中では最も難易度、基礎点の低い連続ジャンプなのですが、この2人の3トゥループー3トゥループは質が高く加点が多くつくので、他の選手の高難度のコンビネーションと遜色ない得点を得られます。
トゥクタミシェワは高さ、デールマンは飛距離がスゴい!私は飛距離がスゴくてダイナミックなデールマンの3トゥループー3トゥループが特に好き。デールマンが3Tー3Tを跳ぶと会場のお客さんが「オーッ!」って感じにザワつくのがテレビで観ててもわかります。別にデールマン選手の知り合いでもなんでもないのですが、お客さんがザワつく度にナゼか「見た?今の。スゴいっしょ?」って自慢したくなってしまいます。
★助走はフリップに似ているかな?と思っています。一旦前向きになり直前に後ろ向きになって跳ぶジャンプかな?と。もしかしたら明確な違いがあるのかもしれませんが、私にはほぼ同じに見えます。
左足で踏み切ったらフリップ、右足で踏みきったらトゥループ、と覚えてますが、演技を観ているときは選手の動き全体を見ているので足元ばかり見ていられなくて「あれ?今どっちの足で踏みきった?」と迷ってしまい、解説者の「3フリップ」「4トゥループ」などの解説を聞いてから「あ、今のフリップだったんだ!」「トゥループだったんだ!」と納得する事も多いです。
何だかあんまり役に立ちそうもない、かえって分かりづらい説明になってしまいましたね💦
オリンピックのフィギュア、団体戦が始まりましたね。宇野選手、好発進のようです。
個人戦が始まるまでにジャンプの採点ルールなどについてアップ出来たらいいな、と思ってますが・・・。
説明ヘタだからあんまり参考にならないかもしれませんが😓😓😓