出た!歴代最高得点 グランプリファイナル 女子SP
出た!出ちゃいましたね。歴代最高得点。
時間の問題だと言われてましたが・・・出た、グランプリファイナルという場で。
ジュニアの方でもやはりロシアのアリーナ・ザギトワ選手が。14歳!?14歳であの得点を?
シリーズでは2戦目がボロボロだったのに。別人のような演技でビックリです。
SPで70.92、FSで136.51。両方一気に最高得点を叩き出しました。ロシアの女子はいったいどうなってるんでしょう?
坂本選手、銅メダルおめでとう!FSは不本意な成績だったと思いますが、その悔しさを全日本にぶつけて下さい。
紀平選手、ナイスチャレンジでした。次こそパーフェクトな3アクセル、期待してます。
本田選手、今回は残念でした。まずはゆっくり休んで病気を治してください。
3選手とも全日本に出ます・・・よね?シニアのお姉さんたちを脅かすゾ!くらいの心意気で頑張って下さい。
第1滑走 宮原知子
いきなり宮原選手の出番。落ち着いてましたね~。「孫子の兵法」が早くも効いてきたのでしょうか?NHK杯の時よりリラックスしているように見えました。
シリーズでは小さなミスが足を引っ張って得点が伸びず、キスクラでの宮原選手の笑顔はお預けに。
そして大舞台ファイナルでのパーソナルベスト!遂に宮原選手の笑顔満開・・・アレっ?
なんか意外にクール。というか、不満そう?もっと高い点を狙ってたんでしょうか?
そうか・・・。
「いつまでも優勝できないでいるわけにはいかない」と言っていた宮原選手。優勝するためにはメドベデワに勝たなくてはいけない。そして、メドベデワに勝つには、70点台後半のスコアが必要。
そうしたシビアな計算の上でのあの渋い顔だったのでしょうか。それとも勝負はまだこれから、フリーで決めるぞ、という決意の表情だったんでしょうか?
コーチと目を合わせた感じからすると、やっぱり不満だったのかな?そんな風に見えたんですが、演技後のコメントでは「思った以上に点が出た」と言ってました。じゃあ、あの表情は何だったの?
スコアではなく自分の演技の出来に満足できなかったって事なんでしょうか。
SPは「ムゼッタのワルツ」。衣装が素敵ですね。
ただ、私は昨シーズンの「ファイアーダンス」が曲も振り付けも大好きだったので、どうしてもこのプログラムが地味に、物足りなく感じてしまいます。
今シーズンからコンビネーションを後半に、単独の3回転をフリップからループに変えてきました。得点源のコンビネーションを1.1倍になる後半に跳ぶのはもちろん、エッジエラーや回転不足を取られやすいフリップを、より確実性の高いループに変えたのは、戦略として成功だと思います。3フリップと3ループの点差はわずか0.2点ですから。
私は、3トゥループの回転不足を取られていなければ、技術点44と予想していました。結果は40.99。まだプロトコルを見ていないのでわかりませんが、やはり回転不足を取られたんでしょうか。
もしそうならまだまだ点が伸びる余地はあるという事ですね。演技構成点も昨シーズンは滑る度にドンドン伸びていったので、今シーズンももうちょっと伸ばせるのではないでしょうか。
第2滑走 ケイトリン・オズモンド
地元カナダ大会で、ホームアドバンテージで点を多目に貰ったというイメージが私の中にあって、ちょっと印象の悪いオズモンド。なので、意地悪目に見てしまいます。ミスしろとまでは思いませんが、ジャッジ、採点はシビアにしてね、とは思いました。
結果は40.62、34.92で75.54。
え~!演技構成点高すぎませんか?納得いかないなあ。また私の中のイチャモンババアが顔を出して来ちゃうじゃないですか!紳士的に、いや、淑女的に観戦しようと努力しているのに。
でも技術点に関しては納得です。ジャンプは全部ダイナミックでしたが、特にコンビネーションジャンプは豪快ですね~。
スピン、ステップはシリーズと同様キレがあったと思います。北米はステップ上手い選手が多い気がします。
キスクラでの表情を見て思ったんですが、オズモンドって顔がフェルナンデスに似てませんか?
第3滑走 マリア・ソツコワ
落ち着いてますね。本当にシニア1年目とは思えない。ゆったりした大きな動き、丁寧に踏むステップ・・・優雅です。
ただ、私はスピードや勢いのあるスケーターの方が好みなので、申し訳ないけどソツコワの演技はちょっとつまらないと思ってしまいます。一生懸命に滑ってるのにこんな言い方失礼なのはわかってるんですけど。
でもまだまだこれからの選手ですから。期待はしてます。このまま優雅な滑りを極めていくのか、それとも大変身するのか。
コンビネーションは良かったのですが、後半のジャンプの回転が不足していたようで点が伸びませんでした。NHK杯のフリーも同様だったので、回転不足対策が次までの課題になりそうです。技術的な問題なのか、スタミナの問題なのか、どうなんでしょうか?
第4滑走 アンナ・ポゴリラヤ
大丈夫?演技前につまずいて腰を痛めたみたいだったけど。曲が流れ演技を始める瞬間に顔を歪めた気がしたのは、演技の一環だったんでしょうか?それとも痛みが走ったんでしょうか?何ともなければいいのですが。
ソツコワと同様、長身を活かしたダイナミックな演技が持ち味のポゴリラヤ。ソツコワがゆったりしているのに対して、ポゴリラヤはキレが良い。
最初のコンビネーションジャンプはいつも通りダイナミック!とりあえず見た感じ、つまずいた影響は無さそうで良かったです。
3ループは着地が危なかったですが、次の苦手な2アクセルは綺麗に降りました。スピン、ステップは全く危なげ無く、安心して見ていられます。
スコアはループのミスがあったのに73.29の高得点。本当に今シーズンのポゴちゃんは強い!
しつこいようだけど、オズモンドがポゴリラヤと演技構成点が同じくらいというのは納得いかないです!
第5滑走 エレーナ・ラジオノワ
ワグナーもそうだけど、あの髪の結い方、私の目にはどうしても大仏様っぽく見えてしまうなあ。
別に大仏様に見えてもいいんですけど。
ミス率の高い3Lz-3Tは上手く決めましたが、代わりに3ループで失敗。2アクセルの着地もちょっとだけ危うかったです。
SPはちょっとしたミスが順位に大きく影響するし、新ルールになってから、よりその傾向が強くなったので、選手にかかるプレッシャーは大変なものでしょうね。そのプレッシャーの中で3つのジャンプを全て綺麗に決めるのは、ますます難しくなってきていると思います。
演技終了後の挨拶の時は満面の笑顔でしたが、点が出ると顔が曇りました。思っていたよりジャッジ厳しいな、と思っていたんでしょうか。
最終滑走 エフゲニア・メドベデワ
女王登場!
荒川さんも言ってましたが、演技前の顔本当に険しかったですね。オズモンド、宮原、ポゴリラヤ3選手が70点台の高得点を出していたので、いつもより余計にプレッシャーを感じて緊張していたのでしょうか?
SPの序盤の、無邪気な子供を演じている所、大好きです。セーラームーンに目を輝かせている素顔のメドベちゃんと重なります。
ネットでいろんな所を覗いていると、メドベデワのタノジャンプ論議をあちこちで目にします。私は「ちょっと多すぎるかな?」派です。もうちょっと減らしてもいいんじゃないか、得点にそれほど影響ないんじゃないか、減らした方がメリハリがついて、かえって効果的になるんじゃないか、という考えです。
ただ、本人が「手を上げた方が跳びやすい」と言っていたというのもどこかで見たので、そういう事なら今のままでいいかな?と思います。
あ、そう言えばループだけは手を上げずに跳びますよね。何故なんでしょうか。
私はタノよりもヨッコラショジャンプの方が気になります。
コンビネーションの跳び方、大雑把に2つのタイプに分かれると思います。
1つ目のジャンプを降りてすぐ2つ目を跳ぶタイプと、1つ目を降りてから構えて2つ目を跳ぶタイプ。クルクル、クルクル、ストッというのと、クルクル、(1拍)クルクル、ストッというタイプの事なんですが。
後者のタイプのセカンドジャンプを私はヨッコラショジャンプと呼んでいます。メドベちゃんはこのタイプ。フリーの2アクセルからの3連続など特に、ヨッコラショ、ヨッコラショって感じに見えます。
ヨッコラショじゃない方が難易度高そうに思えるのですが、採点を見てると特に差はないみたいです。実際、メドベちゃんはこのヨッコラショジャンプでいつも高得点を取ってるわけですから。
どっちがいい悪いじゃなく、選手ごとのクセ、スタイルの1つなのかもしれません。よくわかりませんが。
ただ、採点の事はともかく、見栄え的にはヨッコラショじゃない方がスマートに見えます。私はノーヨッコラショの方が好きです。なので、メドベちゃんの演技には一ファンとしてちょっと不満があります。
でも、もうずっとあのスタイルで跳んでるから仕方ないのかな?
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グランプリファイナル開幕!!男子SP
遂に始まりました!
待ってたよ~!待ちきれなかったよ!!
グランプリファイナル開幕!!!
うぉ~~~~~!!!!!ウッホ!ウッホ!
いつも、なるべく結果を知らない状態で放送を見るようにしていて、特にファイナルは絶対事前に結果を見ないように気を付ける!と心に固く誓っていたのに・・・見ちゃった・・・油断しました。不覚!
テレビ局の人にお願い。試合の結果速報を流すときは「これから出すよ」と予告してから出して欲しいです。
それにしても、この6人が揃うってつくづく豪華ですね。マルセイユのフィギュアファンはラッキーだ。
第一滑走 ハビエル・フェルナンデス
本家本元スペイン人のフェルナンデスによるフラメンコ「マラゲーニャ」。さすが、と言いたいところですがなんか今一つ。なぜニャ?
あ、衣装か!何でもっとそれっぽい衣装にしなかったんでしょう。衣装に頼らず演技だけで表現しようという意図なのでしょうか?それとも私のフラメンコのイメージがズレてる?
最初のコンビネーションは鮮やかでした。実況も全く同じ「鮮やか!」という言葉を使ったのでちょっとびっくり。本当に誰が見ても鮮やか!と思う美しいジャンプでしたもんね。特に1つ目のジャンプは幅がありましたし、軸がきれい。
ただ、セカンドの着地がちょっとだけ慎重に、自信なさげに見えたのは私の気のせいでしょうか?もしかしてセカンドジャンプの軸が少し傾いた感じがした?それとも、いつになく、もしくはいつにも増して緊張してる?
そう思って見ると、手や腕の動きや表情もいつもより固いように見えてしまう・・・、先入観ってコワイ。
続く4サルコウは着地で大きく乱れました。着きそうになった手を引っ込めて必死に踏みとどまったところに「今年こそユヅルに勝ってGSファイナルで優勝する!」という気持ちを感じました。軸があれだけ傾いていたのに転倒しなかったのは凄いと思います。
でも、最後のジャンプ、3アクセルで遂に手をついてしまいました。やっぱり普段のフェルナンデスとは違う。やっぱりいつもより緊張してる?フェルナンデスのようなベテラン選手でもこういう場面では緊張するんですかね。
私の採点予想は技47.5、演45マイナス1で91.5。結果は47.45、45.31マイナス1で91.76。こんなに近い予想が出来たのは初めてです🎵
第二滑走 パトリック・チャン
SPは「ビートルズメドレー」。今までのチャンのプログラムの中で、一番チャンに合っていると思います。もちろん、チャンくらいになればどんな曲でも演じこなすでしょうが、このテンポが一番ピッタリきます。
以前の私はチャンのスケーティングの上手さが全くわかりませんでした。さすがに下手だとは思いませんでしたが、他の選手と大して変わらないじゃないか、上手いと言えば上手いのかもしれないけどちょっと退屈かな、というのが正直な感想で、解説者が誉めちぎるのを、過大評価じゃないの?とさえ思ってました。
それが変わったのは足元を注意して見るようになってから。何をそんな初歩的な、と通の方は思われるかもしれませんが、私は(テレビでの)フィギュア観戦歴がムダに長いだけのフィギュア初心者なので。それでも今はまだ多少は知識がついてきた方で、以前はほとんど知識なく「わ~、ジャンプ高~い。スピンの回転早~い。」という風に、感覚的に見ていただけなので。
私がフィギュアを多少なりとも詳しく見るようになったきっかけの一つは、織田さんが解説者になったことかもしれません。織田さんは素人ではわからないポイントを、分かりやすく具体的に解説してくれるので。
他の解説者がダメという事ではありません。限られた時間の中で、細かいところを具体的に、素人にも分かりやすく解説するのはなかなか難しいと思いますから。
織田さんはタレント向きというかテレビ向きというか喋りが上手い。元々喋るのが好きなんでしょう。バラエティ番組にも出たりしてテレビ慣れしている分、他の解説者より喋りに余裕があるんじゃないかと思います。想像ですけど。
あと、「ここ、もう少し詳しく聞きたいな」と思ったタイミングで、「具体的にどういうところが○○なんでしょうか?」という風に突っ込んだ質問をしてくれる気の利いた実況アナ、GJです。
第三滑走 宇野昌磨
今頃気付いたのですが、衣装の色が羽生選手とカブっちゃいましたね。それも色だけでなく色合い、濃淡まで。2人が「ユーリ!!!on ICE 」の登場人物だとしたら、劇中で「ペアルック」とからかわれる事間違いなし!😝
4フリップは決めたものの4トゥループで転倒。転倒は過去にもありましたが、ああいう転倒の仕方は見た記憶がありません。爪先が引っ掛かってつんのめる感じでコケたので、足を痛めたんじゃないかと一瞬ヒヤッとしました。その後何事もなかったように演技を続けていたのでホッとしましたが、演技終了直後よろけてましたね。転倒のせいで体力をかなり奪われてしまったのでしょうか。
足、何事もなければいいのですが。時間をおいてから痛みや違和感が出てきたりする事もありますから。
3アクセルは全く問題なし。跳ぶ前にイーグル、跳んだ直後にクリムキンイーグル。これがどれほど難しいものなのかはわかりませんが、宇野選手は軽々とやってるように見えます。
ジャンプ以外はいつも通り安定していたと思います。
ただ、ジャンプミスのすぐ後のスビン。転倒するとその後もう一度加速しないといけないため、余計スタミナを奪われると聞いたことがあります。だとするとあのスビンはかなりキツかったんじゃないでしょうか。演技後、足にきていた一番の原因かもしれません。
一番得点の高いコンビネーションが跳べず、ほぼまるまる点を失った割にはまずまずの得点だったと思います。
シリーズ2戦とも完璧とはいかなかったFS、今度こそパーフェクトに決めてガッツボーズを見せて欲しいですね。
第4滑走 ネイサン・チェン
SP「海賊」。フランス大会では海賊をイメージしたらしい衣装でしたが、NHK杯から黒い衣装に変えてきました。最初に見たとき胸からお腹辺りまでレースっぽくなってる所が気になって「もしかして透けてる?透けてるのか?」と釘付けでしたが、どうも透けてはいないようです。ザンネン。(我ながらなんかオッサンみたい)
最初の4Lz-3Tのコンビネーションは間にオーバーターンが入ってしまいました。次の4Fは転倒。武器である4回転を決めることは出来なかったものの、苦手な3Aを思いきりよく跳び、綺麗に決めて何とか取り返しました。
シニアデビューのシーズンにファイナル進出、2つ続けてジャンプを失敗した後に苦手な3アクセル。この状況で思いきって勢いよく跳んだ、その度胸は凄い。
最後のコンビネーションスピンで、足替えの直後、足が水平にならず乱れたのを除けば、他のスピン、ステップは良かったんじゃないかと思います。
最後のポーズは、シリーズではジャッジの方を向いていたのに、今回は反対側を向いてフィニッシュ。意図的に変えてきたのか、気分で変えたのか、どうなんでしょう。
チェン選手はウチのいとこにちょっとだけ似ています。その弟はちょっとだけコフトゥン選手似。もちろん、二人ともチェン、コフトゥンのようなイケメンでは全然ありません。
第5滑走 アダム・リッポン
独特の雰囲気を持った選手ですよね、リッポン。SPの最初のポーズ、決め顔。何なんですかね、あの感じ。プログラムの世界に既に入り込んでるのか、それともウケを狙ってるのか。確かにアメリカ大会では、クルッと振り返って表情を作ると、お客さん沸いてましたもんね。
6人の中で唯一、SPに4回転を入れていませんが、その代わりリッポンルッツがあります。両手を上げて跳ぶジャンプ。このままタノのようにリッポンルッツという技の名前で定着していくんでしょうか。
SP6位。やはりもう、男子は4回転を跳ばないと勝負にならなくなってるんですね。それでも目立つミスはなくお客さんも盛り上げて、楽しいプログラムでした。こういう選手が一人ぐらいファイナルに残ってくれないとつまらない。FSはあのオネエポーズ(私が勝手にそう呼んでいるだけですが)から始まる美しいプログラム。楽しみです。
最終滑走 羽生結弦
いやあ、さすが。
リッポンで盛り上がった直後の登場ですが、あっという間に羽生選手の世界にお客さんをググッと引き込んでしまいました。
まさに王者の風格。
羽生選手自身、相当気分が乗ってたみたいですね。手招きでお客さんを煽りまくり。ジャッジにまでアピールしてましたね。本当にロックコンサートみたいなノリでした。
あの煽り、お客さんやジャッジに対してだけでなく、演技を先に終えておそらくモニターで羽生選手の演技を見ているであろう、5人のライバルたちへの牽制、アピールの意味もあったんじゃないでしょうか。
私がもし5人のうちの一人だったら、あれを見たら完全に戦意喪失、「ああ、もうこの人には絶対敵わないな」と思うと思います。
4ループ、踏ん張りましたね。フェルナンデスに負けない持ちこたえ方でした。あれで緊張がほどけたとかで、その後はもう独断場。最終滑走という事も含めてドラマかアニメみたいな完璧な舞台でした。やっぱり「持ってる」人なんでしょうね。
正直なところ、羽生選手は私にとっては苦手なタイプの人です。ちょっとナルシストっぽい所とか、饒舌な所とか。でも、フィギュアのような競技スポーツや芸能界などでトップの中のトップになる人は、ナルシストなくらいじゃないと務まらないんだと思います。
テレビなど公の場で見せる顔が全てではないので、本当に羽生選手がナルシストなのかどうかはわかりませんが。
放送を見る前に迂闊にも結果を見てしまったので、安定した精神状態で観ることが出来ましたが、ドキドキワクワク感は半減。
FSは同じ失敗ないようにするゾ!しばらくニュース番組は全面的にシャットアウトだ!
フィギュアスケートカテゴリーですニャ
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フランス語の80は4×20なんだニャ 若かりし頃のヨーロッパ旅行 後編
シェフィールドでのんびりした1週間を過ごし、リフレッシュが出来た後、更に北上してスコットランドへ。
スコットランドでは、ひたすら列車の旅。
元々列車に乗るのが好きというのもあるんですが、1ヶ月イギリス全土で鉄道乗り放題のパスを、しかも一等で購入していたので、乗らなきゃ損とばかり乗りまくりました。
(たしか8万円ほどだったと思います。日本で旅行代理店を通して買ったので、手数料込みだと思います。高いですけど、安心安全第一の為の必要経費と割りきりました。)
特に何も無くても、車窓からの風景というのは趣きがあります。
中でも海岸沿いの景色が好きで、国内でも列車移動の時は、多少遠回りになってもなるべく海岸沿いを通る路線を選ぶようにしています。その為の早起きなら全然苦になりません。
同じ海岸沿いの景色でも日本とイギリスはちょっと違う。日本はのどかで開放的、イギリスは天候によって、のどかで牧歌的な時と、陰鬱で荒涼としている時とあります。私は、どちらかと言えば陰鬱で荒涼としているイギリスの風景が好きです。何だか映画の一場面みたいで。
一旦車窓からの風景が気に入ると、乗り放題のメリットを最大限に享受すべく同じ路線を往ったり来たり。イヤホンで好きな音楽(もちろんイギリスの🎵)を聴きながら景色を眺めていると、最高にいい気分でした。
スコットランドではガイドブック(「地球の歩き方」です)をあまり見ず、列車から見て気に入った場所で降りて、まさしくぶらり途中下車の旅を楽しみました。
基本的に田舎の漁村みたいな所ばかりを訪れたので、スコットランドの旅の記憶は素朴な風景ばかりです。
一度だけ、たまたま降り立った所の近くにお城があったので、せっかくだから立ち寄ろうと思ったのですが、割と近くに見えたのに、歩いても歩いても辿り着かない。
行ってみたら思ったより遠くてなかなか着けない、馴染みのない土地で距離感が狂うっていうような事、たまにありませんか。正にそんな感じで、お城まで辿り着けた時にはいい時間になっていて、駅まで戻る時間を考えたらお城の中を見て回る時間がない!結局お城の側まで行って帰ってきただけになってしまいました。
あのお城、何処だったんだろう。外壁がえらく高くそそりたっていた印象が強くて、お城そのものの外観はほとんど覚えていないのですが。中を見てみたかったなあ。
旅行記を書くのなら、せめて多少なりとも有益な情報を、と思っていたのにダメだ!
観光地や施設などの感想を書こうと思っていたのですが、実はそこら辺の記憶がほとんど無い。
博物館とか教会とか幾つか行った事は行ったのですが、あまり覚えていない、印象に残ってないです。
写真には興味ないのでカメラを持った事もないし。日本人はカメラ持ってるというステレオタイプが健在だった頃なので、現地でも何でカメラ持ってないんだ、と何度か聞かれました。
写真もなく、かなり昔の事なので当時持ち帰ったパンフレット等も処分してしまい、よって、観光地や施設などについての情報はありません。スミマセン。
もしよろしければ、もう少しお付き合い下さい。
スコットランドでのもう一つの記憶は「ドイツ語!?」と思うような物凄い訛り。スコットランド全体ではないと思いますが、ぶらりと降り立った小さな海沿いの町で聞いた現地の人の喋りは、物凄い巻き舌でした。「Turn right ターンライト」を「トゥルルン・ルライト!」みたいな感じ。たしか東海岸側の漁村だったと思うので、もしかしたら歴史的にドイツなど大陸との交流が盛んでそういう訛りになってきたのかな?と推理してみたり。
日本の方言も、必ずしも距離が近いから方言が似るという訳ではないですよね。大分県の津久見辺りの方言が岡山弁にそっくりだとか。「砂の器」にも島根かどこかと東北の一地域の方言が似ているのが、事件を解く鍵になる、みたいなのありましたし。
言葉って、その土地の歴史や風習、国民性、県民性などと絡まっている(と思われる)所が面白い。
●フランス語の80は4×20だニャ
旅行に行く前に少し語学を勉強したと書きましたが、その中で最も面白いと思ったのがフランス語です。
特に数字の数え方が面白い。60進法というんでしょうか。
69までは大体英語と同じなんですが、70からは変わってきます。英語で70は seventy ですが、フランス語では 60+10 (soixante-dix ソワサン・ディス)。75は 60+15 (soixante-quinze ソワサン・キャーンズ)。
更に不思議なのが80。何故か 4×20 (quatre-vingt キャトル・ヴァン)になるんです。変わってますよね。何でこんなややこしい数え方になったんでしょうか?
でもまあ、ひねくれ・・・おっと失礼、皮肉屋であまのじゃくなイメージのフランス人らしいと言えばらしいですけど。
ちなみに81から99までは80+○です。そして100は
cent サン、1000は mille ミル。ミルフィーユのミルはコレです。フィーユは葉っぱ。
雑誌の「ヴァンサンカン」は"25歳"。ヴァン・サンク 25+アン 歳。綴りは vingt-cinq ans となるので、続けて読むとヴァンサンカンとなる訳です。
あ、一つタメになる(かもしれない?)情報ありました!
数字の40 、辞書や参考書などで quarant キャラントゥと表記されてる事が多いんですが、多分それでは通じないと思います。
フランス語の r は破裂音と言うんでしょうか、カ~ッペッ!と痰を吐く(汚い例でスミマセン、でもこれが一番分かりやすいと思うので)時のカ~に似た発音なので、キャラントゥではなく、キャゴンと言った方がネイティブの発音に近いと思います。ゴの所を少し濁った感じ(怪獣の鳴き声っぽく)で喋ると、よりそれっぽくなるかもしれません。とりあえず私のキャゴンは通じました。
あと、勉強して気付いたのですが、フランス語が語源の言葉は結構あります。
ファッション用語のプレタポルテ、オートクチュール、スイーツのクレープ、マカロン、ガトーショコラなどがフランス語というのは知られていると思いますが、他にもいろいろとあります。
シュークリームは chou à la crèmeから。シューはキャベツの意。形が似てるかららしいです。ついでにエクレアはéclair (エクレール) 稲妻が語源だとか。こっちは今いちピンと来ないです。
バンド名にもなっているラルク・アン・シエル l'arc en ciel は、空 ciel のアーチ arc で、虹という意味。最初の l' は le の短縮形。arc が男性名詞なので le 。女性名詞につく時は la になります。英語で the に当たるものと考えれば分かりやすいでしょうか。
アベック。日本では昔カップルの意味で使われてました。本来の意味は、~と一緒に、という意味。英語でいうと with に当たる言葉になるかと思います。例えば avec moi (アベック・モワ) だと "私と一緒に"。
えっ?そんなのとっくに知ってた?失礼しました。私はシュークリームは英語だと思っていたクチなので。
ちなみに、笑えるフランス語として有名なコマンタレブーは、Comment allez-vous? ご機嫌いかがですか?という挨拶言葉です。comment は英語の how 、allez は行くという動詞 aller の活用形、vous はあなた。
vous よりくだけた「キミ」というニュアンスの tu が主語になると、動詞のaller は何故か va という、もはや全く原型を留めない形に変身!Comment va-tu (コマン・ヴァ・テュ)?「元気?」となります。やっぱりフランス人ってひねくれ・・・ゴホン、個性的ですね😅
「元気?」だとComment ça va (コマン・サ・ヴァ)?という言い方もあるようです。どう使い分けるのか、どっちがよりポピュラーなのかまではわかりません。
外国旅行と外国語の勉強をちょっとかじった私の出した結論。
「挨拶言葉と数字を現地語で覚えて行くと旅行がちょっとだけ楽しくなる。」
挨拶を現地の言葉でするとウケがいい。
数字を現地語で話せると、値切るときの楽しみが増す。値段交渉は基本、数字だけでやりとり出来るので、他の言葉が分からなくても現地語で貫徹出来ます。これが出来たら「私、○○語喋れた!」気分を味わえます。万が一発音が通じなくても、その時は英語に切りかえる事もメモに数字を書いてやりとりを続ける事も出来ますから。
スコットランドから一旦ロンドンに戻り、ドーバー海峡を深夜便の船で渡って、夜明け頃にベルギー・オステンドに到達。徹夜に弱い私はすっかり頭がボーっとして、酔っ払った時みたいに視界がホワホワしたのを覚えています。
深夜便の船客目当てに早朝にも関わらず開いていたカフェで、レモンティーを注文したら「何それ?」みたいなリアクションが返ってきました。紅茶にスライスしたレモンを添えて欲しいと苦心して説明したら、ようやく納得して出してくれました。ベルギーではレモン+紅茶は一般的ではないのでしょうか。
そう言えば、アガサ・クリスティの名探偵ポアロシリーズのドラマ版で、ポアロが紅茶にミルクは要らないと言うと、イギリス人が「やっぱり外国人は変わってるわねえ。紅茶にミルクを入れないなんて」と言うシーンがありました。
同じヨーロッパでも国によって紅茶の飲み方が違うんでしょうか。イギリスのドラマはよく見ますけど、レモンティーが出てくるシーンは確かに印象にないので、ヨーロッパでは全体的にレモンティーは一般的ではないのかもしれません。
前の記事でフランスに渡ったと書いたのですが、よくよく記憶を辿ってみると着いたのはベルギーでした。ぐるっと時計回りにオランダ、ドイツ、オーストリア、スイス、イタリア辺りを回って、最後にフランスに入るつもりで、ベルギーに最初に上陸したような気がします。
ベルギーの一番の思い出はやっぱりチョコレート!美味しかった~。そして安かった!私のようなチョコレート好きには天国のような国です。
チョコレート専門店で、箱に好きなチョコレートを詰めてもらって多分1000円位。箱の大きさが金額によって違っていて、その箱に入るだけ詰めてもらう形式だったと思います。そこそこ大きめのチョコが15コ位入っていたような記憶があります。
日本で買ったら多分、一コ2~300円するようなチョコだったんじゃないでしょうか。とにかく安かった!
もう一つ、ベルギーの名物と言えばムール貝。私は貝が大好きなので食べたくてしょうがなかったのですが、予算的に厳しかったので食べれませんでした。チョコレートを買う分を回せば良かったかもしれませんが・・・。
ドイツではしっかり名物料理食べましたよ。ソーセージとザワークラウト。安くてウマイ!ビールが欲しい!!
食べ物の記憶しかないのか!と我ながら思いますが、実は本当に食べ物の記憶がほとんどです。ベルギーとドイツ、それからルクセンブルクには2、3日ずつしかいなかったので。
大陸ではほとんどフランス・パリに滞在していました。
やはり腐っても花の都。いや、当時はまだ腐っていませんでしたが。
パリの居心地の良さというのは、コンパクトさにあるんじゃないかと思います。少なくとも私にとってはそうでした。
観光名所、買い物スポット、映画館や博物館、美術館、パリ市民の暮らすアパルトマン、観光客が泊まるホテル、公園・・・こうした観光や生活に必要な施設が互いに近い距離にあって、華やかでほどよく賑やかで、でもうるさすぎない。
地下鉄は便利で安い。でもその地下鉄を使わなくても、飽きずにそれほど疲れずにあちこち歩いて回れる。パリでは本当に随分歩き回りました。
映画もたくさん観ました。パリには映画館が多いし安い。新作だけでなく古い映画、いろんな国の映画を上映していました。
そして何より食べ物が美味しい!
バゲット、美味しかったです。本場のはメチャメチャ固いと聞いていましたが、食べにくいほどではありませんでした。パリのパン屋さんは早朝から開いていたので、お腹がすいて目が覚めた時は、近くのパン屋さんでバゲットと美味しそうなジャムを買って来てホテルでゆっくり朝ごはん🎵お陰さまでパリにいる間にすっかりぽっちゃりさんになりました😅
屋台のクレープも食べました。パリを歩き回ってヘトヘトになった時に屋台を見つけて買って食べたのですが、疲れきっていた私はクレープを受け取る時に手がプルプルしていたので、屋台のお兄さんに笑いながら何か言われました。多分、「俺に惚れるなよ!」みたいな事を言ってからかわれたんだと思います。
フン!お兄さんなんかタイプじゃないもん!と心の中で捨て台詞。でも、疲れていた時のクレープは本当に美味しかった!甘味が五臓六腑に染み渡るゼ、プハ~という感じ。
一人旅かつ貧乏旅だったので、レストランにはあまり入る機会がありませんでした。イギリスで知り合った日本人の女の子二人と、数日合流した時ぐらいじゃなかったかと思います。
そう言えば別れ際、もうすぐ私の誕生日だという事で、ガイドブックにも載っていた、そこそこ有名らしいカフェかレストランかでケーキを奢ってもらいました。
(あの時はありがとう!ご馳走さまでした!
もう何年も会っていませんが、元気にしているでしょうか?)
そのお店はシャンゼリゼ通りの凱旋門に向かって左側、建物の中ではなく舗道に出っ張る感じで出ているお店でした。記憶を便りにグーグルマップで調べてみたら、chez clement というのがそれらしく見える。
敷居の高い感じではなく気軽に入りやすいお店ではありましたが、Tシャツ、短パンの観光客らしき男性が入店を断られていたので、一応最低限のドレスコード的なものはあったみたいです。その日はたまたまマシな格好をしていて良かった~、断られなくて良かった~、と胸を撫で下ろした記憶があります。
レストランには一人で入れなかった私ですが、カフェにはチャレンジしました。
初めて入った時はどうしていいか分からず、勝手に席に着いていいかどうかも分からなかったので、とりあえずカウンターまで行って飲み物を注文し、座りたい席(お店の外の席)を指して「OK ?」と聞いてから座りました。たったこれだけの事に心臓バクバクさせながら。
映画などで見ると、勝手に座ったらギャルソンが注文を取りに来てくれるみたいですが、チキンな私には出来ませんでした。
2回目からどうしたかはよく覚えてませんが、多分毎回店員さんに「ここ、いい?」と合図してから座っていたような気がします。
カフェではカクテルやコーヒー、じゃないカフェを飲みました。美味しかったし、居心地良かった。入る時と出る時だけですね。バクバクするのは。
支払いも方法がわからなくてバクバク。仕方ないので、隣の席のおじさまパリジャンが席を立つのをじっと待ち、真似しました。確か、テーブルにお金を置いて自分のタイミングで出ていけば良かったかと思います。
●チップはどう渡すの?
あと、海外旅行で日本人が戸惑うのはチップですよね。慣れないけど、出来ればスマートに渡したい。
ガイドブックには10%が相場と書いてあったので、毎回それくらい置いてました。問題は渡し方です。
先述のカフェのように代金を置いていく場合はチップ込みの金額を置いていけばいい。でも、店員さんがテーブルまで来て清算する場合は?
記憶にあるのは、イギリスの列車の食堂車で食事をした時の事。大きめのお札で代金を払い、お釣りの中の1ポンド硬貨を「This is for you」と言って渡しました。当時の1ポンドは170円位だったと思います。10%より多めでしたが、感じのいい若い女性の給士さんだったので気持ちよく渡せました。
チップを渡す時の「This is for you 」はガイドブックにも載っていたし現地の日本人にも確認を取ったので、自信を持って使っていいと思います。他に「Keep the change お釣りは取っておいて」というのも使ったと思います。
私はイギリスでは、最初の1週間を除いてはずっとB&B (ベッド&ブレックファスト、一泊朝食つきの民宿。子供が独立した夫婦などが、余った部屋を客用に改装して民宿経営している事が多い)に泊まっていました。そこでもチップを払うべきか?
列車の中で知り合った年配の日本人男性(名刺を下さったのですが、日本の某一流企業のロンドン支店長、偉い方でした!)に尋ねると、B&Bではチップは必要ない、渡したら笑われるかもしれないよ、と言われました。
なので、基本的には渡しませんでした。
ただ、親切にしてくれたシェフィールドのご夫婦の所と、スコットランドで泊まったインド系と思われる一家の所では、出発の日に枕の上に「Thank you 」と書いたメモと一緒に、小さな封筒に入れたお金を1ポンドか2ポンド程度置いてきました。
スコットランドのインド系と思われる一家が経営するB&Bでは、部屋に電気ケトルが備えられていて部屋でいつでも熱いお茶が飲めるようになっていたのですが(ここだけでなくほとんどの宿に備わっています)、私は水が減っているのを忘れて電源を差してしまい、空焚きでケトルを壊してしまいました。
これ、もしかして高いんじゃ・・・?多額の損害金を請求されたらどうしよう、保険きくのかな?と慌てて旅行保険の約款を調べたら、上限はあるけど一応保険の対象になっていました。良かった~。
そこで、壊れたケトルを持って宿のご主人に事情を説明して謝り、弁償しますと伝えたところ「気にしなくて大丈夫、こういう事はよくあるから弁償しなくていいですよ」と優しく応えて下さいました。
ホッとすると同時に、あまりにご主人が優しく慰めて下さったので、壊した事を伝えて謝るより先にお金の心配やら保険の事やらを考えてしまった自分をちょっと恥ずかしく思いました。
言い訳になりますが、外国での事なので何がどうなるかわからないと思うと怖かったんです。救急車呼んだら後で多額の請求が来たとか、国によっては日本ではあり得ないことが起こると聞きかじっていたもので。
そのお詫びと、一部弁償のつもりでチップを置いてきたのですが、その後お店に行って調べたら思ったよりお手頃価格だったものの、当然ですが私が置いてきたお金では全然足りませんでした。
気が咎めたので、せめてもの罪滅ぼしとして、その後知り合った日本人でスコットランドに行く予定の人には、そこの宿を宣伝しまくりました。実際行ったかどうかはわかりませんが。
また話がそれました。
チップの話ですが、今から思えばスマートに渡したいなどと格好をつけずに、自然に渡せば良かったんじゃないかと思います。
特に今では、日本にチップの習慣がない事は観光業関係者の間ではかなり広く理解されていると思いますし、あまり深く考えずに渡せばいいんじゃないでしょうか。
チップをくれなかったとか少なかったとかで、海外セレブがケチだとやり玉にあげられているゴシップ記事をよく見ます。チップの習慣がある国で生まれ育っても払わない人がいるくらいだから、そこまで日本人が気を遣う事もないのかもしれません。
チップとは、サービスに対する評価や感謝の気持ちを表すものだと思うので、サービスに納得いかなければ払わなくてもいいんじゃないか、逆にサービスに満足したら(余裕があれば)多く渡せばいい。今ではそう思うようになりました。
まあ、真面目に10%の計算をしてドキドキしながらチップを渡すという、日本では滅多に味わえない体験もまた海外旅行の楽しみだと言えますし、外国の習慣を学ぶ事でその土地の文化や生活を知るいい機会だとも思います。
一応、この国の文化や習慣を勉強してきて尊重しているけど、行き届かない所があったら外国人なもんでゴメンナサイね、くらいのスタンスでいいんじゃないかと思います。
あまりにもパリが居心地良かったので、当初の予定と違ってイタリアには行きませんでした。せっかくイタリア語もちょっと勉強したのに。
せっかくだからかろうじて覚えているイタリア語を披露します。
ちゃお!ありべでるち!
やっぱり新鮮なオモシロ体験だった・・・若かりし頃のヨーロッパ旅行 イギリス編
若かりし頃、ヨーロッパを3ヶ月近くかけて旅行した事があります。
まず、ロンドン・ヒースロー空港に降り立ち、約1ヶ月イギリス各地を回ってから船でフランスに渡り、ベルギー、ルクセンブルグ、ドイツに数日間ずつ滞在してまたフランスに戻り、更にまた船でイギリスに戻ってロンドンから帰国、というコース。
往きは友達と一緒、1週間後友達は仕事のため先に帰国。時々、行く先々で知り合った日本人の友達と行動を共にしましたが、基本的には一人旅でした。
せっかく高い飛行機代を払ってヨーロッパに行くのだから、貪欲にいろんな体験をしたい!
その一つとして「現地の人と現地の言葉でちょっとでもいいから会話する」という目標を掲げ、出発前の数ヶ月、仕事や遊びの合間を縫ってちょっとだけ外国語の勉強をしました。
まずは「旅行者のための6ヶ国語」(多分こんな題名だった)という携帯に便利な小さいサイズの本を購入。英語、イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、ポルトガル語の6ヶ国語。この本で、挨拶言葉、○○はどこですか?、○○行きの電車は何時ですか?、いくらですか?など、旅行に必要な会話、そして数字の数え方・・・こういった基本的なものを6ヶ国語、並行して勉強しました。
そして、イザ!ヨーロッパへ。
覚えたての、恐らくは思いっきり日本語訛りのカタコト語を、頑張って喋りました。一応それなりに通じたみたいです。
ただし、「○○はどこですか?」などと現地の言葉で訊いたので、当然現地の言葉で返事が返ってきてチンプンカンプン。でもハッタリで、理解できてるフリして相づちをうちまくってました。
結局その後、別の人にこっそりカタコトの英語で尋ね直すハメになったんですけどね。
そんなアホな二度手間も外国旅行ならではの体験と思って楽しんでました。
今同じ事が出来るかなあ?
わかりませんけど、行ってしまえば案外出来るかもしれません。
案ずるより産むが易し、という言葉がありますが、まさしくその通り。行ってみると意外に何とかなるもんです。
私は飛行機が苦手だったので、出発前は飛行機の事で頭が一杯でした。飛行機が墜ちたらどうしよう、怖いよ~、でも旅行には行きたいよ~、でもでもやっぱり飛行機怖い、何とか飛行機乗らずにヨーロッパまで行けないかなあ、とその事しか頭に無くて、向こうへ行ってからの心配とかはほとんどどこかに行ってました。
(飛行機と言えば、コロンビアで、ブラジルのサッカーチームの選手を含め70名以上の方が亡くなったという悲しいニュースがありました。中には元Jリーガーの選手も数人いたとか。本田選手が悲報を受けてのコメントで「命って儚い」と言ったそうですが、本当にそうですね。これだけ科学技術が進んでいるのに、どうしていつまでもこういう悲しい事故が無くならないんだろう・・・。ご冥福をお祈りします。)
ロンドンに降り立ってからは、無事に着いたという安堵感と、不安から解放された反動ですっかりテンションが上がり、友達と一緒だった事もあって、外国に来たという緊張感はほとんど感じなかったです。
でも決して無防備だった訳ではありません。事前にヨーロッパ各国の治安状況、社会情勢などそれなりに勉強してから行きましたし、緊張感があまりなかったと言っても、当然日本にいる時よりは五感を研ぎ澄ませて道を歩きました。
通りを歩く時に一番気を付けたのはキョロキョロしない事です。外国の都市は通りの名前を分かりやすく示した標示板が立っているので、あらかじめ地図で目的地へのルートをざっくり頭に入れておけば、それほどキョロキョロしなくても大丈夫でした。
外国では、日本人はお金持ちで無防備と思われ、狙われやすいと聞いていたので、とにかく目立たないように、普段から着なれた服を着て高価な物は身に付けない、道端で地図を開いてキョロキョロしたり、「慣れない土地で不安」みたいな表情や素振りをしないように気をつけました。
多分、日本人観光客だというのはすぐバレると思ったので、「私は日本人だけどお金はそんなに持ってませんよ。観光客だけど海外には慣れてますよ。おいしいカモじゃないですよ。」感を醸し出すように工夫したつもりです。
それが効果があったのかどうかは分かりませんが、旅行中一度も危険な目には遭いませんでした。
当時、イギリスではIRAというアイルランドの過激派組織によるテロが度々起きていて、特にロンドンはテロに巻き込まれるリスクの高い都市に挙げられていました。
そのため人の多く集まる場所、公共交通機関などでは不審物がないか回りをよく見るように気を付けました。
こう書くと何だか不安を煽ってるように見えるかもしれませんが、こうした用心をする事も結構新鮮で、普段使わない脳の部分を使う感じで面白かったです。慣れてくると、それほど神経尖らせなくても自然と回りに気を配れるようになりますし。まあ、これは何事もなかったから言える事ですが。
イギリスは料理がマズいというのはまあまあ当たっていると思います。マズいというより、美味しいとは言えないというのが正確なところでしょうか。
名物のフィッシュアンドチップスは何度か食べました。油ギトギトなのを除けば味自体は悪くなかったです。まあ、揚げて塩を振りかけてるだけなのでマズくなりようがないとも言えます。
ロンドンに長く住んでいる日本人から聞いた話では、ローストビーフはとても美味しいらしいです。貧乏旅だった事もあり、私は食べる機会がありませんでした。
私はアガサ・クリスティが大好きなので、イギリスの食べ物は名前だけはいろいろ知っています。どんなものかよく知らなくても、言葉の響きだけでヨダレが出てきそうな食べ物の名前がたくさん出てきます。
ヨークシャー・プディング(イギリスにはプディングと名のつく料理が多いようです)、デボンシャー・クリーム。「クリスマス・プディングの冒険」という短編を読むと更にヨダレだらだらになります。カキのスープ、七面鳥(しかも煮たのと焼いたのと二種類!)、プラム・プディング・・・お金に余裕があったら全部食べ尽くしたかった!
思いきって注文して失敗したのはキドニー・プディング。キドニーとは腎臓の事。じ、腎臓?レバー料理みたいなもの?といった興味だけで、どんな料理か具体的に知らずに注文したら・・・しょっぱ!
これ、どうやって食べるんだ?もしかして何かと一緒に食べるもので、単独で食べる料理じゃないのかな?とあまりのしょっぱさに面喰らいました。
ちょっと調べてみたんですが、ネットで出てくるキドニー・プディングは私が食べたのとは違う。ネットで出てきたのはパイ包みのものなんですが、多分これ、ステーキ&キドニー・プディングと呼ばれるものなんじゃないかと思います。
私が食べたのはスライスされた状態のもので、見た目冷凍食品の平べったいハンバーグみたいな感じでした。腎臓をミンチ状にしたものをつなきの生地と混ぜて固めた料理だと思うので、ハンバーグに似ていて当たり前と言えば当たり前かも。(そう言えば、腎臓だけでなく血も混ぜて作るってどこかで読んだ記憶がある。だからあんなに塩気が多かったのか?生臭さを隠すために?)
塩加減を力一杯間違えた、腎臓を使ったパサパサのハンバーグってところでしょうか。
たまたまそういうビジュアルと味だっただけで、私が食べたのが一般的なキドニー・プディングかどうかは分かりません。下町の、地元の人が集うパブみたいなお店で食べたので、本格的なレストランで出てくる料理とは違ったかも。
今でも食べ方の正解はわかっていません。
でも、そんな失敗もいい思い出です。
私は当時も今も英語はそれほど喋れません。でも、英語がそれほど話せなくても旅行だけなら何とかなります。
ただ、多分日本人が耳馴れてるのはアメリカ英語だと思うので、イギリス人、特にロンドンの人が喋る英語は聞き取りにくいと思います。
英語力がそれほど無くてもわかるほど、ロンドン英語ってクセがスゴい。一番分かりやすい例としては、「エイ」の発音が「アイ」になる事でしょうか。例えば、late は「ライト」todayは「トゥダイ」という具合に。
そう言えばオーストラリア人も同じような発音をするそうです。ロンドン出身者が多かったんでしょうか。
あと、おいしいの意味でlovelyという単語を使う人が多かった。最初意味がわからなくて?となりました。これがロンドンのスタンダードなのか、例えば下町など一部地域の人達だけの表現だったのか分かりませんが。
ロンドンは大都市で外国人が多いので、英語に堪能でない人は珍しくない。なので、私の拙い英語でも理解しようとしてくれました。でも、中には忍耐強くない人もいて。
銀行でトラベラーズ・チェックをポンドに換えようと「Change, please」と言ったら何か質問されて、それが何を言ってるか全く分からず何度も聞き返していたら、窓口のその若い女性にチッて舌打ちされ「次の人!」って窓口からはじかれてしまいました。
「ステアリング」という言葉を繰り返し言っていたようなので、後で調べてみたらsteringとはイギリス通貨の意味があるらしく、要は、両替(change)を頼んだのに対して「イギリス通貨(stering)に両替したいんですか?」と確認しようとしていたみたいです。
イギリスでは両替=changeは一般的ではないのか?イギリス以外の国の通貨に両替する人が多いから確認したのか?それともヘタクソな英語を喋る外国人にイラっときて意地悪したのか?
その時はかなりムカッときましたけど、何しろ英語力がアレなもので文句も言えませんでした。日本語でいいから一言言えば良かった!
「アナタ、態度ワルイネ!接客業シッカクダヨ!」
そう言えば、海外の観光地で日本人観光客は妖精だと呼ばれてるそうですね。物静かで文句を言わないが、不快な事があると笑顔で黙って去っていき、二度と戻って来ない。
語学力の問題だけじゃなく、日本人って元々サイレントクレーマーが多いですよね。私もそうです。クレームはつける側も不快ですもんね。そんな不快な思いしてまでクレーム言いたくないですもん。
日本人の去った土地は廃れていくというのもあるそうです。日本人は治安が良く快適な場所を好むので、日本人が多い土地には自然と人が集まり栄える。なので、座敷わらし説まであるそうな。なかなか面白い説ですね。それなりに説得力もあると思います。
話がそれました。
イギリス旅行中目についたのはパブの多さ。都市にも田舎にも必ずあって、しかもどこのパブでも必ずと言っていいほど真っ昼間から飲んでる人がいる!
パブと言っても軽食を手軽に食べられる場所でもあるようで、お酒を飲まない人でも気軽に入れそうな雰囲気でした。夏だった事もあってお店のドアは全開、外に小さい背の高いテーブルがいくつか出ていて、そこで立ってお喋りしながらビールを飲みサンドイッチをつまむ、というオープンな感じでした。
驚いたのはスーツにネクタイのビジネスマンが昼間から飲んでた事!
シティと呼ばれる金融街で、道を尋ねたエリートビジネスマン風のイケメン(イケメン狙って声かけました、もちろん😳)も昼過ぎだというのに赤い顔で、「その顔で職場に戻って大丈夫なのかな?あ、みんな飲んでるから大丈夫か・・・」と思った事を覚えています。
文化の違いというか、羨ましいというか・・・。
ロンドン散策を10日ほどした後、中部の都市シェフィールドに移動。
私はデフレパードというバンドが好きで、その出身地という理由だけで訪れたんですが、見事に何もない所でした。かつては工業都市として栄えたもののすっかり廃れ、メインストリートと思われる辺りも閑散。今は稼働していない事が遠目にもわかるような寂れた工場が、寂しい雰囲気を一層増していました。
でも、人はみんなとっても温かかった!駅の案内所の人、バスの運転手さん、泊まったB&Bのホストのご夫婦・・・。
観光客が訪れるような土地柄でもなく、海外でメジャーな都市でもないので、外国人旅行者、日本人が珍しいという事があったのかもしれませんが、とても親切にしていただきました。
結果的には、何もない街だった事がかえって良かった!元々、人の多い所が苦手な私は、素朴でのんびりとして温かいシェフィールドの雰囲気にすっかりリラックスし、予定を越えて1週間滞在しました。
ホストの奥さんは私が一人旅だというので気を遣って、近所に一人だけいた日本人女性に紹介してくれました。イギリス人のご主人と暮らしているその日本人女性のお宅にお昼に招いていただき、久しぶりに思いっきり日本語が喋れてストレスも解消。その方も「この辺り、ほとんど日本人来ないのよね~」とおっしゃってました。
その後、シェフィールドを舞台にしたいくつかの映画がヒット。「フル・モンティ」「マイ・スウィート・シェフィールド」「シェフィールド」・・・などなど。これらの作品を観た映画ファンの人が訪れるようになって、今はまた盛り返しているかもしれません。特に日本人は凝り性なので、聖地巡礼的にシェフィールドを訪れているファンが多いかもしれないですね。私も行けるものならまた行きたいのですが、経済的な壁が・・・😭
何だかまとまりのない文章になってしまいました。イギリスの事だけで長くなってしまったので、続きのスコットランド、ヨーロッパ大陸については後日書こうと思います。
これからヨーロッパ旅行を計画している方に、多少でも参考になればと思ったのですが、だらだらと長いだけで内容があまり・・・。
そもそも20年近く前の話なので最初から全く参考にならない代物だったかも。こういうのを企画倒れと言うんでしょうね😓
ファイナル進出おめでとう NHK杯 FS 女子
良かったですね、宮原選手。
ファイナル進出が決まりました。
危なかったです。宮原選手もSPの後、精神的にキツかったでしょう。
いい結果になって良かったですが、ジャッジ、全体的に厳しかったですね。
私の予想は技67.5、演68で135.5でした。
演技構成点は今までのスコアから大体で予想したんですが、今回は69.16付いてました。少しずつ上がってきてるので、今シーズン中に70の大台に乗るかもしれませんね。
前半のジャンプ。
3Lz-3T、相当意識して緊張したと思います。このプログラムでは3Loを最初に跳んで、3Lz-3Tを2つ目に置いてますが、これが功を奏したかもしれません。1つ目のジャンプを成功させた事で多少は緊張感を軽減出来たんじゃないでしょうか。
コンビネーションの2つめのトゥループが回転不足になったのは私でも分かったのですが、その次の3Fも取られていたとは思いませんでした。
ステップは前回の事を踏まえて後半の進行方向を修正してました。もうケチつけさせへんぞ、と思いながら滑ったかどうかは分かりませんが、力強いステップだったと思います。加点もしっかりついてました。
後半最初の3Lz-2T-2Loは、回転不足を取られるとしたら最後のループかな?と思ってたんですが、ルッツが取られてました。スローで見たら確かに足りてないかも。基礎点の高いルッツの回転不足は痛い。
その次は得意の2A-3T。カナダ大会では珍しくちょっと詰まったのですが今回はいつも通り決めて、この後はもう安心して見てられました。
そう言えばいつの間にか、スパイラルの後、曲調が変わる所の、鳥が羽ばたくような腕ヒラヒラが無くなっている。最後の2Aを跳ぶ前の助走のラインも、ジャッジに遠い側から回り込んでいたのがジャッジに近い側からに変わっている。カナダ大会のを見返してみたら既に変更済みでした。カナダ大会の時は気づかなかった。
なぜ変更したのか分かりませんが、こうして微調整しながらシーズンを通して仕上げていくんですね。
得点が低いと感じたのは宮原選手も同じだったようで、険しい顔してましたね。ちょっとコワかった😓この点ではファイナル厳しいかも、と考えているように見えました。
☆☆☆☆☆☆
樋口選手の得点も思ったより低かったです。でも、本人は一応納得していたみたいですね。
私は、昨年の全日本の「マスク・オブ・ゾロ」の印象が強烈に残っているので、どうしても今シーズンのプログラムと比べてしまいます。
あのプログラムは樋口選手にとても合っていたと思います。スピード、勢い、強さ。樋口選手の強みや個性を存分にアピール出来るプログラムだったと思います。
シニアデビューの今シーズンも、同様の戦略で来るのかと思ったらちょっと違ってました。
SPもFSもしっとり目の曲で、スピードやジャンプといった武器に頼らず、じっくり見せる事に重点を置いているように感じました。
ただ、1年目はヒューンって感じの、勢いのあるスピーディで攻撃的なプログラムが見たかったな、と個人的には思います。
☆☆☆☆☆☆
松田選手はシリーズを通してずっと楽しそうに伸び伸び滑ってました。小さなミスはありましたが、力を出しきれたんじゃないでしょうか。
ジャッジ、もっと点をくれ~!
FSの衣装、良かったですね。好みです。
ちょっと鳥っぽいので「火の鳥」とかにも合うかも。
まだシーズン前半なのに何ですが、来季誰がシニアデビューするんでしょうか。今シーズンデビューの3人の活躍で、つい気が早くなってしまって。
本田、坂本両選手はほぼ決まり、後は全日本の成績次第で白岩、青木両選手あたりが候補、という感じかな?
私は今年からジュニアの試合を観るようになったんですが、今のジュニア女子は層が厚いですね。
上の4人以外にも紀平、山下両選手らが控えている。この2人は年齢的にまだシニアに上がれないみたいですが。
層の厚さでは日本とロシアはほぼ互角だと思います。総合的にはロシアの方がハイレベル。
ただ、ロシアの選手は早熟でシニアデビューが早い代わり、ピークが早く来て寿命が短いような。
そのあたり、ちょっと気になります。
☆☆☆☆☆☆
優勝はポゴリラヤ。安定してますね~。昨シーズンまでは不安定な印象の強い選手だったんですが、今は毎試合自信を持って滑れているように見えます。
これは想像ですが、安定感が増した要因の1つは、後半の3Lz-1Lo-3Sにあるんじゃないかと思います。
あの3連続ジャンプとは相性がいいんじゃないんでしょうか。あの3連続が上手くハマったので精神的な負担が減った。後半最初の、普通なら緊張するジャンプを自信を持って跳べる。しかも高得点が稼げる。だから他のジャンプやスピン、ステップに余裕を持って挑める。そんな感じじゃないのかな?と。
それにしてもポゴリラヤの演技はエレガントでダイナミックですね。背が高く、手足が長い。恵まれた体格を存分に活かしていると思います。
あと、首から腕や背中にかけてのラインが美しい。ホレボレします。
ポゴリラヤも弱点の少ない選手。アクセルがちょっと苦手みたいですが、元々基礎点が低いので得点のダメージは少ない。そこに今季は安定感も加わった。手強いです。
3フリップのエッジエラーと2アクセルのミスで減点されても140点近い高得点。完璧に滑れば、女王メドベデワを脅かす事も出来る。ファイナルの争いは熾烈になりそうです。
ソツコワ選手は後半のジャンプの多くが回転不足を取られ、点が伸びませんでした。落ち着いているように見えても、やはり相当プレッシャーを感じてたんでしょう。その分余計、後半に疲れが出てしまったのかもしれません。
長身を活かした大きな動き、柔らかで洗練された雰囲気。演技構成点も高い得点が出ていて、シニア1年目とは思えない、安心して見ていられる選手だと思います。
ただ、まだ存在感が薄いかな?という印象。これといった売りが無く、例えていうなら「勉強も運動も出来てみんなに好かれてはいるけど、今一つ目立たない優等生」という感じでしょうか。まだ色がついていないという言い方も出来るかもしれません。
これからどう化けていくのか、それとも人材豊富なロシア女子の中で埋もれていってしまうのか。
これだけの選手が物足りなく見えてしまう。それだけ今のロシアのレベルが高いということですね。
成績的には今一つでしたが、強く印象に残ったのがカレン・チェン。
超気の強そうな顔ですね~。メイクのせいかもしれませんが。
スパイラルの時の柔軟性とか、解説者が誉めちぎってました。これからグイグイ来そうな選手です。
とにもかくにも宮原選手がファイナルに進めて良かった。宮原選手の事だから、ファイナルまでにGPSで引っ掛かった所を修正して来るでしょう。
楽しみで待ちきれないニャ。
田中刑事、お手柄です! NHK杯 FS 男子
カッコ良かった~!!
本当にカッコ良かった!
田中刑事。
呼び捨てにしても呼び捨てにしているように感じない、不思議な名前ニャ。
衣装のシャツがすごく似合ってた。
演技に勢いがあった。気持ちが感じられた。
ガッツポーズまでカッコ良かった!
演技を観る前と比べてもイケメン度が格段にアップしましたよ。
前に佐野さんが、田中刑事の良い所は歯切れの良さだと言ってました。まさしくその良さ全開の、勢いのある楽しい演技でした。
最後まで全力で滑りきるぞ、という強い気持ちが感じられた。最後までスピードが落ちなかった。最後までキレのある動きだった。
本当に素晴らしかった!
刑事、お手柄です。
警視総監賞ものですよ。
NHK杯を観終わってから、改めて前のロシア大会の演技を観直しました。
多分ですけど。
ロシア大会のSPで4回転の予定が抜けてたんですが、結果的にそれが良い方に作用したんじゃないかと思います。
回転が抜けて0点になってしまったのが本当に悔しかった。で、その悔しさで何か吹っ切れたんじゃないかと。
あの失敗によって、過度の緊張やら気負いやら気後れやら、そういったものから解放されたんじゃないかと想像します。
そしてロシア大会FS。
着地が乱れたけれど、SPで抜けた4Sに思いきって挑めた。次の4Sからのコンビネーションが3Sの単独になってしまったけれど、その次の3Aは無難に決められた。序盤のミスに引きずられる事なく、後半しっかり立て直せた。
多少のミスがあっても一つ一つ集中して要素をこなしていけば、結果はついてくる。
力を出しきるために、試合に向けてどう気持ちを持っていったらいいのか、何らかの手応えを掴めたんじゃないでしょうか。
全部想像ですけど。
でも、ロシア大会SPから順番に続けて観てみると、4S、3F-3Tなどジャンプがちょっとずつ安定していっているのがわかります。
つくづくフィギュアはメンタルが大事なスポーツなんだなあと思います。
あと、ステップも良かったですね。
ステップの途中、上体を後ろに反らすちょっとユーモラスな動きが好きです。何年か前にプチブレークした芸人さんで似た動きをする人がいたような記憶があるんですけど、何ていう芸人さんだっけ?
キスクラでは前髪をやたらと気にしてましたが、何か拘りがあるんでしょうか。もうちょっと、どんなスコアが出るかドキドキして下さいよ😺とテレビにつっこんでしまいました。
初の表彰台だというのに思いのほかクールでしたね。もっと大喜びするのかと思ってましたが。元々そういうキャラクターなんでしょうか。
むしろ、羽生選手の方が喜んでる感じ。
優勝インタビューが終わってから表彰式までの間、画面に映る羽生選手はずっと田中選手と喋ってました。と言うより羽生選手がほとんど一人で喋ってる感じで、ずいぶんハイテンションだなあと思いながら見てました。
もしかしたら、優勝した事より、田中選手と一緒に表彰台に上がれる事の方が嬉しかったのかもしれないですね。
羽生選手は普段、世界各地でフェルナンデス、チャンなど海外の選手と競う事が多い。
今回は自国開催の大会で、昔から切磋琢磨してきた同学年の日本選手と競い合い、しかも一緒に表彰台に上がれた。
特別な感慨があったでしょうね。
出来ることなら日野選手も加えて表彰台独占したい、ぐらいの気持ちだったかもしれません。優勝インタビューでの「日野選手、もっと来いや!」もそういう気持ちから出たコメントだったのかな?
その日野選手。
転倒したけど4Tに挑戦しました。
コケ方が優雅でしたね。「あ、コケた!」と慌てるでもなく、しばらくコケるに任せる、みたいな感じで。
演技も全体的に上品で慎ましく、一つ一つ丁寧にこなすタイプに思えました。
日野選手の事はほとんど今大会で知ったようなものなんですが、インタビューでのコメントや演技後のたたずまいなどを見てると、控えめな性格の人なのかな?と感じました。ガツガツとかギラギラとかには縁がなさそうな感じ。
でも、羽生選手も「もっと来いや!」って言ってる事だし、これからはもっとグイグイ行け~!と思います。ギラギラした日野選手も観てみたい。
☆☆☆☆☆☆
海外選手では波乱が。
NHK杯前の段階で残り3枠。羽生選手を除いて2枠。
リッポン、ブラウン、ビシェンコの争いになると予想してました。中でもブラウン選手が優勢かな?と。
ブラウン選手がFSで取り返してファイナル行きを決めると思ってたんだけどな。ジャンプが決まらなかったですね。最近安定感が出てきたと思ってたんですがどうしたんでしょうか。体調が悪いようには見えなかったので、調整に失敗したんでしょうか。
それでも演技後の笑顔はいつも通りでした。本当に表情や仕草が可愛い人ですよね。
ネイサン・チェンの事は、ファイナル残留争いという点では完全に忘れてました。
これで日本2、アメリカ2、スペイン1、カナダ1になったわけですね。女子のロシア4、日本1、カナダ1よりはバラけてて良かったです。
ネイサン・チェンは4Sを止めて構成を変えてました。前回4S、4Tをミスしてたので、確実にジャンプを成功させる事を優先して、サルコウははずしたんでしょうか。難易度の高い4フリップ、4ルッツの方が得意みたいですね。
選手によってジャンプの得意、不得意が違ってて、必ずしも難易度が低いから得意、という風にならないのも面白い所です。
ところで。
チェン選手。演技中は凛々しい男前に見えるんですけど、それ以外ではたまに、ラーメン大好き小池さんちの子に見える時があります。
多分、あの髪形のせいだと思います。
天パーでしょうか?
ちょっとだけプリンス度アップ NHK杯 SP 男子
プリンスというより氷川きよしに見える、なんて言ってスミマセンでした。
いや、別に氷川きよしが悪いという意味ではありません。プリンスをイメージした衣装が氷川きよしっぽく見えただけなので。
衣装、白から薄紫に変えてましたね。やっぱりプリンスだからパープルにしたんでしょうか。
見慣れた事もあってか、パープル効果か、ちょっとだけプリンス度がアップしたように感じます。
羽生選手のSP、良かったですね~。
プリンス度が上がったのは衣装のせいだけじゃないかも。
4ループは着地が乱れたけれど回りきった。前回、回転不足になってしまったので気合い入ったんでしょうね。
4S-3T、素晴らしかったですね。クルクルッ、クルクルッ、スタッて感じの観てて気持ちいいジャンプ。着地した後の羽生選手、ドヤッていうポーズに見えました。
3Aに至ってはプラス3点!解説者がよく、ステップから直ちに跳んで着地後もすぐに次の動作に入って・・・とか、難しい入り方だから加点が・・・、とか言ってますけど、なんかもう羽生選手がやると難しい事をやってるように見えない。楽勝って感じですね。
そう言えば羽生選手、男子には珍しくビールマンスピンをやりますよね。他の男子は出来ないのか、女子っぽいイメージがあるからやりたがらないのか知りませんが。
Let's Go Crazyには入れてないですね。羽生選手のビールマン好きなんだけどな。
FSには入れてるので曲に合わせてるんでしょうか、それとも規定とかの絡みなんでしょうか。ちょっと調べてみたんですけど、よくわかりませんでした。
ジャンプだけでなく、スピンもステップも上手い羽生選手。弱点はないのか?完璧過ぎるなんて可愛いげがない!と思って無理矢理探しました。
あった!
ルッツジャンプ。多分苦手ではないかと。
私の知る限りでは一番ミス率が高いような。一番最後に跳ぶから疲れが出てミス率が高いのかもしれませんが。違ってたらスミマセン。取りあえず私の中ではそういう事にしておきます。
あと、前にLet's Go Crazyの歌詞がちょっと卑猥だと書いたんですが、改めて和訳を見てみたらそれほどでもなかった。前に歌詞を読んだ時、今より若くてウブだったせいなのか、目にした和訳がたまたまエロさを盛った表現だっただけなのか。訳し方によって全然ニュアンスが違いますもんね。
もし、前の記事を読んで期待して(?😻)歌詞を調べてガッカリ、という方がいらっしゃったらお詫びします。大袈裟に書いてすみませんでした。
☆☆☆☆☆☆
日本の他の2人、田中、日野両選手も力を出しきってましたね。
日野選手の事は昨シーズンまで私、全く知らなくて「名前聞いた事があるような、ないような」でした。今シーズン開幕前に「フィギュアスケートTV」でチラッと紹介しているのを見て彫りの深いイケメンだなあ、と思ってたくらいです。
NHK杯は、山本選手の代わりのエントリーだったんですね。羽生、田中両選手とは同い年だとか。そして三者三様のイケメン。最近のアスリートは本当に二物も三物も持ってますね。
田中選手のSPはタンゴ。宇野選手と同じです。今シーズンは無良、村上両選手、昨シーズンは宮原選手がフラメンコでした。今、日本選手の間でラテン系の曲が流行ってるんでしょうか?
そう言えばボーカル入りが解禁されたシーズンは怪人だらけでしたね。まあ、あれは解禁がきっかけでかぶっただけなので流行りとは違いますが。かぶっても使うパートや構成がそれぞれ違うので、それはそれで見比べる楽しみがありました。
ただ出来れば、あまりこれまで使われていないクラシック曲を使ってくれないかなあ、と思っています。「モルダウ」とかドボルザークの曲とか大好きなんですけど、私の知る限りでは使われたことがない。フィギュアには向かない曲なんでしょうか。
だから、今シーズン宮原選手が「惑星」、しかも「木星」の出だしのパートを取り上げてくれてとても嬉しいです。これも大好きな曲で、あのパートが特に好きなので。
田中選手は3位。表彰台、と言わず、チェン抜きで2位を狙うくらいの勢いでいって欲しいですね
日野選手は9位。もうちょっと点数くれてもいいと思うんだけどな。加点が少なかったです。
二人ともFSも頑張って下さい。
☆☆☆☆☆☆
ネイサン・チェンは4ルッツで転倒、苦手な3Aでも手をつきましたが、大崩れする事なく稼げるところでキッチリ稼いだ感じ。PBを出した前回には5点ほど及びませんでしたが、ミスの割にはまずまずの点だと思います。
ブラウン選手はちょっと残念な結果。それでも見せる、いや、魅せる力は羽生選手に負けてないと思います。
おおらかで滑らかなスケーティング、ダイナミックなバレエジャンプ、独創的なスピン。あっという間に終わっちゃった、え~、もうちょっと観たいなあ、と思わせる演技だと思います。
日本に来るのを楽しみにしていたらしいですが、本当に本心から日本で滑れた事を喜んでくれていたみたいに見えました。演技後の挨拶の時の表情が本当に嬉しそうで、それを見ているこっちも日本のフィギュアファンとして嬉しい。
そう言えばポゴリラヤ選手も挨拶の時、いつもの5割増しくらい嬉しそうに客席に手を振ってました。客席の入りや熱気が他の大会とは全然違うので、選手もテンション上がるんでしょうね。
・・・と書いている間にフリーの中継が迫ってきました。
ワクワク、ドキドキです。
コケちゃった!でもドンマイ NHK杯 SP 女子
メドベちゃんに続いて知ちゃんも!
弘法も筆の誤りっていうやつでしょうか?
「あ~、コケちゃった!」
カナダ大会で3位と、宮原選手にしては物足りない結果。ファイナル進出のためには少なくとも2位以内に入らなければならない。二連覇もかかっている。
この状況で先に滑ったポゴリラヤ、ソツコワが高得点でワンツー。プレッシャーがかかる場面でした。
更に前大会で回転不足を取られた事も大きく影響したみたいですね。今度は取られたくない、という思いが強すぎたとしても無理ないです。
前の試合の時だったか、実況の人が「宮原選手はもう1年くらい転倒していない」と言っていたので、コケた瞬間の宮原選手の動揺は私ごときの比ではなかったでしょう。
それでも、次の3ループに2トゥループをつけてリカバリーした。コンビネーションにしなければいけないと頭でわかっていても、あの"超久しぶりの"転倒の後ではそんな簡単に出来るもんじゃないと思います。パニクりやすい私には絶対無理です。
若いのに冷静でエラいわ~。
ただ、コケた直後のスピンでちょっとだけ軸がブレたかな?と思ったのですが、どうだったんでしょうか。
私の予想は、技術点30、演技構成点33、マイナス1で62点くらいだったので、それよりはいい点が出てちょっとだけホッとしました。
同じジャンプミスでも、抜けて点数ゼロになるよりはずっと良かった!転倒の後も、見た感じ引きずらずに切り替えられた。
2位のソツコワ選手はFSのパーソナルベストが131点台なので、5点の差ならまだひっくり返せる。
客観的に見れば、それほど悲観的になる状況ではないと思います。
一方で懸念材料もあります。転倒無しで滑りきれたとしても、回転不足やエッジエラーを取られて得点を抑えられる。若いソツコワ選手がグンとスコアを伸ばしてくる可能性がある。ポゴリラヤ選手も今シーズン安定感が格段に増し絶好調なので、ミスを連発しない限り順位を落とす可能性は少ない。
本人の立場から見ると、SP前より更にプレッシャーがかかる状況です。
その視点で考えると、やっぱりあの転倒は痛い。
でも、ドンマイ!
こうした事も来シーズンの五輪に向けての試練、糧だと思えばいい。
むしろ、今シーズンにいろいろ経験しておけて良かったかもしれません。
ステップが0点になったり、ここぞという所で滅多にない転倒をしたり。日本のエースと呼ばれるようになってからここまで追い込まれたのも初めてなんじゃないでしょうか。
課題が早く見つかり、或いはこの時期に試練に直面し、立て直す時間を与えられたと考えればラッキーと言えるかもしれません。
もうこの際順位だのファイナル進出だのの事は一旦置いといて、宮原選手には開き直って思いきった演技をして欲しい。悔いの残らないFSにして欲しい。
その結果ファイナルを逃したとしてもそれはそれで仕方がない。
考えてみれば、どんな経験豊富なトップ選手でもファイナルを逃すなんて普通にある事です。
これまで大きなミスがなく安定感が武器の宮原選手だったから、いつのまにか期待通りの結果を出してくれる事が当たり前になっていて、シリーズが始まる前からファイナル進出は決まり!みたいに勝手に思ってました。
そんな訳はないのに。
もしファイナルを逃したとしても世界選手権で取り返せばいい。世界選手権が駄目でも来シーズンにその経験を活かせばいい。
諦めるという事ではなく、人事を尽くして天命を待つ、の境地で、宮原選手自身が「やりきった!」と思えるFSにして欲しいというのが、一ファンとしての私の願いです。
☆☆☆☆☆☆
樋口選手もちょっと惜しかった。
でも抜けジャンプにならず最低限のダメージで押さえられたのも、動揺を引きずらずリカバリーが出来たのも宮原選手と同じです。
シニアデビューの15歳、エラい!
これぐらい普通じゃん、割と簡単でしょ、と思っていた事が、いざ自分でやってみると「こんなに難しいんだ!」と感じる。頭でわかっていてもなかなかその通りに出来ない。
そういう経験を重ねてきて、今まで舐めていてスミマセンでした、と反省しきりの今日この頃。
ミスをすぐにリカバリーする。そんな、(トップクラスの選手としては)当たり前の事を当たり前に出来るその凄さ、今の私にはわかります。
あやかりたい。
☆☆☆☆☆☆
松田選手は演技前からすごく楽しそうで、コーチと笑いながら顔を見合せたり。名前を呼ばれる前も「早く滑りたい!」みたいな雰囲気を感じました。
演技にもその気持ちがよく出ていて伸びやかで、全く緊張感とか固さがなかった。清々しい、気持ちのいいSPだったと思います。
試合後のインタビューで「全然緊張しなかった」と本人も言っていました。
大物だ!
回転不足を取られたものの3Lo-3Lo、滑らかでした。スピンの回転が遅いのが弱点かな?
ステップから入るプログラムというのも、最初のジャンプ前に体が温まって、いい具合に力みが抜けて案外いいんじゃないかな?と松田選手の滑りを観ていて思いました。
☆☆☆☆☆☆
ポゴリラヤ、ソツコワ以外の海外選手では、長洲未来、カレン・チェン、トゥルシンバエワに注目していました。
こうやってみると、フィギュアってアジア系の選手が多いですよね。女子も男子も上位は半分か、それ以上がアジア系。アジア人向きの競技なんでしょうか。
欧米人は一見細く見えても、骨格がしっかりしているので見た目以上にサイズが大きい、特に骨盤が張ってると聞いた事があります。明らかに自分より細身のアメリカの女の子にジーンズを借りて履いたらブカブカだったとか。
それに比べるとアジア人は相対的に凹凸が少なく華奢なので、ジャンプ跳んだりスピンを回ったりするのに有利なのかもしれないですね。バネがあって陸上で強い黒人選手が少ないのも、あのボン、キュッ、ボーンのナイスボディが仇になっているからかも。
テレビ観戦記 フィギュアGPS 中国大会 FS 男子編
金選手、残念!
ファイナル進出は厳しい。本当に残念!
演技自体は良かったんですけどね。相手が悪かった。
返す返すも前回の5位が痛い。SP、ジャンプ3つとも大きなミスになってしまいましたもんね。
ただ、ジャンプミスという事で言えば、今回優勝したパトリック・チャンだって、SPではジャンプが1つ0点になって金選手に13点位差をつけられた。
でもそこからFSで、好演の金選手を更に上回って逆転V。結局ベテランの底力が勝ったという事ですね。
数字だけで見れば、勝負を分けたのは演技構成点。技術点では互角でしたが、演技構成点の差がありすぎました。
やはり演技構成点が高いというのは強い。余程大きく演技が崩れない限り大幅に点を抑えられる事は滅多にないし、精神的にも一種の保険のような効果があると思います。
「ちょっとぐらい技でミスがあっても演技構成点で取り返せる」
精神面での保険があるから余計な力みがなくのびのび滑れる、のびのび滑れるから持ち味の滑らかなスケーティングが更に活きる、ジャンプ等のミスも減る、そして更に点が伸びる・・・好循環が生まれるわけです。
チャン選手にとっては、SPでの13点近い点差も、先に滑った金選手のFSの高得点も、大したプレッシャーにならなかったのではないかと思います。
それにしても金選手、演技構成点が伸びないなあ。
昨シーズンに比べて随分演技の流れがスムーズになったように私には思えたんですが。
技術点は私でもある程度解るのですが、演技構成点はよく解らない。
金選手には何が足りないんだろう?
常に優勝候補に挙げられるクラスの選手を、仮に「トップグループ」と括るとすると、羽生、宇野両選手、後はフェルナンデス、チェン、そこに今シーズン、ネイサン・チェンが加われるかどうか、といった感じでしょうか。
残念ながら、今の金選手はその次の二番手グループといったところ。
トップグループの選手達と互角に戦おうとすれば、得意の4回転ジャンプで点を稼ぐしかない。でも技術点で他の選手を突き放そうと思えば、全てのジャンプをミスなく跳ばなくてはならない。
そうしたプレッシャーが初戦のSPの大崩れに繋がった、そして初戦で5位になりファイナル進出が遠のいた事で、今回は開き直って思いきりのいい演技が出来た、というのが私の推理、というか想像です。
だから金選手には「演技構成点」の壁を越えて欲しい。是非ともトップグループの仲間入りをして欲しい。
今のフィギュア界、強い選手が特定の国に偏っていると思います。
スペインのフェルナンデス、カザフスタンのテンを除いて後は日本、ロシア、アメリカ、カナダで占められています。
女子に至っては今シーズンGPSの表彰台、完全にこの4ヶ国の選手のみ。因みにジュニアのファイナル進出者は日本3人、ロシア3人、以上。偏りまくっています。
日本人としては、日本選手が強いのはもちろん嬉しい。
でも勢力図が固まって動かないというのは、競技スポーツとしてあまりいい事ではないと思います。
私の記憶が確かなら、シンクロは昔アメリカ、カナダ、日本が3強だったはず。それが気づけばアメリカ、カナダは衰退し、今はロシア、中国の2強とそれに続く日本、ウクライナ、イタリア、スペインという勢力図になっている。
その時々で強豪国が入れ替わり、でも常にそこに日本が入っている、というのが私の理想です。
フィギュアもそろそろ新しい血が入ってきて、ここ何年も固まってしまっていた勢力図を動かす原動力になって欲しい。
誰か一人スター選手が出てくれば、その国でその競技の人気が盛り上がる、裾野が拡がり国全体のレベルが上がる。レベルが上がると人気が定着し、その国のポピュラーなスポーツになる。
4ヶ国以外の国でそういう事が起これば、フィギュアは世界でよりメジャーなスポーツになる。
選手にとってはライバルが増え競争がより激しくなるので大変でしょうけど、一ファンとしては世界でフィギュア人気がもっと盛り上がって、もっと面白くなっていって欲しいと思います。
世界でのフィギュア人気って実のところはどうなんでしょうね。海外開催の試合で日本企業の広告の嵐を見ると、日本のフィギュア人気が異常で、世界では意外にマイナースポーツなのかな?と思ってしまいます。
今のように限られた国の選手ばかりが活躍する状況が続くと、強豪4ヶ国以外の国での人気が廃れ、いつか五輪種目から外される、なんて日が来るかも?
そんな日が来てほしくない!
そういう意味でも金選手にはより一層頑張って欲しいです。
それはそうと、金選手のあのジャンプの跳び方、あれは掟破りなんじゃないでしょうか。
アゴを引いて脇を締める、というのがセオリーなんじゃないかと私は勝手に思い込んでいたのですが。
昔の映画「炎のランナー」で、主人公の一人がアゴを上げた独特のフォームで五輪メダリストになる、っていうのがあったのを思い出しました。その主人公は「私が走るのは神を讃えるため」と言って顔を上げて走るんです。自己流の、メチャクチャな走り方なんですけど、メチャクチャ速い。しかもこれが実話なんだから驚きです。
金選手の跳び方が理に適っているのかどうかは分かりませんが、たとえ理に適っていないとしても金選手にとってはあれがベストなんでしょう。
それにしても金選手の4回転ジャンプ、特に4ルッツ異常な高さですよね。あのアゴぐいっと上げのお陰でしょうか。
☆☆☆☆☆☆
SP2位のサモーヒン選手はFSでミスを連発し表彰台を逃してしまいました。
途中で2回ほど演技を止めそうに見え、演技後も腰に手をやっていたのでどこか痛めたのかと心配しました。多分、滑り終わってしんどかっただけだとは思うんですが。
ところで。
前回はスルーしたけど、今回は触れざるを得ません。
演技後のお客さんへの挨拶、あれ、イジってくれって事ですよね?何だか及川ミッチーの匂いがしたんですけど・・・😅
そういえば顔立ちもちょっと似ているような・・・
サモーヒン選手のアダ名、ミッチーで決まり!
また面白いキャラが出てきました。
そのミッチーのチームメイト、ビシェンコ選手はロシア大会で3位に入り、NHK杯の結果次第でファイナル進出もあります。
4強の一角を崩すためにも残って欲しいですね。
現時点で宇野選手とフェルナンデス、チャンが決定、羽生選手は何かアクシデントがない限り当確、残り2枠をリッポン、ブラウン、ビシェンコで争う事になると思いますが・・・誰も落ちて欲しくないなあ。
・・・マックス・アーロン選手のFS、曲が流れた瞬間につい笑ってしまうのは私だけでしょうか?
日本のバラエティ番組のせいニャ💢😺
テレビ観戦記 フィギュアGPS 中国大会 FS 女子編
ラジオノワ選手の意地を見た!
ワタシ、絶対負ケナイ!!
意地でも降りてみせる!!
強い、強い意思を感じました。
FSは「トゥーランドット」。荒川さん、宇野選手のイメージが強いので、海外の選手が滑るとアレっ?と一瞬変な感じがしてしまいます。
前回ロシア大会では思うような滑りが出来なかったラジオノワ選手。直前のリプニツカヤ選手のアクシデントが影響したのかどうかは分かりませんが、かなり悔しい思いをしたでしょう。
元々ラジオノワ選手はジャンプの安定感が今一つ。着地が不安定。足元はガシッ、上体はグキッて感じで、お世辞にも滑らかとは言えない着地が多い。私の中では、観てて「大丈夫かな?コケないかな?」とハラハラする事が多い選手でした。今回も持ち前のサスペンス感(?)は健在。
それでも、文字通り踏ん張った!何がなんでもこの試合に勝ってファイナルに行くぞ!という気合いを感じました。
正直、私はラジオノワ選手の滑りはあまり好みではありません。体のどこかに余計な力が入りすぎてるみたいな、演技の流れがスムーズでない印象を受けるんです。グレイシー・ゴールド選手も似たタイプに感じます。
選手自身の事は好きなんですけどね。
ともあれ、ファイナル進出おめでとう!
☆☆☆☆☆☆
オズモンド選手は前回に続いて2位。
地元カナダでの大会では、点を貰いすぎなんじゃないの?とちょっと疑ってしまった私。すみませんでした。
ジャッジが甘かったとは思いますが、ホームアドバンテージの許容範囲内だったと訂正します。
それにしても、これまでミスが多く勝負弱いイメージだったのに、いつの間にこんなに強くなったんだろう?
1つ2つ大きなジャンプミスがあっても、それ以外の所でしっかり点を積み重ねている。私の認識が間違ってたのかな?
☆☆☆☆☆☆
トゥクタミシェワ選手は前回の感触が余程悪かったのか、FSを昨シーズンのものに変えてきました。
1つジャンプが抜けただけでコレオシークエンスとかも凄く良かったので、130点台前半は出ると予想したのですが、思ったより少ない点。何で?
演技構成点が64.58。意外に低い。もっと出てもいいと思うんだけどなあ。
トゥクタミシェワ選手は透け素材のヒラヒラした物を身に纏う衣装が多い気がします。本人の好みなのか、たまたまそういう衣装ばかりが私の印象に残っただけなのか。
オズモンド選手もトゥクタミシェワ選手も回転不足を取られにくい、クリアなジャンプが強みですね。回転不足を取られる取られないが勝負を大きく分ける今の採点ルールでは圧倒的に有利です。
☆☆☆☆☆☆
その回転不足のせいで予想外の結果になったのがワグナー選手。
>マークが並んでいる!後半のジャンプは全滅です。得点が出るまで時間がかかったので、本人もある程度予想していたんでしょう、得点を見た瞬間「ああ、やっぱりね。こうなると思ってたわ」って顔をしたように見えました。
もしかしてちょっとキレてた?
FSでは髪を下ろしていました。このヘアスタイルの方が好きです。ワグナー選手は髪をアップにするとアネゴ感が出てちょっとキツそうな印象になる。(個人的見解です)
昨シーズンの「ムーランルージュ」では髪をアップ、しかもフワッと盛り気味にしていたため頭がデカく見え、更にフィギュア選手にしては比較的ガッチリした体格も手伝って、大仏様みたいに見えました🎵
これでワグナー選手のファイナル進出は厳しくなりました。ゴールド選手も今シーズンは絶不調だし。代わりにカナダ勢が気を吐いています。
ただ、北米の二か国はシーズンによって当たり外れがある気がします。日本やロシアは、例えばエース格として期待されていた選手が不調でも、他の選手がその代わりに活躍したり、国トータルでは常にある程度のレベルをキープしているように思います。層の厚さの違いなんでしょうか?
試合を観ていると、リンクを囲むフェンスに日本企業の広告がズラリ。全部の大会を日本で開催しているんじゃないかと錯覚しそうになります。
ロシアはソチ五輪をきっかけに、ここ数年またグイッと国ぐるみでフィギュアに力を入れてる感じですし、日本とロシアのフィギュア人気、フィギュアへの入れ込みが突出しているのかもしれませんね。
☆☆☆☆☆☆
地元中国の3選手は成績としては目立たなかったけど、三者三様の滑りで地元のお客さんを盛り上げてました。
3選手の中ではベテランの李子君選手。大人っぽくなりました。
SPはキレがあって良かったのに、FSはミスが続き残念な結果に。プログラムがしっとりした曲調だったせいかもしれませんが、何だかちょっと元気がないように見えました。
李選手がシニアに上がってきた頃、私は李選手がトップ選手の一人としてフィギュア女子を引っ張っていく存在になるんじゃないかと思ってました。
もちろん成長はしているんだと思いますが、予想、期待していた程ではなくて、私の中では意外に伸び悩んでいる選手といった印象です。
織田さんが、「李選手はもう少し膝や足首を柔らかく使えるようになれば、ステップのレベルが上がったりスピードも出てきて、全ての要素にいい影響が生まれる」と言ってました。
何年もフィギュアを観ていても、そういうのは素人ではなかなか分からない。解説者がこういう事を教えてくれる事によって、それまで見てなかった細かい部分に注目するようになり、そこで初めて「あ、なるほど、こういう所をジャッジは見ているんだ」とか「選手は踊りながらこんな複雑な事をしているんだ」などと気付く事があったりするので面白いです。
次はいよいよ日本での大会。
宮原選手、樋口選手がファイナル進出を決められるか。
楽しみなような、ドキドキして恐いような・・・。